「人文学部」って?人間そのものを深く見つめる学びのフィールド
親: 人文学部って、“昔ながらの文系”って印象だけど、今の時代に何を学べるのかしら?
子: 一言でいえば「人間とは何か?」を問い続ける学問だよ。南山大学の人文学部では、哲学・宗教・歴史・文化・言語などを通して、人間の本質や社会の成り立ちを深く考える力を養っていくんだ。
親: AIやデータ社会の時代に、あえて“人間”を学ぶのって意味があるの?
子: だからこそだよ!答えのない時代だから、人間を深く理解し、柔軟に考え、対話できる力がますます求められてるんだ。
3学科体制|“考える力”と“深く感じる力”を育てる多面的な学び
哲学科
- 西洋哲学、現代哲学、倫理学、論理学、哲学史などを広く学ぶ
- 「存在」「自由」「正義」「言語」「死」「価値」といった根源的テーマに向き合う
- 読書と対話を中心に、自分の思考を深め、言葉で伝える訓練を積む
キリスト教学科
- キリスト教の思想・歴史・文化・社会への影響を多角的に学ぶ
- 宗教間対話、多文化理解、国際協力や平和学とも接続
- 「なぜ信じるのか」「なぜ祈るのか」「宗教と社会はどう関わるのか」などを探究
文化学科
- 民族学、文化人類学、芸術文化、身体文化、メディア文化、地域文化など幅広い領域
- フィールドワークや地域調査、映像分析など多様な手法を用いた学びが可能
- “日常”にある文化を深掘りし、他者理解と自己の相対化を促す
子: どの学科も、いわゆる“役に立つスキル”じゃないけど、“生き方そのもの”に関わる深い学びなんだ。
親: 数字や成果では測れないけど、人としての厚みや根っこの部分を育ててくれる学部ね。
南山の人文学は“キリスト教的人間観”を土台とする独自の知性
- 「人間の尊厳」をベースに据えた教育理念
- 他者理解・多文化共生・社会貢献を大切にしたリベラルアーツ教育
- 世界宗教や宗教哲学など、宗教間理解にも力を入れている
- キリスト教的価値観にとどまらず、イスラーム・仏教・無宗教も包括的に扱う
子: 特定の信仰を押しつけるんじゃなくて、「他者の信じる世界を理解する力」を育てる教育だよ。
親: 自分とは違う価値観と出会うことが、きっと将来の“対話力”にもつながるわね。
実践的・創造的な学び|ゼミ・演習・フィールドワークの重視
- 1年次から“対話中心”の少人数授業が多い
- ゼミでは自分の関心テーマを深掘りし、哲学対話や現地調査、文献研究に没頭
- 国内外の文化施設・宗教施設・地域社会との連携を活かした実地型授業
- 論文執筆・発表を通して、論理的思考力・構成力・表現力を鍛える
子: 「学んだことを自分の人生に引きつけて考える」っていう感覚が強い。頭と心が両方動く学びだよ!
親: 知識を使って“人として考えられる子”になれるって、今の時代だからこそ大事ね。
学生の雰囲気は?思慮深く、自由で、語り合うことが好きな仲間たち
- 本や映画、歴史、宗教、哲学が好きな“探究心のかたまり”みたいな学生が多い
- 「正解のない問い」についてじっくり考える時間を大切にしている
- 穏やかでおとなしいけど、意見交換には熱意をもって臨むタイプが多い
- アートや文学、社会活動、旅などに関心がある学生も多様
- 自己表現と他者理解を大事にする“対話文化”が根付いている
子: 南山の人文学部って、語り合うのが当たり前って空気があるよ。みんな思いやりがあって、話すのが心地いい。
親: 勉強だけじゃなく、人との関わり方も自然に身につきそうね。
卒業後の進路は?“人間理解”を武器に広がるキャリア
主な進路先
- 公務員(行政職、文化財・教育・国際交流関連部門)
- 一般企業(企画、広報、人事、販売、マーケティングなど)
- 教員(高校社会、倫理、宗教)
- 福祉・NPO・国際協力関連団体
- 大学院進学(哲学・宗教・文化研究、教育、国際関係など)
活かせる力
- 論理的思考・文章表現・傾聴力・対話力・多文化理解力
- 深く考える力と、自分の意見を伝える力
- どんな職場でも活きる“人と向き合う力”と“問い続ける姿勢”
親: 「専門職」じゃないぶん、最初は不安だったけど、どんな業界にも通じる力が育つってわかったわ。
子: 「この仕事のため」じゃなく「どんな道にも通じる軸」を持てるのが、人文学部の強みだよ!
保護者の方へ〜どんなお子さんに向いている?
- 本や歴史、哲学などに興味がある子
- 答えのないことを考えるのが好きな子
- 他人と違っていても、自分の価値観を大切にしたい子
- 自分の意見を深く掘り下げて語れるようになりたい子
- 将来、教育・福祉・地域・国際など“人と関わる仕事”に就きたい子
子: “すぐ役立つ”より、“一生支えてくれる”学び――それが人文学部だと思う!
親: 人としての根っこを育てたいなら、この学部は間違いなくいい選択ね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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