津田塾大学の学芸学部って、どんな学部?
親: 津田塾大学って「女子の名門」っていうイメージがあるけど、学芸学部って具体的に何を学ぶの?
子: 一言でいうと、“英語力を軸にしたリベラルアーツ教育”かな。学芸学部では、言語・国際関係・哲学・社会・文化・ジェンダーなどを広く学びながら、自分の関心に応じて専門性を深めていくの。とくに英語教育には力を入れていて、入学してすぐからかなり本格的な英語の授業があるよ。
親: 英語を土台に、現代社会を読み解くような学びってことね。理系のような専門スキルはないかもしれないけど、教養の深さが身につきそうね。
子: そうそう。知識の暗記ではなく、「考える力」「表現する力」を重視していて、少人数のゼミやディスカッション形式の授業も多いから、受け身ではいられない。自分で問いを立てて、調べて、伝える――という一連の流れを大事にしている学部だよ。
専攻やカリキュラムはどうなっているの?
親: 学芸学部って、1つの学科しかないの?
子: 「学芸学部 英語英文学科」っていうひとつの学科なんだけど、その中で4つの専攻分野に分かれているよ。
- 英語英文学(文学・言語・翻訳など)
- 国際関係(国際政治・開発・外交など)
- 多文化・ジェンダー(女性学、ジェンダー論、社会学など)
- 哲学・思想文化(倫理学・宗教・近現代思想など)
2年次から自分の専攻を決めて、より専門的に学んでいくんだ。ちなみに、どの分野でも英語文献を読む機会が多くて、語学力と批判的思考力を同時に鍛えられるのが特徴。
親: どの分野も現代的なテーマね。国際的な感覚も身につきそうだわ。
子: 実際、海外研修や留学制度も充実してるし、英語でプレゼンやエッセイを書く機会が多いから、グローバルな舞台でも通用する力が育つよ。
授業の雰囲気は?英語についていける?
親: 英語がそんなに多いと、授業についていくのが大変そうじゃない?高校まで普通の英語教育だった子でも大丈夫なの?
子: 大丈夫。入学時にレベル別のクラス分けがあって、自分に合ったところからスタートできるよ。でも正直、最初はみんな「英語の壁」にぶつかると思う(笑)。でも逆に言えば、それだけ成長の伸びしろが大きいってことでもあるんだよね。
親: なるほど。先生たちはどんな感じなの?
子: 指導が丁寧で、対話を大事にしてくれる先生が多いよ。少人数制だからこそ、学生一人ひとりの意見を大切にしてくれるし、卒論指導や進路相談も親身になってくれる。授業中に意見を求められることが多くて、はじめは戸惑うけど、そのぶん自分の意見を持つ訓練になるよ。
学生の雰囲気は?真面目で優しい子が多い?
親: 女子大って、どんな雰囲気か少し心配なのよね。堅苦しかったり、逆に派閥っぽかったりしない?
子: 津田塾の学生は、どちらかというと“落ち着いた雰囲気でまじめな子”が多いかな。個性はそれぞれだけど、派手さよりも「自分の世界を持ってる」タイプが多いと思うよ。競争より協調って感じで、友達とも自然体で付き合える雰囲気がある。
親: たしかに、昔から「女性の自立」を掲げている大学だものね。就活や社会進出への意識も高そう。
子: うん、自己表現やキャリアへの意識はすごく高いと思う。キャリアセンターもきめ細かくサポートしてくれるし、女子大ならではの“女性のキャリア形成”に関する講座やOGのネットワークも強い。先輩たちもすごく優秀で、いろんな道を切り開いてきた人たちが多いよ。
就職には強い?専門性はどう活きる?
親: 文系で、しかもリベラルアーツって就職には不利ってことはないの?
子: それがね、意外と“強い”の。言葉を扱う力、思考力、プレゼン力、そして英語力――これらを持ってる人材って、どの業界でも求められてるんだよね。特に津田塾は昔から「知的で信頼できる人材」という評価が高くて、企業や官公庁からの信頼が厚いの。
親: 具体的にはどんなところに就職してるの?
子: 金融、マスコミ、出版、広告、外資系企業、IT、人材、教育、公務員、国際機関――とにかく幅広い。語学を活かして翻訳や通訳を目指す人もいるし、国際関係の専攻から外交系に進む人もいる。もちろん大学院に進んで研究を続ける人もいるよ。
主な就職先例:
- 外資系企業(アクセンチュア、PwC、Google Japanなど)
- 国内大手(NHK、伊藤忠商事、資生堂、楽天、講談社)
- 公務員・国際協力機関(外務省、JICAなど)
- 教育機関(英語教員、塾・予備校)
- 津田塾大学大学院、東京大学大学院などへの進学
印象に残っている授業やエピソードは?
親: 大学生活で「これは自分を変えた」って感じた授業はある?
子: 多文化・ジェンダー専攻で「社会における無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)」について学んだ授業かな。自分が当たり前だと思っていた価値観が、実は偏っていたって気づかされたんだよね。そのあとは、卒論でLGBTQと教育をテーマにして、実際に現場で聞き取り調査もした。視野が広がったっていうより、「世界の見方が変わった」経験だったな。
最後に、保護者の方へひとこと
親: 女子大って閉鎖的なんじゃないか、将来の役に立つのか……って、正直ちょっと心配なところもあるのよね。
子: 気持ちはわかるけど、津田塾はむしろ「開かれた女子大」だと思うよ。世界に向けて考え、行動する力を育てる環境が整っていて、狭い価値観にとらわれない。女子大だからこそ“自分の軸を育てる”っていう安心感もあるし、同じように真剣に学ぶ仲間が周りにいるのも大きな財産だと思う。
親: どんな子に向いてると思う?
子: 「英語が好き」「社会の課題に興味がある」「考えることが好き」「人と対話するのが得意」「女性として社会で活躍したい」――そんな子には、間違いなくぴったりな学部だと思う!
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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