「文学部って、結局、卒業してから何になるんでしょうか?」
文学部=ふわっとしていて、就職が不安。そんなイメージを抱かれている方は、今でも少なくありません。
ですが、明治大学の文学部は、単なる“文学好きの集まり”ではありません。言葉・人間・社会を深く理解し、柔軟に思考できる人材を育てる、非常に実践的な学部なのです。
今回は、そんな明治大学文学部について、「どんな学びがあるのか?」「どんな子が向いているのか?」を中心に、親御さんの視点で掘り下げてみましょう。
文学部=国語の延長ではない?実は幅広い「学問の交差点」
明治大学文学部には、10以上の専攻(演習系統)があります。日本文学、英米文学、フランス文学、史学、心理学、演劇学、文芸メディア、哲学、情報コミュニケーションなど、いわば「人間と社会を深く見つめる」学問が集まった場所です。
たとえば「文学」と聞いてイメージされるような古典の読解だけでなく、
- 現代メディアと文学の関係性
- 社会心理学と人間行動の分析
- 思想史から現代の価値観を読み解く哲学的アプローチ
など、“現代社会とつながる学び”が重視されています。
「文章を読んで終わり」ではなく、「社会を問い直すきっかけとしての学び」がある場所。それが、明治の文学部です。
どんな学生が集まる?落ち着きと個性の共存
明治大学文学部には、次のようなタイプの学生が多く見られます:
- 本や映画、芸術など、表現に興味がある
- 他人の感情や社会の空気に敏感
- 自分の興味をとことん掘り下げたいタイプ
- 一人の時間が好きだけど、議論や対話も好き
全体的に、知的で落ち着いた空気がありながら、それぞれの専攻で雰囲気が大きく異なるのも特徴です。心理学系ではロジカルな議論が、文学系では感性を重視した対話が多く見られます。
学部内での「自分らしさの表現」が許されている、自由で刺激のある空間です。
向いている子の特徴:答えのない問いに耐えられる子
文学部に合っているのは、次のようなお子さんです:
- 「正解を出す」より、「考え続ける」ことに価値を見出せる
- 自分の視点を持ち、それを言葉にするのが得意 or 好き
- 社会や人間に対して、素朴な疑問を持てる
- 文章を読むこと・書くことに抵抗がない
- 感性と論理の両方を使う学びに惹かれる
学校の成績とは少し違う軸で、学びを深められるお子さんにとって、文学部は「知的な居場所」になりうる学部です。
就職の実態:文学部だからこその強みとは?
文学部出身者は、以下のような進路に進むことが多いです:
- 出版・編集・広告・メディア系
- 教育関連(教員・大学職員・塾講師など)
- 一般企業(人事・企画・営業など)
- 公務員(行政職、文化事業関係など)
文章力・発信力・共感力・分析力といった“総合的な人間力”が問われる場面で、文学部出身者は実力を発揮しています。
決して「専門性がないから不利」ではなく、「どの分野にも応用が利く力」があるというのが文学部の特長であり強みです。
偏差値・入試制度(パスナビ参照)
パスナビ(旺文社)によると、明治大学文学部の偏差値は57.5〜65(2024年度参考)です。
※出典:https://passnavi.obunsha.co.jp/univ/3120/difficulty/
入試方式は:
- 一般選抜(英語・国語・選択科目)
- 共通テスト利用方式
- 総合型選抜・学校推薦型選抜(指定校など)
国語の比重が大きい場合が多く、記述力・論理的思考力が求められる傾向にあります。小論文や志望理由書が必要な方式もあるため、「自分の言葉で考える力」が鍵になります。
学費やキャンパスの環境は?
学費は私立文系としては標準的です。明治大学では奨学金や学費減免制度も用意されており、家庭状況に応じた支援が整っています。
1年2年は和泉キャンパス、3年4年は駿河台キャンパスで過ごすのが基本。駿河台キャンパスは都心のアクセスに優れ、神保町や御茶ノ水という文化的なエリアで、知的刺激に満ちた環境です。
保護者・学生の声
「文学部は就職に不利だと思っていましたが、本人が主体的に動いてインターンや対話の場を活用していて、安心しました。」(保護者・埼玉県)
「正解がないからこそ、自分の考えを持てるようになった。これって、社会に出てもすごく強い武器になると思います。」(卒業生・広告代理店勤務)
「読書好きだったけど、哲学とか心理とか、自分の世界が一気に広がった感覚。毎日が面白いです。」(現役生・2年)
まとめ:「言葉」と「問い」を武器に生きていく力を育てる学部
明治大学文学部は、「文章を読むのが好きな子のための学部」ではありません。
自分の考えを持ち、言葉にし、人と交わることで社会とつながっていく力を育てる学部です。
将来がはっきり見えていなくても、「なぜ?」「どうして?」と問う姿勢を大切にしてきたお子さんにとって、文学部は非常に魅力的な選択肢になるはずです。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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