「教育学部って教員になるところ?」――子ども・社会・教育を広く深く学ぶ場
親: 教育学部って、先生になるためだけの学部なのかしら?
子: もちろん先生になる人も多いけど、それだけじゃないよ。岡山大学 教育学部は、“教育”を広い視野でとらえて、人の育ちや社会とのつながりを考える学部なんだ。子どもだけじゃなく、教育制度、教育心理、福祉との関係まで学べるのが特長だよ。
親: なるほど。じゃあ教員志望じゃなくても入る人がいるの?
子: うん。最近は教育を活かして、行政・企業・福祉・教育支援NPOなどに進む人も増えてるよ。もちろん、教員になりたい人へのサポートも超手厚いから、そこは安心していいと思う。
学部の特徴|「教える力」と「育てる力」を兼ね備えた教育者を育成
岡山大学 教育学部では、長年の伝統と教育実践に基づいて、以下のような特色ある教育が行われています:
● 教育の理論と実践を統合したカリキュラム
- 教育原理・教育心理・発達支援・教育社会学など理論科目が豊富
- 教科教育法(国語・算数・理科など)と連動した模擬授業・教材研究も多数
- 大学附属学校や地域の教育現場でのフィールド実習が1年次から段階的に行われる
● 教員採用試験に強い“実践重視”の教職養成プログラム
- 採用試験対策(筆記・面接・模擬授業)を大学全体で支援
- 教職支援センターによる個別相談・勉強会・OB訪問も活発
- 岡山県・広島県・兵庫県など中四国中心に多くの合格実績あり
● 多様な子どもに対応できる「特別支援教育」や「教育心理」も充実
- 発達障害・知的障害・肢体不自由などへの対応理論と演習が充実
- 心理検査・カウンセリング技法などを学べる心理支援プログラムあり
- 教職課程+特別支援学校教員免許の取得も可能
子: 先生になるための技術だけじゃなくて、**「子どもってなんだろう?」「教育って何のためにあるんだろう?」**ってところから考えさせられるのが、この学部のすごさだと思う。
学びのステップ|“教室”と“現場”を行き来しながら、教師力を磨く4年間
● 1年次|教育の基礎と「子どもを見る目」を育てる
- 教育哲学・教育制度論・発達心理などの基礎を広く学習
- 附属小学校や地域の小中学校での見学・観察体験がスタート
- 模擬授業やグループワークで“伝える力”の土台を養成
● 2年次|専門分野の学習と模擬授業・教材研究が本格化
- 教科教育(算数・理科・音楽など)ごとの授業づくりに取り組む
- 子ども理解に基づいた指導案作成・板書計画・教具制作などを実施
- 特別支援や外国人児童支援、ICT教育など現代的課題にも対応
● 3年次|教育実習(学校現場)とゼミ活動で実践と理論をつなぐ
- 小学校・中学校・特別支援学校などでの本格的な教育実習(2~4週間)
- 子どもとの接し方、授業運営、保護者対応など“先生の仕事”を体感
- 専門ゼミで教育課題(いじめ・学力格差・教師の働き方など)を深掘り
● 4年次|卒業研究と教員採用試験、進路の決定へ
- 卒論テーマ例:「ICT活用による授業改善」「不登校生徒への支援策の比較研究」「協働学習の効果と課題」など
- 採用試験直前期には模擬面接・論作文対策・模擬授業発表を徹底サポート
- 公務員試験、大学院進学、教育系NPOなど多様な進路を選択可能
親: こうやって見ると、子どもと向き合う力って、一朝一夕では身につかないものなのね。
子: うん。「子どもに寄り添える大人」になるための訓練が、4年間かけて丁寧に積み上げられていくんだよ。
実習・地域連携の例|教育現場と“本気で向き合う”仕掛けが豊富
- ● 附属小・中学校での模擬授業実践と教員フィードバック
- ● 岡山市・倉敷市など近隣の小中学校と連携した教育プロジェクト
- ● 子ども食堂や放課後子ども教室での実習参加(学習支援・遊び支援)
- ● 教育相談室でのロールプレイ実習(保護者対応・心理面談など)
- ● 特別支援学校での観察・補助実習(知的障害・肢体不自由への対応)
子: 現場に入るからこそわかることがあるし、“理論だけでは通用しない”というリアルも肌で感じるんだよ。
学生の雰囲気|「子どもが好き」が出発点。まじめでやさしい空気感
- 小学校教員志望が多く、協力的で穏やかな雰囲気
- 実習や模擬授業を通して、自然と責任感や発言力が育つ
- 真面目な性格の学生が多く、勉強も丁寧に取り組む傾向
- 授業でのディスカッションやゼミ活動を通して、人間的にも成長できる
親: いい空気の中で、じっくり成長できそうね。やさしさと責任感、どっちも育つ感じ。
子: うん、**「子どもに教える前に、自分が大人として育つ4年間」**って思うよ。
就職・進路|“教師になる”を叶える強力サポートと、教育関連の広がる道
● 主な進路
- 小学校教員(岡山・広島・兵庫・大阪など多数)
- 特別支援学校・中学校教員(国語・社会など)
- 公務員(教育行政・こども家庭支援系)
- 教育系企業(教材開発・学習支援・福祉系)
- 大学院進学(教育学研究・臨床心理・カウンセリングなど)
● 就職支援・試験対策
- 教職支援センターによる採用試験講座・個別相談
- 模擬授業・模擬面接・教育論文の指導を徹底
- 卒業生ネットワークを活用したOB訪問・実習アドバイスも活発
子: 教師って“資格”があるだけじゃ通用しないから、現場で通用する「人間力」を育てる環境があるかどうかが大事なんだよね。
保護者の方へ|こんなお子さんにおすすめです
- 子どもと関わることが好きで、将来は先生になりたいという夢がある子
- 自分の言葉で伝える力、聞く力を育てたいと考えている子
- 学校や地域、教育制度の改善に関心がある子
- 発達支援や教育相談など、支える教育にも関心がある子
- 教職を通じて“人の人生に寄り添う仕事”がしたい子
子: 教員免許を取るだけなら、いろんな大学でできる。でも、「いい先生になる準備ができる大学」って、本当に限られてると思う。
親: 岡山大学 教育学部なら、信頼して任せられそうね。子どもを大切にできる大人になってほしいから。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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