「生活環境学部」って?暮らしのすべてを“学問”にする学部です
親: 「生活環境学部」って、なんだか範囲が広そうだけど、何を学ぶのかしら?
子: 一言で言えば、「人の暮らし全体を、科学とデザインの力でより良くする」学部だよ。食・衣・住・福祉・環境…毎日の生活に密接に関わるテーマを、理系・文系の両面からしっかり学べるのが奈良女子大学の生活環境学部なんだ。
親: なるほど、“暮らしの学問”ってことなのね。
子: そう。しかもこの学部は、日本でもトップレベルの研究環境を持っていて、管理栄養士・一級建築士・教員免許などの資格も目指せるのが大きな魅力。社会に出てからも即戦力として活躍できる実践重視の学びなんだよ。
暮らしの5分野を横断的に学び、プロフェッショナルへ
● 食物栄養学分野
- 人の健康と食の関係を科学的に探究
- 臨床栄養学・公衆栄養学・調理学などの専門科目を履修
- 国家資格「管理栄養士」受験資格の取得が可能
- 附属施設での実験・実習が充実(調理実習・栄養指導演習など)
● 住環境学・建築分野
- 建築設計、インテリア、都市計画、バリアフリーデザインまで幅広く学ぶ
- 建築士(1級・2級)受験に必要な単位を取得可能
- 「女性視点の空間設計」「自然と共生する住まい」などユニークなテーマに取り組む
- CAD・3Dモデリング・構造実験など、技術的な演習も豊富
● 被服・衣生活分野
- テキスタイル、服飾史、機能性衣料などを学び、素材から着こなしまでを探究
- 実際に衣服をデザイン・制作する実習も多数
- 繊維業界、アパレル、教育など多彩な進路につながる
- 感性と科学の両方を育てる領域
● 人間福祉・生活支援分野
- 子育て、介護、生活困窮者支援など「暮らしの困りごと」に寄り添う視点を学ぶ
- 社会福祉・地域福祉・ジェンダー視点を重視したカリキュラム
- NPO・行政・地域連携活動での実践経験が豊富
● 環境デザイン・生活文化分野
- サステナビリティ、エコライフ、地域文化の継承などをテーマに研究
- SDGsや環境教育にも通じる学び
- 生活の「意味」や「美しさ」に焦点を当てたデザイン的思考を育てる
子: 一見バラバラに見えるけど、どの分野も「人の生活を良くしたい」という根っこでつながっているんだ。
学びのステップ|実験・実習・調査・制作…“手を動かす4年間”
● 1年次:生活を見つめる眼を養う
- 「生活環境入門」「栄養学基礎」「衣服素材学」「住居学概論」などで幅広く基礎を学ぶ
- 実験・観察・フィールドワーク・プレゼン演習を経験
- 自分の興味分野を探るオリエンテーションゼミも実施
● 2年次:専門性を深めながら技術も習得
- 調理科学実習/衣服構成実習/建築製図/CAD演習などでスキルを実践的に習得
- 専門分野ごとの講義(臨床栄養・福祉住環境・服飾文化史など)も本格化
- 地域と連携した授業(例:高齢者住宅設計、地域健康教室の開催など)も始動
● 3年次:プロジェクト型学修とゼミ活動が中心に
- ゼミに所属し、グループ調査・フィールド調査・ワークショップ運営などを実施
- 栄養教育指導実習/建築設計課題制作/地域生活課題研究など、実務的演習が増加
- 他学部・他大学との共同プロジェクトに参加する機会も多数
● 4年次:卒業研究で集大成をまとめ、進路へ
- 論文テーマ例:「高齢者の低栄養予防に向けた食生活支援」「木造住宅の温熱環境分析」「女性と和服文化の変遷」など
- 実地調査・実験・制作を経て、卒論+成果発表会でプレゼンテーション
- 就職・進学・国家試験対策など、教員と連携しながら進路を明確化
キャンパスの風景|真面目だけど、あたたかい雰囲気
- 実験室・調理室・建築製図室・被服制作室など、学びのための専門施設が充実
- まじめで落ち着いた学生が多く、互いに協力し合う空気感
- ゼミや実習での共同作業を通じて、学年・分野を越えた交流も活発
- 女性が中心の大学ならではの「ていねいで誠実」な学びの文化
就職・進路|社会で活きる“暮らしの知と技”を武器に
● 資格系進路
- 管理栄養士(国家試験受験資格)
- 一級・二級建築士(受験資格+設計実績)
- 高校家庭科教員免許/栄養教諭免許
- 学芸員・司書資格など、生活文化系専門職も目指せる
● 就職先例
- 病院・保健所・学校・食品企業(栄養士・管理栄養士)
- 建設会社・設計事務所・インテリア関連企業
- アパレル・繊維メーカー・衣料品流通業
- 公務員(福祉課・都市計画課など)、教育機関
- 大学院進学:生活科学・建築学・栄養学・被服学など
● キャリア支援体制
- 国家資格試験対策講座・面接指導・OB/OG講話あり
- インターンシップ先の紹介(食品メーカー/建築事務所/市役所など)
- 少人数教育だからこそ、教員のきめ細かな就職サポートが可能
保護者の方へ|こんなお子さんにおすすめです
- 「暮らしを良くする」ことに関心があり、実践的に学びたい子
- 管理栄養士や建築士など、国家資格を目指して努力したい子
- 科学実験や制作、観察・分析が好きな子
- 社会課題や環境・福祉に興味があり、地域と関わる仕事がしたい子
- チームで協力して何かを作り上げることに喜びを感じる子
子: “生活”って、あたりまえにあるけど、実はとても深くて奥が深いものなんだ。食べる・住む・着る…それぞれに、誰かの努力と知恵がある。
親: 人の暮らしをていねいに見つめて、社会全体の幸せを支える。そんな学びって、どんな時代にも必要ね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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