理学部ってどんな学部?研究ばかりしてるの?
親: 理学部って、「研究者になる人が行くところ」っていうイメージがあるけど、実際はどうなの?
子: たしかに研究も大切な柱だけど、それだけじゃないよ!
横浜市立大学の理学部では、「自然の仕組みを解き明かす力」を育てて、医療・環境・テクノロジーなど社会に貢献できる応用力も同時に養っていくんだ。
親: なるほど、大学での学びが“研究室の中”で終わらないのね。
子: うん。「純粋な探究」と「社会との接続」を両立できるのが、横市の理学部の魅力だよ。
どんな分野があるの?「理科」では括れない深さ
親: 理学部って理科の延長ってイメージだけど、もっと細かく分かれてるの?
子: そう!横浜市立大学では、3つの柱で構成されてるよ:
● 生命環境科学コース
- 遺伝子・細胞・生態系まで、生命の仕組みを多層的に学ぶ
- 医療・バイオ・環境保全などに応用可能
- 顕微鏡・野外観察・DNA実験など多彩なアプローチ
● 物質科学コース
- 原子・分子・材料・反応を化学的に理解
- エネルギーや素材開発、化粧品・医薬の基礎にも直結
- 実験を通して「目に見えない世界」を数式と構造で探究
● 数理科学コース
- 数学的な論理で自然や社会の現象をモデリング
- 統計やAI、金融工学、計算科学など多分野とリンク
- 「なぜそうなるのか」を突き詰める抽象的思考を育成
親: 生物、化学、数学…どれも“理科”で一括りにできない奥行きがあるのね。
子: うん。それぞれが独立した世界でありながら、相互につながる“科学の地図”を描く学びができるのが魅力だよ!
授業や研究はどんな感じ?“手で考える”理学
親: 実験や研究はどれくらいの頻度であるの?
子: 年次が進むごとにどんどん増えていくよ。特に3年後期〜4年では研究室配属が始まって、完全に“探究型”の学びにシフトするんだ。
● 1・2年次:
- 幅広い自然科学の基礎+数学・英語・プログラミングなど必修
- 各コース共通の講義や実験で進路の理解を深める
● 3年次以降:
- 専門科目中心の実験・演習・プレゼンテーション
- 少人数ゼミやグループ研究が多く、議論型の授業が増える
- 研究室配属後は卒業研究に没頭。最先端のテーマに取り組む
親: まさに“考える理科”。ひたすら実験するだけじゃなく、仮説を立てて検証する過程を大切にするのね。
子: そう!「なぜ?」「どうしてこうなる?」を自分の頭と手で探し続ける4年間って感じだよ。
学生の雰囲気は?静かな子が多い?理系ガチ勢?
親: 理学部って、どちらかというとおとなしめの学生が多い印象だけど…。
子: たしかに“落ち着いた雰囲気”の子が多いけど、ただのガリ勉ではないよ!
- 一つのことに熱中できる“探究型”
- 試行錯誤を楽しめる“粘り強いタイプ”
- 「なぜ?」を繰り返して深める“論理思考派”
- 自然が好き、実験が楽しいっていう“好奇心ドリブン”の子も
親: 話すのが苦手でも、“考えること”が好きな子には居心地がよさそうね。
子: うん!横浜市大の理学部は少人数制で教員との距離も近いから、内向的でも学びやすい環境なんだ。
卒業後の進路は?研究職ばかり?
親: 理学部って、就職よりも研究職や大学院に進む子が多いって聞いたけど…
子: 確かに**大学院進学率は高め(約半数)**だけど、就職組もすごく多いし、理学部ならではの強みを活かせる進路が豊富にあるよ!
● 大学院進学(学問探究・専門職志向):
- 研究者・大学教員・医療系研究職
- AI・統計・ビッグデータ分野の専門職
- 博士課程進学も視野に入る高度人材コース
● 企業就職(応用・分析・開発職):
- 医薬・化粧品・食品・素材などの研究・開発・品質管理
- IT・情報系企業(数理モデル・AI・システム設計)
- 金融(リスク分析・データ分析)
- 教員(高校理科・数学)
親: 文系とはまた違った「専門を活かす道」がたくさんあるのね。
子: そう!**「分析力」「論理的思考」「根拠ある判断」**ができる人材は、理学部出身者として高く評価されるんだよ。
印象に残った学びは?答えのない世界に挑む面白さ
親: あなた自身、特に印象に残っている授業や研究ってある?
子: 卒研で微生物の酵素活性を分析したんだけど、なかなか仮説通りにいかなくて…。でも、試行錯誤してようやく結果が出たとき、**「誰も知らなかったことが少し見えた」**って感動があった。
理学って、“誰かの役に立つ前の、すごく大切な一歩”だと思う。
最後に、保護者の方へ
親: 理学部って、思っていたよりずっと“人間くさい学び”なのね。
子: 本当にそう。松葉の仕組みでも、化学反応でも、数式でも――その背景にあるのは**「世界をもっと理解したい」**っていう人間の純粋な思いなんだ。
横浜市立大学 理学部は、基礎研究と応用力、静かな集中と社会とのつながりのバランスが取れた、知的な“理系の港”みたいな場所だと思う。
親: どんな子におすすめだと思う?
子: 「考えるのが好き」「なんで?を突き詰めたい」「表に出るより、深めることが好き」――
そんな**“知的好奇心と粘り強さ”を持つ子にぴったり!**
ゆっくりでも、自分のペースで世界を解き明かしていきたい子には、心からすすめられる学部だよ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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