「うちの子、法学部を目指してるみたいだけど、弁護士志望ってわけでもないし……」「法律って難しそう。授業についていけるのかしら?」そんな声を聞いてきました。
実際、慶應義塾大学法学部には“法曹志望以外”の学生もたくさんいます。そして彼らは、法律という切り口から社会を見る力を身につけ、商社や金融、官公庁など多様な分野で活躍しています。
この記事では、慶應法学部での学び、学生生活、どんな生徒に向いているのか、進路や就職、受験の実態まで、保護者目線で丁寧に解説します。
法学部は「法律学科」と「政治学科」に分かれています
慶應義塾大学の法学部には、二つの学科があります。
法律学科では、憲法・民法・刑法といった基本法から応用的な法律までを学びます。将来、法曹(三大職:裁判官・検察官・弁護士)を目指す人もいますが、多くは一般企業や公務員に進みます。
政治学科では、政治理論や日本政治、国際関係、メディア論など、現代社会の動きを体系的に理解する科目が揃っています。マスコミや官公庁、外資系企業志望の学生も多く在籍しています。
いずれの学科も、専門知識を深めながらも、現代社会を多角的に捉える力を養う教育が行われています。
学生生活はどんな感じ?授業・課題・過ごし方
講義は座学が中心ですが、ゼミ(少人数の演習)ではディスカッションや発表、レポートが重視されます。課題の量は学科や履修科目によって異なりますが、法的な文献を読み解いたり、論点を整理したりする作業にしっかりと時間をかける学生が多いようです。
授業の合間には、図書館やカフェで課題を進めたり、サークル活動やアルバイトに取り組んだりと、それぞれが自分のペースで学生生活を送っています。授業の自由度が高い分、自主性が求められる環境とも言えるでしょう。
どんな学生が多いのか?雰囲気や志向性
慶應法学部には、比較的落ち着いた雰囲気の学生が多く在籍しています。法律学科では、論理的な思考が得意で、文章を読む・書くことに抵抗がないタイプの学生が多い印象です。一方、政治学科では、国際問題や報道、社会制度への関心が高い学生が目立ちます。
将来の進路に対してしっかり考えている学生が多く、ゼミ活動やインターン、資格取得に向けて早くから動き出す人も少なくありません。勉強だけでなく、課外活動とのバランスも上手に取りながら大学生活を楽しんでいる印象です。
慶應法学部に向いているのはどんな子?
「うちの子にこの学部は合っているだろうか?」という視点で見たとき、次のようなタイプのお子さんには向いている可能性があります:
- 社会の仕組みに興味がある
- 読解や文章表現が得意、または好き
- 物事を論理的に考えるのが苦ではない
- 一つの正解がない問いに向き合うのが好き
- 将来の方向性を自分で考えたいタイプ
こうした力は、法学部での学びを通じてさらに伸ばしていける素地になります。
卒業後の進路と就職実績
慶應法学部は、社会での評価が非常に高く、卒業生の進路は多岐にわたります。
法曹を目指す学生は、法科大学院(ロースクール)に進学するか、司法試験予備試験を受けるルートを選びます。
一方、企業に就職する学生は、商社、金融、広告、IT、メーカー、コンサル、マスコミ、官公庁など、幅広い業界で活躍しています。法律学科・政治学科いずれの出身でも、論理的な思考力や文章力、プレゼン能力が評価される場面が多く、進路の選択肢は豊富です。

慶應法学部の偏差値と入試方式|親が知っておきたい受験の実態
慶應義塾大学法学部の偏差値は、パスナビ(旺文社)によると法律学科・政治学科ともに67.5とされています(2024年度データ)。これは私立文系の中でも最難関のレベルであり、特に英語や国語の読解力が重視される試験内容です。
入試方式は複数あり、受験生の得意科目や学力の特性に応じて選択が可能です。一般入試では、英語・国語・選択科目(日本史や世界史など)が中心となります。
また、推薦・AO方式も用意されており、比較的柔軟な制度設計になっています。形式にかかわらず、「深く読み、考え、論理的に表現する力」が求められる点が共通しています。
※参考:パスナビ(旺文社)https://passnavi.obunsha.co.jp/univ/2370/difficulty/
学費や立地など親として気になる点
学費は、私立大学の文系学部としては平均的な水準です。とはいえ、長期的に見れば相応の負担となるため、奨学金や学費免除制度の情報もチェックしておくと安心です。
キャンパスは都心の三田に位置しており、交通アクセスの良さが際立っています。進路相談や企業説明会も学内で頻繁に行われており、通学のしやすさと進路支援の強さを兼ね備えた環境です。
よくある質問とその答え(Q&A)
Q. 法学部って、弁護士になる人だけが行くんですか?
A. いいえ。実際には、一般企業や官公庁への就職を目指す学生が多数派です。法律や政治を学ぶことは、幅広い分野で活かせます。
Q. 授業についていけるか心配です。
A. 初学者を前提とした授業構成になっているため、専門知識がなくても大丈夫です。ゼミやサポートも充実しています。
Q. 数学が苦手でも大丈夫ですか?
A. 受験方式によっては数学を必要としないものもあり、文系型の学力で勝負できる選択肢があります。必ず募集要項をご確認ください。
保護者や現役生の声から見えるリアル
「息子は文章を読んだり書いたりするのが好きで、法学部は合っていたと思います。就職の選択肢も広く、親としても安心できました。」(保護者・地方都市)
「政治学科は、ニュースに敏感な学生が多くて刺激的です。ゼミも盛んで、社会との接点を持てるのが面白いです。」(学生・2年)
「受験は大変でしたが、入学後は自分で考えて動くことが求められ、それが逆に心地よいです。」(学生・3年)
まとめ:慶應法学部は“考える力”を育てる場所
慶應義塾大学法学部は、専門知識を身につけるだけでなく、「自分の頭で考え、社会に発信できる力」を育てる場です。
将来の進路がはっきり決まっていなくても、社会の仕組みに興味があり、考えることが好きなお子さんにとっては、きっと実りのある4年間になるはずです。
保護者としては、ブランド力・就職力・学びの質、いずれも安心できる環境として、ぜひ候補に入れていただきたい学部の一つです。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が、保護者の方に向けて執筆しました。記載内容はできるだけ正確を期していますが、最新情報は大学公式サイト等をご確認ください。
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