工学院って、どんなことを学ぶの?
親: 工学院って、理系の中でも「ものづくり」に強そうなイメージだけど、実際にはどんな分野を学ぶの?
子: 東京科学大学の工学院では、機械、電気電子、材料、建築など、いわゆる“王道の工学”を幅広くカバーしてるよ。しかも単なる知識じゃなくて、「技術で社会課題を解決する」っていう応用的な視点が重視されてる。だから理論だけじゃなく、実験・設計・シミュレーション・開発など実践的な学びが中心なんだ。
親: 東京工業大学の伝統があるから、研究系っていう印象もあるけど?
子: 確かに研究もすごいけど、近年は「産業と社会に貢献する技術者」を育てる教育にもすごく力を入れてるよ。企業との共同研究やPBL(課題解決型学習)、インターンシップも充実していて、「研究」と「実務」の両方を大切にしているのが特徴。
具体的にどんな系に分かれているの?
親: 「工学」と一口に言ってもいろいろあるわよね。工学院の中ではどう分かれてるの?
子: 学士課程では以下の5つの系に分かれてるよ。
- 機械系:エネルギー、ロボティクス、流体力学、熱力学など
- 電気電子系:回路、通信、半導体、制御システム、AI応用など
- 材料系:ナノマテリアル、金属・セラミックス・高分子などの材料科学
- システム制御系:メカトロニクス、制御理論、IoT、ソフトウェア設計
- 建築学系:設計・構造・都市計画・環境工学など(※建築士資格対応)
それぞれの系に専門科目と実習があって、3年からは研究室にも所属するよ。
親: 分野が本当に幅広いのね。でも、文系の親からすると内容が全然分からないかも…。
子: 大丈夫(笑)。でも逆にいうと、ものづくり・電気・AI・都市計画・ロボット・自動車――なんでもできるから、“理系の子の興味”にほぼ全部対応できる学部ってことなんだ。
授業や研究室の雰囲気は?実験だらけ?
親: 理系の学部って、毎日実験ばかりやってるイメージだけど、本当にそうなの?
子: たしかに実験は多いけど、それだけじゃないよ。1〜2年は数学や物理を中心に基礎力を固めて、2年後期からは実験・設計・開発の授業が増えてくる。3年から研究室に入って、より専門的なプロジェクトに参加できるようになる。
親: 研究室って、どんなことするの?
子: たとえば、機械系だと人工筋肉を使ったロボットを作ったり、電気電子系なら無線通信のシミュレーション、材料系なら電池材料や航空機用合金の性能評価とか、本当に最先端の技術に関われるよ。大学発ベンチャーに関わる学生もいるし、研究成果がそのまま実社会に届くことも多いんだ。
学生の雰囲気は?地味?それともチャレンジ精神?
親: 工学部って、まじめで地味な男子が多い印象だけど、実際の学生はどんな感じ?
子: うん、まじめな子は多いけど、単に“地味”というより、“技術や研究に熱中してる”って感じかな。でも最近は女子学生も増えてて、国際志向が強い子、デザインやビジネスにも関心がある子もいて、思った以上に多様だよ。
親: 意外と活発なのね。サークルとか課外活動もできる?
子: もちろん!ロボコン、プログラミングコンテスト、建築設計コンペ、起業系サークルなんかが盛んで、そういう実践の場で力を発揮する学生も多いよ。「研究だけで終わらない」っていう雰囲気があるのが東京科学大学らしさかも。
就職には強い?研究者だけじゃない?
親: 工学部って専門性が高すぎて、研究者にしかなれないって印象もあるけど…
子: それは誤解かも。むしろ工学院は「就職最強レベル」だよ。大手メーカー、IT企業、インフラ、商社、外資コンサルまで、あらゆる業界から声がかかる。設計、開発、エンジニアリングだけじゃなく、マネジメント系職種にも進む人が増えてるよ。
親: 具体的にはどんな会社に行くの?
子: たとえばこんな感じ:
- 三菱重工、トヨタ、日立、ソニー、パナソニックなどの製造業
- NTTデータ、楽天、Amazon、GoogleなどのIT・Web系
- 清水建設、鹿島建設など建築・都市系
- ボストン・コンサルティング、アクセンチュアなどコンサル系
- 官公庁・研究所・大学院進学(東京科学大学、東大、京大 ほか)
理系の中でも「専門性+実践力」がある学生として評価されてるよ。
印象に残った授業やプロジェクトは?
親: 勉強が大変そうだけど、「これがあったからやり切れた!」って思える授業ってあった?
子: システム制御系で、3年の時に「プロジェクト実習」でドローンを自作して自動制御する課題が出たんだけど、グループで徹夜して完成させたときは感動したよ。理論だけじゃなく、「自分の技術で物が動く」っていう体験ができたのは、本当に大きかった。
最後に、保護者の方へひとこと
親: 工学院って“専門的すぎてついていけなさそう”って不安もあるけど、興味があるなら応援してあげたい気持ちもあるのよね。
子: 工学院は「技術で社会を変えたい」って思ってる子には最高の場所だと思う。数学や物理が苦手でも、“課題を解決する意欲”があれば全然大丈夫。東京科学大学の工学院は、深い理論と実践のバランスが取れていて、「未来をつくる力」がちゃんと身につく場所だから、自信を持って進学をおすすめできるよ!
親: どんな子に向いてると思う?
子: 「ものづくりが好き」「社会に役立つ技術を学びたい」「問題を自分の手で解決したい」――そんな理系の子には、間違いなくぴったりの学部だよ!
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
コメント