「データサイエンス学部」って? 社会を“見える化”し、未来をつくる学び
親: 「データサイエンス」って最近よく聞くけど、何をする学部なの?数学が得意な人しか無理なんじゃない?
子: 実は、数字が得意かどうかよりも、「社会の課題にどう役立てるか?」を考えられることが大事なんだよ。下関市立大学のデータサイエンス学部では、AI・統計・プログラミングを道具にして、企業や行政が抱える課題を解決する実践型の学びが中心なんだ。
親: 理系だけじゃなくて、社会の仕組みにも関わってくるのね?
子: そうそう。データの時代って言われる今、どの業界でも“分析して、提案できる人”が求められてるんだ。この学部は、そういう力を育てて、地域にも社会にも貢献できる人材を目指す場所だよ。
学部の特徴|“社会に使えるデータ”をどう読み、どう動かすか
● AI・統計・プログラミングを“基礎から”学べる
- PythonやRなど、実務で使われる言語を1年次から丁寧に習得
- 回帰分析・機械学習・可視化などを順を追って学べる設計
- 数学が苦手でも安心。基礎演習と反復演習で段階的に成長できるカリキュラム
● 「地域課題×データ」で実践するプロジェクト型学習
- 市役所・地元企業・医療機関と連携した実データ活用プロジェクトが豊富
- 例:観光客の動線分析/高齢化と移動手段の最適化/児童福祉に関するデータ評価など
- データ分析→報告書作成→プレゼンまでを実社会と接続しながら経験
● 文理融合型の“人間中心”データ教育
- 単なる数字遊びではなく、「このデータは誰の役に立つのか?」を常に考える
- 社会学・経済学・心理学なども横断的に学び、文脈理解と課題設定力を高める
- データを「読める」「つくれる」「伝えられる」人材を育成
学びのステップ|数式だけじゃない、現実と向き合う4年間
● 1年次:情報リテラシーと基礎技術を身につける
- 情報基礎/統計入門/Excel・Pythonの基本操作
- チームワークを意識した初期プロジェクトで、「データとは何か?」を体感
- 地元企業からの課題提供もあり、学びの“社会的実感”が早期に得られる
● 2年次:専門スキルを高め、分析に挑戦する
- 機械学習入門/データ可視化/SQL・Rによるデータベース処理
- プログラミング演習では、WebアプリやBIツールの開発にも挑戦
- 地域統計データを用いた実地分析ワークショップで“自分の仮説”を検証
● 3年次:現場と接続したPBL(課題解決型学習)を展開
- 地元行政・企業と連携した本格的なフィールドプロジェクト
- インターンシップ・共同研究を通じて、実務と学びを融合
- 分析結果を“社会に届ける”プレゼン・レポートスキルも磨く
● 4年次:卒業研究で“データで社会を変える”提案を形に
- 卒業論文やデータレポートを通じて、自分なりの問いと成果を可視化
- テーマ例:「地域交通の最適化」「SNS投稿分析と観光戦略」
- 就職活動と並行しながら、実践力の証明となるアウトプットを完成させる
学生の雰囲気|文系理系を超えて“考えること”が好きな仲間たち
- 数字が得意な子も、社会問題に関心がある子も、それぞれの個性が活かせる
- チームでの議論が多く、協力して答えを導く“対話型”の学習文化
- プログラミング初心者も多く、互いに教え合う雰囲気がある
- 地域の役に立ちたい、社会を少しよくしたいという意欲のある学生が多い
主な進路|すべての業界が“データ人材”を求めている時代
● 主な就職先(想定・実績含む)
- 地方自治体(統計担当/IT推進課など)
- 金融業(リスク管理/データ分析)
- 流通・小売・物流(マーケティング/需要予測)
- 医療・福祉(業務改善/地域診療圏分析)
- 製造業(IoT・設備データの活用)
- 大学院進学(データサイエンス・公共政策・経済学)
● 取得を目指せるスキル・資格
- 統計検定/Pythonエンジニア認定基礎/情報処理技術者試験
- BIツール(Tableau/Power BI)の操作スキル
- データサイエンティスト協会が推奨する基礎レベルに対応したカリキュラム
保護者の方へ|どんな子に向いている?
- 数字やグラフを見ることが好きな子
- 社会の課題を「構造的に」理解したい子
- 自分の考えを形にして、人に伝えるのが好きな子
- パソコンやプログラミングに抵抗がなく、新しいことに挑戦できる子
- データを使って、人や社会の役に立ちたいという意欲を持つ子
子: データってただの数字に見えるけど、読み解けるようになると「人の行動」や「社会の動き」が見えてくるんだよ。
親: なるほど、数字の裏に“人”がいるのね。それをちゃんと読み取れる力、これからの社会ではとても大事になりそうね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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