「商学部」って、そもそも何をする学部なの?
「商学部って、経営学部や経済学部と何が違うの?」
よく聞かれるこの疑問。とくに大学進学にあたり、似た名前の学部が並ぶ中で「本当にこの学部でいいのか」と不安を感じるのも自然なことです。
“商学”とは、商品やサービスが生まれ、人に届き、価値を生み出すまでのプロセスすべてを学問として扱う分野です。
早稲田大学の商学部では、この一連のビジネスの流れを、理論と実践の両面から学べるようになっています。
経済・経営との違いがわかりにくい?早稲田の商学部はこう違う
📌 経済学部との違い
経済学部では、経済全体の仕組みや数理モデルを使った理論的な分析が中心です。
国や市場の動きを“俯瞰”する視点を重視するため、マクロ経済学やミクロ経済学、統計解析などを深く学びます。
一方、商学部は「現場から考える学問」。
企業の経営活動や消費者行動、財務諸表の読み解き方、広告戦略など、より具体的なビジネスの構造に焦点を当てます。
📌 経営学部との違い(他大学と比較)
経営学部は主に「組織の中の人の動き」に注目し、マネジメント論や組織論が軸になります。
対して、商学部は会計・マーケティング・流通などの“企業と市場の接点”に強みがあります。
マーケティングやファイナンスのように、数字と行動を結びつけながら考える学問が多いのも商学部の特徴です。

早稲田大学商学部の特徴
- 一学科制(商学科)で、2年次から各自の興味に応じたコースを選択
- 所在地は早稲田キャンパス(新宿区)
- 実践的なゼミナール活動が非常に盛ん
- マーケティング、経営戦略、ファイナンス、会計、流通、国際ビジネスなど、多彩な分野が選べる
- 起業支援や産学連携プロジェクトも活発
- 偏差値は65-67.5(パスナビ参照)
学びの深さと広さ:コース制による専門性
2年次からは、以下のような専門コースに分かれ、より実践的な学びを深めていきます:
- マーケティングと消費者行動
- 財務会計と監査
- 経営戦略と組織論
- 国際ビジネスと貿易
- 金融とリスクマネジメント
- 商業史・ビジネス史
これらの分野は、早稲田商学部が**“実学”としての経済・ビジネス教育を大切にしている証**です。
詳しくは:https://www.waseda.jp/top/
学生の雰囲気:起業志向と多様性のハイブリッド
早稲田大学全体に通じる特徴ですが、商学部の学生は行動力が高く、多様な進路を志向する傾向があります。
- 起業サークルやビジネスコンテストに参加する学生
- 会計士・金融専門職を目指して資格勉強に励む学生
- 広告・マーケティング職に就くために実務経験を積む学生
- 海外志向が強く、留学・ダブルディグリー制度を利用する学生
どんな将来像にもフィットしやすい“柔軟性”こそ、商学部の最大の魅力のひとつです。
向いている子・向いていない子
✅ 向いている子
- 現実的に「ビジネスって何?」を考えたい子
- 社会やマーケットの変化に興味がある
- 数字と論理、でも人間の行動も気になる
- 就職や将来像をイメージしながら学びたい
🚫 向いていない可能性のある子
- 抽象的な理論や政策を深く追求したい(→経済学部向き)
- 組織運営や人事マネジメントに強い関心がある(→経営学部向き)
- 数字を使った分析や簿記がどうしても苦手
就職先とキャリアの広がり
早稲田商学部の就職実績は、早稲田内でも非常に高い水準にあります。
以下は実際に多くの学生が進む業界と職種の例です。
- 総合商社(営業・海外部門など)
- 大手メーカー(マーケティング・商品開発)
- 金融(銀行・証券・保険)
- コンサルティング(戦略系・人事系など)
- 広告代理店・PR会社
- IT系企業(ビジネスサイド)
- 起業・スタートアップ参画
会計やファイナンスを選んだ学生の中には、公認会計士や税理士を目指す人もおり、国家資格取得を目指す進路にも強い基盤があります。
よくある質問(Q&A)
Q. 商学部って、就職に強いって本当?
→ はい。企業にとって“使えるスキル”を学ぶ機会が多く、卒業生のネットワークも厚いため、強い実績があります。
Q. 経営学部と何が違うの?
→ 経営は組織マネジメント、商学は市場やお金の流れまで含む広い視野が求められます。より「現実のビジネス」に近いのが商学部です。
Q. 数学はどれくらい必要?
→ 会計やファイナンスでは数字が求められますが、理論数学ではなく“使うための数字”です。数的思考力があれば大丈夫です。
Q. 早稲田の商学部は1年次から専門に入れる?
→ 1年次は幅広く学び、2年次から専門コースに進みます。最初から決めきれなくても大丈夫です。
Q. 経済学部とどちらが就職に有利?
→ どちらも有利ですが、商学部は職種の幅が広く、営業・企画・マーケティングなど“現場”に強いと言われます。
まとめ:商学部は、現実とつながる“生きた学問”の場
早稲田大学商学部は、「ビジネスの仕組みを理解し、社会の中で動ける人材」を育てる場です。
経済や経営との違いは、「抽象か具体か」「理論か実践か」「社会全体か、企業と人か」という視点の差にあります。
商学部は、就職に強いだけではありません。社会に出てからもずっと使える考え方と、行動の軸をつくってくれる学部です。
「うちの子、社会に出たときに“動ける大人”になれるだろうか?」
そんな不安があるなら、一度この学部を調べてみて損はありません。
※偏差値はパスナビ参照:https://passnavi.obunsha.co.jp/univ/3190/difficulty/
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
コメント