「法学部」って、文系の中でもどんな特徴があるの?
親: 法学部っていうと、お堅くて難しそうなイメージがあるのよね。実際、どういう勉強をするの?
子: 東京都立大学の法学部では、いわゆる“六法”(憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法)を基礎から学ぶのはもちろん、国際法や環境法、政策法務といった現代的な分野も扱っているんだ。単なる暗記型じゃなくて、「法律をどう現実社会で活かすか」を重視した実践的なカリキュラムが特徴だよ。
親: そうなのね。司法試験を目指すような子が多いのかしら?
子: もちろん司法試験を目指す学生もいるけど、都立大の法学部は“公務志向”が強いから、行政職や地方自治体の仕事を視野に入れている学生も多いよ。法と政策の接点を意識した内容が多いから、社会的な視点で学びたい子に合ってる学部だね。
法学部のカリキュラムって?座学だけじゃないの?
親: 法律って条文を覚えるだけの座学になりがちって聞くけど、都立大ではどうなの?
子: 実は意外と“アクティブ”な授業が多いよ。裁判所見学、模擬裁判、判例検討のグループワークなんかもあって、「法律の現場」を意識した実践的な学びが用意されてるんだ。1・2年次は基礎知識をしっかり固めて、3年次からはゼミで専門分野を深めていくスタイルだね。
親: ゼミってどんな感じなの?
子: 教授との距離が近くて、少人数でディスカッションをするスタイルが中心だよ。憲法ゼミなら「表現の自由とSNS規制」、刑法ゼミなら「少年犯罪の量刑問題」など、社会とリンクしたリアルなテーマを扱うから、思考力も鍛えられるよ。
学生の雰囲気は?まじめ?競争的?
親: 法学部って、なんとなくピリピリしてそうな印象もあるけど…。
子: たしかに、まじめな子が多いけど、ガツガツした“競争的”な雰囲気ではないかな。都立大は全体的に落ち着いてて、「自分のペースで勉強したい」って子が多い印象だよ。法学部も同じで、静かに自分の興味を追求するタイプが多いね。
親: 男女比はどうなの?
子: 法学部は男女バランスが比較的良くて、女子学生も多いよ。ディスカッションやゼミでもフラットな雰囲気だし、「男社会」みたいな感じはまったくないから安心してね。
就職はどう?法学部って潰しがきくって本当?
親: 文系の中では就職に強いって聞くけど、本当のところは?
子: 本当だよ。都立大の法学部は毎年多くの学生が都庁や特別区、国家公務員などの公的機関に進んでるし、法律知識を活かして民間の人材・金融・保険業界にも強い。あと、企業の法務部やコンプライアンス部門に進む人も増えてるね。
親: 弁護士や裁判官になる子もいるの?
子: もちろんいるけど、司法試験ルートに進むのは少数派かな。法科大学院(ロースクール)に進む人も一定数いるけど、多くは“法律を活かして社会で働く”道を選んでる感じ。行政・政策・企業と、幅広く活躍している印象だよ。
進路実績の一例:
- 国家公務員(一般職、裁判所職員など)
- 東京都庁、特別区、市役所
- 民間企業(損保、銀行、人材、メーカー、通信など)
- 法科大学院(中央・一橋・東京など)
- 企業法務・コンプライアンス部門
- NPOや市民団体(法政策に関わる仕事)
印象に残った授業は?
親: 法律の授業って、実際面白いの?
子: 「環境法」の授業が印象に残ってるな。実際に都内の河川再生プロジェクトのケーススタディをやって、法制度と住民参加の関係を学んだんだけど、ただの法律の話じゃなくて、社会と人の営みをつなげるリアルな学問なんだって感じたよ。
最後に、保護者の方へ
親: 法律っていうと将来安泰なイメージもあるけど、勉強はやっぱり大変そうよね…。
子: うん、確かに楽ではないけど、都立大の法学部は「法律って、社会の仕組みそのものなんだ」って気づかせてくれる学びがあると思う。実務と理論のバランスがいいし、首都東京のリアルな課題とつながってるから、意味のある勉強になるよ。
親: どんな子におすすめの学部なのかしら?
子: 社会のルールや正義に興味がある子、人の権利や制度の成り立ちに疑問を持てる子、自分の言葉で社会に問いを投げかけたい子。そんな子には、ぴったりの学部だと思う!
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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