「医学部」って?命に向き合い、“人を支える医師”を目指す6年間
親: 医学部って、やっぱり厳しそう…。どんな学生生活になるの?
子: 広島大学の医学部は、6年間かけて医師国家試験の合格はもちろん、「人の痛みに寄り添える力」までしっかり育てることを大切にしているよ。教養→基礎医学→臨床→地域医療まで、段階的に深めていくカリキュラムなんだ。
親: 勉強だけじゃなく、患者さんとの関わりも大事なんでしょうね。
子: うん!模擬診察や実習が早い時期からあって、“机で学ぶ知識”と“現場での経験”の両方を積み重ねていけるのが魅力だよ。
学びの柱|知識・技術・人間性を統合的に育てる
● 教養・人間性の土台づくり(1年次〜)
・倫理・心理・言語・社会学など幅広い教養科目を履修
・「医療人としての姿勢」や「患者との接し方」を考える授業もあり
・グループワークやPBL(課題解決型学習)で主体的な学びを重視
● 基礎医学の理解(2〜3年次)
・解剖学・生理学・病理学・薬理学など、人の体のしくみを体系的に学習
・顕微鏡観察・臓器の構造分析・疾病のメカニズム理解など、実験も豊富
・国家試験に必要な知識の土台をこの時期にしっかり固める
● 臨床実習・技術習得(4〜6年次)
・内科・外科・小児科・産婦人科など多様な診療科で実習
・模擬診療・症例検討・チーム医療の演習で実践力を養う
・医療面接・カルテ作成・患者対応の力も段階的にトレーニング
学びの流れ|「知る→診る→支える」医師になるための6年間
● 1年次:教養と医療の入口にふれる
・幅広い一般教養を学びつつ、医療人としての基礎的素養を育てる
・早期体験学習として、病院見学や地域医療現場での見聞の機会もあり
・同級生とのつながりを築き、6年間の土台を作る大切な時期
● 2〜3年次:基礎医学を徹底的に学ぶ
・臓器の構造、機能、疾患の発生メカニズムなどを詳細に学習
・ラボ実習や解剖・実験を通して、医学的観察力・思考力を身につける
・診療につながる知識の“基礎の完成”をめざす重要な時期
● 4年次:臨床前の準備+CBT・OSCE
・共用試験(CBT=筆記/OSCE=診察技術試験)を通過するための集中期間
・模擬患者対応・診察技術演習・実技指導など実践的なトレーニング
・合格後、臨床実習へ進む資格を得る
● 5〜6年次:本格的な臨床実習と進路選択
・実際の病院での実習(スーパーローテート)を通して医療現場を体験
・患者との対話、医師の判断、チーム医療の中で学ぶ
・進路を意識しながら、卒業後の研修先・診療科の希望を固めていく
実践の場|“患者さんと向き合う力”を育てるリアルな経験
- 広島大学病院での臨床実習(内科・外科・精神科・救急など)
- 模擬患者と会話しながら学ぶ医療面接演習
- 地域医療研修(離島・過疎地などでの医療活動に同行)
- 災害医療・感染症対策のフィールド体験
- 医師・看護師・薬剤師など他職種とのチーム医療演習
子: 「命をあずかる現場」に入るって緊張するけど、そこに本気の学びと責任感があるんだよ。
学生の雰囲気|知的でまじめ、協調性と使命感をもった仲間たち
- 医師を目指す強い覚悟と学習意欲を持った学生が多い
- 勉強量は多いが、仲間と支え合いながら乗り越える文化がある
- 地域医療・国際医療・先端研究など、多様な目標を持った学生が集まる
- コミュニケーション力や思いやりのある人が多く、穏やかな雰囲気
就職・進路|「国家資格」と「実力」を武器に現場へ
● 主な進路
・医師国家試験合格後、広島大学病院や全国の病院で臨床研修
・その後、内科・外科・小児科・精神科など各専門分野で医師として勤務
・大学院進学(医学研究・再生医療・公衆衛生など)
・地域医療・国際医療・産業医など多彩な進路へ
● 資格・支援体制
・医師国家試験受験資格(卒業時に取得)
・国家試験対策講義・模擬試験・個別指導も完備
・臨床研修マッチング支援、面接・小論文対策も実施
・研究志望者向けには大学院進学・留学支援も充実
保護者の方へ|どんなお子さんに向いている?
- 医師になりたいという明確な目標を持っている子
- 理系科目が得意で、コツコツと努力を継続できる子
- 人の痛みや不安に寄り添い、信頼を築ける誠実さがある子
- 現場での緊張感や責任を「やりがい」と感じられる子
- 地域・世界の医療課題に貢献したいという使命感がある子
親: 医学って知識も大事だけど、人を思う心が何より大切なのね。
子: うん。「人の命を預かる重さ」と「人の命を支える喜び」、両方に向き合う覚悟が持てる場所なんだ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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