就職とキャリア|“正解のない社会”で通用する、思考の基礎体力
駒澤大学文学部は、「問いに向き合う力」「言葉で表現する力」を4年間かけて磨いていく学部です。就職活動では一見、実学系に比べて不利に見えるかもしれません。しかし、人文的な教養と“深く考える経験”は、以下のような業界で高く評価されています。
業界カテゴリ | 主な進路先の例 |
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メディア・出版 | 編集、ライター、放送関連、PR広報など |
企業の企画職・人事系 | IT、人材、金融、メーカーなど多業種で採用実績あり |
教育・公務 | 中学・高校教員(国語、英語など)、地方自治体職員など |
福祉・文化事業系 | 地域活動NPO、文化施設の運営、教育支援など |
人文系の学生は、専門分野よりも「その過程で何を身につけたか」で勝負します。
特に駒澤大学は“自分で問いを立て、考え、表現する”ことを重視しており、社会で必要とされる「対話力」「観察力」「根気強さ」が培われます。
学生の雰囲気|素直で穏やか、自分のペースで世界を深める
駒澤大学文学部の学生には、一見おとなしく見えるタイプが多いかもしれません。ですが、内側に強い“探求心”を持っている学生が多く、自分のテーマをじっくりと育てていく姿勢が印象的です。
- 目立つのが得意ではないが、芯の強さがある
- 一つのことを深く掘り下げる力がある
- 派手さよりも「納得感」や「意味」に価値を感じる
- 自分の意見を持ち、言葉で丁寧に伝えられる
「誰かと比べるより、自分の関心と向き合う」——そんな学生が多く、静かに燃えるような熱量を持っています。
キャンパスの雰囲気|三軒茶屋にほど近い、都市の中の“思索空間”
駒澤大学の駒沢キャンパスは、都会にありながら落ち着きのある知的な空間。文学部生たちは、都市の空気を感じながらも、内省的な時間を大切にしています。
- 【立地】渋谷から電車で10分以内。通学の利便性が高い
- 【施設】文学部棟には豊富な文献と静かな学習スペース
- 【空気感】学生の声が大きくない分、集中しやすい。思索に没入できる
キャンパス内では、仲間と語り合う姿よりも、ノートとペンに向かう学生の姿のほうが自然に映ります。その姿は、派手ではなくとも、“思考の積み重ね”の象徴です。
こういう子には合わないかも|「すぐ役立つ」を求める子には厳しい
文学部の学びは、“すぐに答えが出ない問い”と長く向き合うことです。
以下のようなタイプの子には、合わないかもしれません。
- 実用スキルや専門職を早く身につけたい
- 数字で評価されたい/正解が明確でないと不安
- 知識を詰め込む学習スタイルが好き
- 複数人で進める実践的な学びを求めている
逆に、「知ること自体が面白い」と感じる子や、「一つのことを考え抜きたい」タイプには、これ以上ない環境です。
学びの内容|“自分で問いを立てる”ことが、最初の授業
駒澤大学文学部の学びは、単なる知識の蓄積ではありません。
知識を起点に、**「なぜそれが生まれたのか」「今とどうつながるのか」**と問い続ける力を鍛えていきます。
主な学科とその特徴
学科 | 学びのテーマ例 |
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国文学科 | 古典・近代文学、和歌、物語、日本語表現 |
英米文学科 | シェイクスピア、現代アメリカ文学、批評理論、英語での発信力 |
地理学科 | 都市問題、観光、地誌、GIS(地理情報)活用の視点 |
歴史学科 | 日本史・東洋史・西洋史、古文書・考古資料を扱う実証主義 |
どの学科も共通して、“自分の問い”を発見し、それを深めるゼミ活動が柱となっています。
Q&A|保護者の方が気になる疑問にお答えします
Q1. 文学部って就職で不利じゃないの?
→ 専門職向きではありませんが、「言語力」「論理性」「共感力」は評価され、多くの業界で活躍しています。
Q2. 英語力は伸びる?
→ 英米文学科では、原書読解やプレゼンテーションなどで英語を実用的に鍛えられます。
Q3. 公務員志望にも向いてる?
→ 地理・歴史などは出題科目に直結するため、地道に力を伸ばせる学科も多いです。
Q4. 演習や実践的な学びもあるの?
→ 地理学科では現地調査、歴史学科では史料分析など、実際に“動く”学びも経験できます。
Q5. 自分の興味が決まっていなくても大丈夫?
→ 幅広い分野があるので、1〜2年のうちに自然と自分のテーマが見えてきます。
入試情報|駒澤大学文学部への入り方
- 一般選抜は3教科型(英語・国語・地歴など)
- 共通テスト利用型や学校推薦型もあり
- 学科によっては小論文や面接が重視されるケースも
- ※偏差値はパスナビ参照
国語・読解系が強い子に向いており、早期から文章表現や記述力を磨くことが重要です。
まとめ|「すぐに使えない力」が、10年後に光を放つ
駒澤大学文学部は、スキルや資格では測れない、“人としての深み”を育てる学部です。
すぐに役立つ力ではないかもしれません。でも、“自分の言葉で世界を見る”力は、
時代が変わっても価値を持ち続けるはずです。
子どもが、「知ること・考えること・伝えること」によって、自分の軸を持てるようになる。
文学部は、そんな人生の「核」を育てる場所です。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
参考
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