「経済学部」って、お金のことばかり学ぶの?
親: 経済学部って、お金や株のことを勉強するんでしょ?
子: それもあるけど、もっと広いよ。広島大学の経済学部では、「社会のしくみ」や「人の行動の背景」を経済の視点から読み解く」学びが中心なんだ。お金の流れだけでなく、地域・行政・企業・国際社会の動きまで幅広く学べるよ。
親: なるほど、“ニュースの裏側”が見えるようになりそうね。
子: うん。「なぜ円安が起きるのか」「なぜ物価が上がるのか」「なぜ格差が生まれるのか」——そんな疑問に、論理的かつデータを使って答えられるようになるのが経済学部なんだ。
学部の特徴|社会の課題を経済で読み解き、未来を構想する
● 経済学+経営学+政策学のバランスがとれた学び
- マクロ経済学・ミクロ経済学・財政学・統計学・経営学・国際経済など、社会とビジネスの両方を体系的に学べる
- 「企業の経営」だけでなく、「国の財政」「地域格差」「環境政策」など社会的テーマにも強い
- 文系的な思考とデータに基づく数理的分析の両方を重視
● 少人数ゼミ制&個別指導が充実
- 2年次以降は必ずゼミに所属し、経済トピックを深く掘り下げる個人研究を実施
- 経済学の原典講読・データ分析・現地調査などゼミによって特色あり
- 教員との距離が近く、「就活」「大学院進学」「研究テーマ」の相談がしやすい
● 「理論+実証」の両軸を育てるカリキュラム
- 経済理論を学んだ上で、それをデータ分析や現場調査を通じて検証
- RやExcel、STATAなどの統計ソフトを使いこなす実践的授業
- 現実の経済問題をテーマにした政策提案型授業も充実
学びのステップ|“経済を使って考える力”を育てる4年間
● 1年次|経済学の基礎体力をつける
- ミクロ経済学入門・マクロ経済学入門・統計学・経済数学などを履修
- 高校とは全く異なる“経済を数式で考える”学問に触れる
- グローバル経済や現代社会論など、広い視野で「社会を見る目」も養成
● 2年次|専門領域へ進み、ゼミ活動がスタート
- 公共経済学・環境経済学・企業経済・国際貿易・財政学・マーケティングなどを選択
- 少人数のゼミでプレゼン・ディスカッションを重ね、経済学の思考法を実践
- データ分析演習・論文読解などで「経済の読み方」を深掘り
● 3年次|実社会に根ざしたテーマで研究力を高める
- ゼミでの研究テーマ(例:最低賃金と労働市場/観光政策と地域経済/少子化と財政負担など)に本格着手
- 経済シミュレーション・統計的検定・政策立案ワークショップも実施
- インターンシップ(地方銀行、商工会、自治体、経済団体など)参加者も多数
● 4年次|卒業論文+進路準備の総仕上げ
- 卒論テーマ例:「自治体の赤字財政と地方交付税」「女性の労働参加と税制」「環境税の経済効果」など
- 教員による個別指導で論文作成を支援/就職活動との両立もしやすい設計
- 公務員試験・資格取得・大学院進学など、個別進路に応じた指導体制
実践例・プロジェクト|「経済で社会に関わる」経験ができる
- 広島県内の地域活性化事業をテーマにした政策提案コンペ
- SDGsを経済学視点で分析するワークショップ(環境・貧困・教育など)
- 中小企業向けビジネスモデル提案プロジェクト(学生チーム参加型)
- 海外経済事情を調査する国際フィールドスタディ(アジア・北欧など)
- 金融リテラシー普及キャンペーンの企画運営に参加
子: 経済学って机上の理論だけじゃなくて、「今の社会をどう動かすか」を考える学問だったよ。
親: 経済って“難しそう”なイメージがあったけど、社会の仕組みを理解する入口なのね。
学生の雰囲気|論理的だけど柔軟、個性豊かな仲間たち
- 数字やデータ分析が好きな子、時事問題に関心が高い子、起業やビジネスに興味がある子など多様
- 自分の興味に応じて、経済学×政治・福祉・国際・地域などの分野をつなげて学ぶスタイル
- ゼミでの議論・発表の文化が根づいており、コミュニケーション力も高められる
- 勉強と就職活動をうまく両立しながら「自分の道」を作っていく雰囲気
子: みんな“社会をどう良くするか”に本気で関心を持ってる感じがあるよ。
親: 経済学部って、現実に根ざした問題意識を持つ学生が多いのね。頼もしいわ。
就職・進路|“数字で社会を語れる人材”はどこでも求められる
● 主な就職分野
- 国家・地方公務員(財務・経済産業・市役所など)
- 金融機関(銀行・証券・保険)
- 一般企業(商社・メーカー・IT・コンサル・流通など)
- シンクタンク・調査機関
- 大学院進学(経済学・公共政策・国際開発・MBAなど)
● キャリア支援体制
- 経済学部独自の業界研究セミナー/OB・OG交流会
- 公務員試験対策講座・模擬面接・論作文指導
- 経済学の知識を活かせる資格取得(中小企業診断士・ファイナンシャルプランナーなど)も支援
子: 経済学って、どんな仕事にも応用が利く“思考力の武器”だった。
親: どの道に進んでも、自分の頭で考えて、社会を読み解く力になるわね。
保護者の方へ|こんなお子さんにおすすめです
- 社会や世界の仕組みに興味がある
- ニュースや時事問題について深く考えるのが好き
- データ分析や数字で考えることに抵抗がない
- 公務員・金融・企業など幅広い進路を視野に入れている
- 「将来、社会の役に立つ仕事がしたい」と思っている
子: 社会の見え方が変わったよ。「なぜ?」を追いかけるうちに、自分の役割が見えてきた。
親: 経済学部って、“社会を知る学部”なのね。進路の選択肢が広いのも魅力だわ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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