
「進路のこと、もっと親子で楽しく話せたらいいのに」
そんな想いから、このサイトをはじめました。
筆者は、早稲田大学国際教養学部の学生で、同学部専門の個人塾を運営して2年目。これまでの少人数指導の経験をもとに、保護者の方に役立つ情報をお届けします。
学びの内容:社会の「当たり前」を疑うところから始まった
親「産業社会学部って、結局どんなことを勉強するの?」
子「一言でいうと、“社会を別の角度から見る力”を育てる学部って感じ。ニュースで当たり前みたいに流れてることも、“本当にそう?”って立ち止まって考える。」
親「たとえば、どんな授業が印象に残ってる?」
子「『メディア文化論』かな。テレビやSNSで流れる情報の背後にある価値観とか、偏りとかを分析する授業。広告一つとっても、“誰が誰に何を伝えたいのか”を読み解く。」
親「なるほど、そういう目線って大事ね。難しくなかった?」
子「難しかったけど、面白さの方が勝った。最初は“正解”を探しがちだったけど、社会学って“問いを立てる”学問なんやなって、だんだんわかってきた。」
親「問いを立てる、か…。答えよりも?」
子「そう。自分の視点を持って、“なぜ?”を考えられるかが大事やと思う。あ、あとフィールドワークも多かったよ。」
フィールドワークと実習:現場に出て初めて見えるものがある
親「現場って、どこに行ったの?」
子「私は“教育と子ども”をテーマにしてたから、子ども食堂のボランティアに通ったり、放課後支援の現場に入ったりしてた。」
親「大学の授業でそんなことまでやるんやね。」
子「やるやる。頭で考えるのと、実際に現場に立つのとでは見えるものが全然違う。貧困問題ってニュースで見てても実感湧かんけど、子どもたちのリアルに触れて、“制度の外側”にいる人たちがこんなにいるんだって衝撃受けた。」
親「それ、しんどくならなかった?」
子「正直、最初はきつかった。でも、そういう“違和感”をちゃんと持てるようになったことが、たぶん一番の学びかもしれへん。」
課外活動・ゼミ・資格:ゼミで徹底的に考える訓練をした
親「ゼミはどんなところに入ったの?」
子「“現代教育と社会”っていうゼミ。教育制度のあり方とか、子どもの居場所に関する研究をしてた。先生がめっちゃ厳しいけど、面白くて。」
親「どんな研究テーマだったの?」
子「“ヤングケアラーと学校制度のミスマッチ”について。家族の世話をしてる中高生が、学校で見落とされやすい構造があるってことを調べてた。」
親「それって…卒論のテーマになった?」
子「そう。たぶん、社会の“見えない声”に焦点を当てるのが、私の一番の関心やったんやと思う。」
親「資格とかは取った?」
子「社会調査士は取ったよ。あとは、教育系のNPOで実習もしてたし、実践も理論もどっちもバランスよく学べたと思う。」
キャンパスと休日の過ごし方:衣笠キャンパスの静けさと京都の街
親「衣笠キャンパス、居心地はどうだった?」
子「すごく落ち着いてて、読書したり考えごとしたりするのにぴったりの空間だった。社会学っぽい雰囲気の子も多かったよ。」
親「休日はどうしてたの?」
子「カフェでレポート書いたり、ゼミの本読んだり…。たまに哲学の道とか歩きながら思索にふけってた(笑)」
親「それ、なんか大学生って感じやね。」
子「うん、“考える時間”が贅沢に取れるって、今思えばすごく幸せだったかも。」
就職活動と進路:NPOか、企業か。最後まで悩んだ
親「就活はどうだった?」
子「実は最後まで悩んだ。NPOに進むか、企業に行くか。でも、最終的には一般企業の人事部に決めた。」
親「意外やね。現場志向だったからNPOかと思ってた。」
子「うん、自分でもそう思ってた。でも、企業の中で“働きやすさ”や“人のケア”に関わる仕事がしたくなって。外から変えるだけじゃなくて、中からも変えていけると思ったから。」
親「それ、いい選択やと思うよ。」
子「ありがとう。社会学で身につけた視点は、どこに行っても使えると思ってる。」
学生の雰囲気:ちょっとクセ強め。でも考え深い
親「産業社会学部って、どんな学生が多かった?」
子「めっちゃ多様。ジェンダー、メディア、地域社会、環境、いろんな分野に興味ある子がいて、語ると止まらないタイプも多かった(笑)」
親「クセ強め?」
子「うん、いい意味でね。“これが正解”じゃなくて、“私はこう思う”をちゃんと持ってる子が多かった。」
親「立命館の産社らしさって、どこにあると思う?」
子「“社会に向き合うことを、ちゃんと学問にする”って姿勢かな。リベラルだけど、甘くはないっていう感じ。」
一番の思い出:現場で見た子どもたちの笑顔と矛盾
親「一番印象に残ってる出来事は?」
子「子ども食堂で、一人の子が“ここに来るとホッとする”って言ってくれたこと。」
親「それ、嬉しかったやろうね。」
子「うん。でも同時に、“なんでこの子がホッとできる場所が、限られてるんやろ”って、モヤモヤも残った。」
親「それが、社会学の視点なんかな。」
子「たぶんね。感動と違和感がセットで来るっていうか、そこから“問い”が生まれるって、先生にもよく言われてた。」
立命館の産業社会学部を東京でいうと?一番近いのはここ!
「立命館大学の産業社会学部って、東京の大学で言うとどこが近いの?」
そんな疑問にお応えするため、学びの内容や学生の雰囲気から、最も近い対応先を紹介します。
結論から言えば、立命館の産業社会学部は、法政大学の社会学部に最も近いです。
立命館の産社では、「現代社会が抱えるリアルな問題」を出発点に、メディア・ジェンダー・教育・福祉・労働・文化など幅広いテーマを横断的に学ぶことができます。文系の中でも自由度が高く、社会に対する問題意識や好奇心をベースに、自分なりのテーマを深めていける“探究型の学部”です。
このようなスタイルは、東京の私大では法政大学の社会学部と非常に似ています。
- 法政の社会学部も、社会のリアルを多面的に捉える幅広い分野横断型の学部であり、メディア・文化・環境・ジェンダー・家族・都市・地域など多彩なテーマに対応
- 少人数ゼミやフィールドワークが重視され、現場に出て自ら問いを立てて学ぶという教育スタイルが共通
- 特に「社会を知りたい・変えたい」という学生の問題意識の強さが似ている
学生の雰囲気も、「個性的で、社会に対してアンテナが高いタイプ」が多め。どちらもキラキラ系ではなく、ちょっと内省的だけど知的な関心が深い学生が集まる学部です。
「“社会”ってなんだろう?」「自分のテーマで世界を考えたい」
そんな想いを持つ学生にとって、立命館の産業社会学部は理想的な環境。
東京で言えば、“法政大学 社会学部”が一番の対応先といえるでしょう。
受験生の親へのメッセージ:答えのない時代を生きる力がつく学部です
親「これからこの学部を目指す子の親御さんにメッセージをお願い。」
子「“正解が欲しい子”には、ちょっと難しいかもしれません。でも、“問いを持ちたい子”には、これ以上ない場所です。」
親「どうしてそう思うの?」
子「社会って複雑やし、答えがないことの方が多い。でも産社では、“考える力”をちゃんと育ててくれる。それって、どんな道に進んでも武器になると思います。」
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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