薬学部ってなにを学ぶの?薬剤師になる学部?
親: 「薬学部」って、薬剤師になるための学部ってこと?
子: うん、それが一番わかりやすい説明だね。でも実はそれだけじゃなくて、くすりの開発・調剤・作用・安全管理まで、幅広い知識と技術を学ぶ学部なんだ。
親: 6年間通うって聞いたけど、普通の大学と違うの?
子: そう。薬学部は6年制(薬剤師国家試験受験資格取得)と4年制(研究者・開発職向け)に分かれていて、一般的には薬剤師を目指すなら6年制になるんだ。
6年間の流れは?薬の専門家になるまでのステップ
1~2年次:基礎の積み上げ
- 化学、生物、物理、数学など理系科目を徹底
- 薬の構造、体の仕組み、疾病の基礎を学ぶ
- 実験の基礎もここからスタート
3~4年次:専門性の深化
- 薬理学、病態学、製剤学、薬物動態学など専門科目が本格化
- チーム医療・薬歴管理・患者応対などもシミュレーションで学習
- 4年次終了時には**共用試験(CBT+OSCE)**に合格する必要あり
5~6年次:実習+国家試験対策
- 病院・薬局での長期実務実習(約5か月間)
- 実際の患者さんと向き合う貴重な体験
- 国家試験対策に向けた演習・模擬試験・講義の集中期間
親: かなりハードスケジュールね…。
子: でも、現場で通用する薬剤師になるには、これくらいしっかり準備が必要なんだよ。
学びの特徴は?「薬を扱う責任」を徹底的にたたき込まれる
命に関わる仕事だからこそ、正確さと倫理観が求められる
親: くすりって日常的だけど、扱い方を間違えると危ないものでもあるわよね。
子: その通り。だから薬学部では、「人の命を預かる専門家としての自覚」を常に求められるよ。
- 医療安全・倫理・法規など、薬剤師としての責任を学ぶ
- 実習で患者さんと関わるときの言葉づかいも大事
- チーム医療の一員として、医師・看護師との連携も学ぶ
親: 理系だけど、人間関係やコミュニケーションも大事なのね。
子: うん。薬学部って意外と“対人職”でもあるんだ。
国家試験対策は?合格率やサポート体制はどう?
親: 国家試験ってすごく難しいって聞いたけど…。
子: たしかに簡単じゃない。でも大学ごとに対策プログラムがしっかりあって、模試や演習、合宿講義などで徹底サポートされるよ。
- 全国模試、過去問演習、個別指導
- 薬理・製剤・薬事法など、出題範囲はかなり広い
- 合格率は大学ごとに差があるから、入学時に確認がおすすめ
親: 6年かけてきちんと国家資格を取れるような環境なのね。
子: うん。本人の努力+大学の支援=合格っていうイメージ!
薬学部の学生の雰囲気は?まじめで協力的な空気感
親: 薬学部ってやっぱり理系で、静かで勉強ばかりの子が多いの?
子: 確かに勉強時間は多いけど、それだけじゃないよ!
- 実習でグループ行動が多いから、自然と仲良くなる
- 他学年とつながれる縦の交流もある
- 医療職を目指す真面目な子が多く、落ち着いた雰囲気
親: 「人の役に立ちたい」って思いを持ってる子が多そうね。
子: うん。勉強は大変だけど、みんな支え合いながら乗り越えていく感じだよ。
就職は?病院・薬局・企業・公務員まで幅広い!
主な進路
- 病院薬剤師(チーム医療の一員として服薬指導・薬剤管理)
- 調剤薬局薬剤師(地域の患者に寄り添う日常医療の担い手)
- ドラッグストア薬剤師(OTC薬+健康相談のプロ)
- 製薬会社・CRO(研究職・品質管理・開発支援)
- 公務員薬剤師(保健所・検疫所・厚労省など)
親: 製薬会社もあるのね。研究職も視野に入るの?
子: うん、研究職は大学院に進む子も多いけど、薬学部からの進学ルートはしっかりしてるよ。
保護者の方へ~どんな子に向いている?
親: 薬学部って、思っていた以上に幅広い仕事に通じているのね。
子: そう。薬学部は、
- 医療現場で役立つ実践力をじっくり育てる
- 国家資格を取って“手に職”がつけられる
- 病院・薬局・企業・行政など進路が豊富
- 人に寄り添いながら、知識で命を支える仕事
親: どんな子におすすめしたい?
子: 「理系だけど人の役に立ちたい」「医療に関わりたい」「責任感を持って働きたい」――
そんな**“まじめさとあたたかさを持った子”**にぴったりだよ!
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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