「生物地球学部って、理科好きな人が行くところ?」――地球と生命の“つながり”を科学する学び
親: 生物地球学部って、聞き慣れないけど、理科が好きな子が行く学部なの?
子: それもあるけど、それだけじゃないよ。岡山理科大学の生物地球学部では、“生命と地球の歴史・構造・未来”を総合的に学ぶんだ。恐竜や化石、地層、火山、生態系、進化、多様性など、「自然ってなんでこうなってるんだろう?」を徹底的に掘り下げていくよ。
親: なるほど…なんだかワクワクするわね。理科の中でもフィールドワークが多そう。
子: その通り!野外調査・観察・発掘などの実習がとにかく豊富で、教室の外で学ぶことが当たり前の学部なんだ。
学部の特徴|「生命」と「地球」を軸に、過去・現在・未来を読み解く学問体系
岡山理科大学 生物地球学部では、「生物学」「地学」「環境科学」を柱とした、以下のような幅広い分野を学びます。
● 古生物学・地質学・地球環境科学
- 恐竜やアンモナイトの化石発掘・分類・分析
- 地層・岩石・火山・地震・プレート運動などの構造地質学
- 気候変動、地球温暖化、自然災害と人間生活の関係を探る地球環境論
● 生態学・進化・生物多様性
- 植物・動物・昆虫・菌類などの観察・標本作製・分類
- 生物の進化と適応、遺伝的多様性の成り立ちを研究
- 里山・湿地・海岸など多様な環境でのフィールド実習
● 環境保全・自然教育・博物館学
- 自然体験型教育やフィールドガイドとしてのスキルを育成
- 博物館資料の扱い方、展示設計、解説技術なども学ぶ
- 教員免許(理科)や学芸員資格の取得も可能
子: 簡単に言えば、「生き物と地球の謎に向き合って、それを“人に伝える力”まで育てる学部」なんだ。
学びのステップ|フィールド×実験×教育で「地球と生命の見方」を深める4年間
● 1年次|理科の基礎とフィールドの入り口にふれる
- 生物学・地学・科学史などの基礎的な内容を総合的に学習
- 方位磁石・地図・顕微鏡の使い方、標本採集の基本を習得
- 岡山・香川・広島などへの近距離フィールド調査で実地体験
● 2年次|分野ごとの専門性を深めながら“調べる力”を養う
- 古生物/地層解析/植物生態/昆虫分類などの実習・演習が本格化
- 実験室での標本整理・分析・記録技術も習得
- 教育系・研究系・地域貢献系のいずれにも進める柔軟な設計
● 3年次|研究室に所属してテーマ型の学びへ
- 恐竜化石のCT分析/絶滅危惧種の生息調査/火山噴火のリスク解析など
- グループ調査・学会発表・博物館連携活動もスタート
- 先生との距離が近く、“自分の問い”を一緒に掘り下げる体制
● 4年次|卒業研究で“自然と向き合う自分のテーマ”を形にする
- 卒論テーマ例:「岡山県内の白亜紀地層から発見された貝類化石の分類研究」「瀬戸内の干潟におけるカニの行動比較」「災害と地形変化に関する地質調査」など
- 調査→実験→記録→論文→発表まで一貫して行う
- 教職・学芸員・地域貢献型就職へと展開可能な総まとめの1年
親: 教室だけじゃなく、自然の中で学ぶって、子どもにとってすごくいい経験になりそうね。
子: うん、“机の上だけでは見えない世界”が、現地に行くとぐっとリアルになるんだ。
実習・調査・連携活動の一例|“自然科学は外に出てこそ”の実地中心教育
- ● 恐竜化石の発掘実習(熊本・北海道・岡山県北部など)
- ● 岡山市内の干潟・里山・川辺での生態系調査
- ● 高梁市や新見市との地域協働で自然保全活動や教育イベントを開催
- ● 博物館や小学校での自然解説実習
- ● 標本づくり・分類作業・図鑑制作のグループワーク
子: ノートよりも、スコップ・双眼鏡・カメラ・ピンセットの方が大事かもってくらい、現場が中心だよ!
学生の雰囲気|自然が好き、理科が好き、探究心にあふれる仲間たち
- 恐竜・昆虫・鉱物・植物・気象など、子どもの頃からの“好き”を持った学生が多い
- 落ち着いた空気で、観察・記録・調査を丁寧に積み重ねるタイプが多い
- 将来は教員・博物館職員・環境NPO・公務員などを目指す人が多数
- 好きなことを語り合える「理科好きなコミュニティ」感が強い
親: 個性的な子が多そうだけど、目的意識を持って真剣に学んでいそうね。
子: うん、“好き”がそのまま“学び”や“仕事”になる感じで、自分らしく頑張れる雰囲気だよ。
就職・進路|教育・研究・自然保護・地域づくりへと広がるキャリア
● 主な進路
- 中学校・高校教員(理科/地学)
- 博物館・資料館・自然系NPO職員・教育施設スタッフ
- 地方自治体・行政(自然保護・環境政策・防災分野)
- 環境調査・建設・防災コンサルタント企業
- 大学院進学(自然科学/教育学/博物館学など)
● 資格・支援体制
- 中学校教諭一種(理科)、高等学校教諭一種(理科・地学)
- 学芸員資格の取得可能(必修+演習あり)
- 地域との連携実習+インターンシップ制度も充実
- 教職支援センター/就職支援室が個別フォロー
子: “自然科学”って地味だけど、実は**“人と自然をつなぐ”ってすごく重要な仕事**なんだって実感するよ。
保護者の方へ|こんなお子さんにおすすめです
- 恐竜・化石・昆虫・植物・岩石など、理科の分野に強い興味を持っている子
- 教育・研究・自然保護など、人と自然をつなげる仕事がしたい子
- 授業だけでなく、自分で調べて・発見して・伝えたいという好奇心がある子
- 地域や社会と関わりながら、地に足のついた学びをしたい子
- 文理融合のような「観察力+説明力」を育てたい子
子: 自然のことを学ぶって、自分のことや社会のことも見えてくるんだ。“足元から世界が広がる”って、ほんとにそう思う!
親: 自然と向き合う力は、人間と向き合う力にもなる。そう信じて送り出せる学部ね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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