「人間文化学部」って?“人”と“社会”を深く見つめる学び
親: 「人間文化学部」ってちょっと抽象的な名前だけど、何を学ぶところなの?
子: 一言でいうと、「人間って何?社会ってどう成り立ってる?」ってことを、歴史・文化・社会・ことばといった視点から探究する学部だよ。滋賀県立大学の人間文化学部は、特に“地域に根ざした実践”と“国際的な視野”の両方を大事にしてるのが特長なんだ。
親: なるほど。教養とか一般教科に近いイメージだったけど、実は深くて広いのね。
子: そうそう。卒業後の進路も、公務員・教員・企業・国際NGO・大学院進学と幅広くて、“自分の軸をもった人”を育てるリベラルアーツ学部って感じかな。
2つの専攻制で多様な学びを支えるカリキュラム
● 文化学専攻
- 哲学・倫理学・宗教学を通じて「人間とは何か」を探る
- 日本史・アジア史・民俗学で「地域の記憶と文化」を紐解く
- 文学・芸術・メディア論で「表現と社会の関係性」を考える
● 国際コミュニケーション専攻
- 異文化理解・多文化共生・国際協力に関する授業が中心
- 英語・中国語をはじめとした語学教育が非常に充実
- 海外研修・国際交流・移民・グローバル経済に関する学びも多数
子: 文化=“日本と地域”の軸、国際=“世界と多様性”の軸。どちらの専攻も、今の社会に不可欠な視点を育ててくれるよ。
学びの特色|フィールドに出る学び・他者と交わる学び
● フィールドワークが豊富
- 町おこしや地域資源の調査・活用を体験する「地域文化実習」
- 高齢者・外国人・移住者との対話を通じた「共生社会探究」
- 歴史的建造物・伝統芸能・祭礼の継承に関わる実地演習
● 他者理解と対話力を育てる教育
- 少人数ゼミでの徹底的な討論・発表・共同研究
- 模擬国連や多文化対話演習など、異なる立場から考える場面が多い
- フィールドで得た知見を“ことば”にするレポート・プレゼン力も鍛える
年次ごとの学びの流れ|“探究”を深め、“社会とつながる”4年間
● 1年次:リベラルアーツの基礎と自己発見
- 哲学入門・社会調査法・比較文化論などを通じて多様な知的視点を得る
- ゼミ形式の基礎演習で、読解・発表・思考を習慣化
- 地域フィールドワークや文学探究もこの年から体験可能
● 2年次:専攻ごとの専門性を深めるフェーズ
- 日本史/宗教文化/国際関係/グローバル経済などの専門講義
- 地域×観光×文化遺産などをテーマとしたPBL(課題解決型授業)に参加
- 中学校・高校教諭免許(国語・社会)取得に向けた教育課程が本格化
● 3年次:ゼミ配属とテーマ研究開始
- 各専任教員のゼミに所属し、興味関心をもとに研究テーマを設定
- 海外フィールドスタディ・国際インターンなどもこの時期に集中
- 公務員・教員・大学院志望者向けに学内支援制度がスタート
● 4年次:卒業論文とキャリア形成の集大成
- 実地調査・インタビュー・文献研究を交えた卒論に1年かけて取り組む
- 社会問題・文化表象・宗教と国家・移民政策など幅広いテーマが毎年選ばれる
- 面接練習・ES添削・進路相談はゼミとキャリア支援室の“ダブル体制”
学生の雰囲気|素直で柔軟、社会課題への関心が高いタイプが多い
- 地域・社会・教育・国際に“何かしらの問題意識”を持つ子が多い
- 調査・観察・文章化が得意で、穏やかだけど芯の強い学生が中心
- 留学生との交流も盛んで、英語・中国語などの語学勉強にも意欲的
- 地元志向もあれば、海外志向もあり、**“多様性を受け止める土壌”**がある
就職・進路|教育・公務・文化・企業など“社会を支える側”へ
● 主な進路例
- 中学校・高校教員(国語・社会・地歴・公民)
- 公務員(市町村職員/国際交流課/文化財保護担当)
- 地域振興団体・NPO・国際協力機関など
- 文化施設(博物館・資料館・文化財センター)
- 民間企業(旅行・出版・広告・流通・IT・人材・不動産など)
- 大学院進学(教育学・社会学・人類学・国際協力学など)
● 資格・支援体制
- 教職課程/学芸員課程/社会調査士の取得可能
- 公務員試験・教員採用試験対策の学内講座あり(面接・論作文・教職教養)
- ゼミ単位でのOB/OGとの交流機会や外部研究者との共同研究制度も
保護者の方へ|どんな子におすすめ?
- 「人」や「社会」「文化」に関心がある子
- 答えのない問いに向き合うことが好きな子
- 地域や社会の課題に“自分ごと”として関わってみたい子
- 英語や中国語など語学に力を入れたい子
- 教育や行政、文化系の仕事を目指す子
子: 「人間文化学部」って、就職に不安があるって思われがちだけど、実は**“広く社会とつながる”力が育つ学部**なんだよ。
親: 本質的なことを学んで、自分の言葉で語れる子になる。将来どんな職業でも、それはきっと役立つはずよね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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