「応用生物科学部」って、どんなことを学ぶの?
親: 名前がちょっと難しいけど、「応用生物科学部」って何を学ぶの?バイオ系なの?
子: うん、ざっくり言うと「バイオサイエンスを社会に役立てる」ことを目指す学部だよ。東京農業大学の応用生物科学部では、食品・医薬・化粧品・環境・微生物といった分野に、生物学や化学、遺伝子工学などの知識を応用していくんだ。
親: 理系のなかでも、けっこう“生活に近い”分野なのね。
子: そうそう。基礎研究だけじゃなくて、「人の健康」「安心な食」「きれいな環境」みたいなテーマに直結してるから、実学志向の強い学部だよ。
学科はどう分かれているの?食品?医薬?
親: 学科はどんなふうに分かれているのかしら?
子: 応用生物科学部には、以下の3つの学科があるよ:
- 醸造科学科:発酵・微生物・日本酒や味噌などの伝統食品と最新技術の融合
- 食品安全健康学科:栄養・機能性・食品の安全性や成分分析など
- 分子生命化学科:遺伝子・タンパク質・有機化学などを通じたバイオ研究。医薬や化粧品にも関係
親: へえ、まさに“食と生命”って感じね。なんだか美味しそう(笑)
子: 醸造系の授業では、実際に味噌や酒粕を扱うこともあるし、官能評価(味覚や香りの分析)もやるから、他の理系学部とはちょっと違う雰囲気があるかも!
実験は多い?手を動かすタイプの学び?
親: 実験とか、やっぱり多いのよね?
子: かなり多いよ。3年次から本格的な研究室配属が始まって、発酵タンクを使ったり、PCRや遺伝子組み換えの技術を使ったり、手を動かして試して学ぶことが基本。だから「実験が好きな子」にとってはすごく面白いと思う。
親: じゃあ、座学より“体験重視”な学部なのね。
子: うん、「やってみてわかる」「感じて理解する」っていうスタンス。微生物を観察したり、自分たちで作ったヨーグルトの菌数を測ったり、身近な学びが多いから、興味が持続しやすいよ!
学生の雰囲気は?まじめ系?理系女子もいる?
親: どんなタイプの子が多いの?理系って聞くとちょっと硬そうなイメージだけど…
子: たしかに理系だけど、「食品や健康に興味があって研究したい!」っていう“実学志向”の子が多くて、堅苦しさはあんまりないかな。あと、女子の割合も結構高いよ。特に醸造や食品健康は女子学生が多い!
親: じゃあ、明るい雰囲気もあるのね。
子: うん、落ち着いてるけど明るくて、コツコツ研究するのが好きなタイプが多いかな。
就職はどう?食品メーカー?化粧品会社?
親: バイオ系って進学が多いイメージだけど、就職もできるの?
子: 就職もかなり強いよ。食品・飲料・医薬・化粧品・環境・分析機関など、業界はすごく幅広い。醸造科学科はキッコーマンやアサヒ、食品健康はカルビーや森永、分子生命は化粧品会社や医薬品メーカーなど、学科の特性を活かした進路が多いよ。
親: ちゃんと企業で活かせる力が身につくのね。
子: そう。研究職だけじゃなくて、商品開発・品質管理・分析技術職など、理系ならではの専門職に就いてる人が多いんだ。
主な進路実績:
- 食品メーカー(明治、森永、カゴメ、カルビー など)
- 醸造・発酵系企業(キッコーマン、月桂冠、ヤマサ、アサヒ など)
- 医薬・化粧品メーカー(資生堂、ロート製薬、第一三共 など)
- 公的分析機関・試験所・環境分析会社
- 食品衛生監視員・技術系公務員
- 大学院進学(バイオ系・食品系・医薬系など)
印象に残った授業や研究は?
親: これまでで特に印象に残ってる授業とかある?
子: 醸造科学科の授業で、自分たちで仕込んだ甘酒を成分分析して、味の違いを官能評価したときが面白かったな。味って科学なんだって思ったし、日本の伝統と最新技術がつながってるのがすごく魅力的だったよ。
最後に、保護者の方へ
親: バイオや食品って面白そうだけど、将来が読みにくいのが少し不安なのよね…。
子: でも、実はこの分野って「食・健康・環境」っていう、社会にとってすごく大事な軸を持ってるんだ。東京農業大学の応用生物科学部は、そういう“生活に根ざした科学”を、しっかりと実践的に学べる場所だよ。
親: どんな子に向いてる学部だと思う?
子: 「食べることや健康に関心がある」「身近な科学を追究したい」「研究や実験が好き」――そんな子にはぴったりだと思うよ!
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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