「人間健康科学部」って? “病気にならない社会”をつくるための学び
親: 「健康科学」って聞くと、医学部や看護学部とどう違うの?と思っちゃうけど…
子: そうだよね。でも実は、周南公立大学の人間健康科学部で学ぶのは、「病気になってから」ではなく、「病気にならない社会をつくる」ための学問なんだよ。つまり、予防・教育・生活支援を通じて、人の健康を“まるごと”支える人材を育てる学部なんだ。
親: なるほど、病気を治すより、そもそも病気にさせないという視点なのね。
子: うん。子どもから高齢者まで、すべての世代の「生活と健康」に寄り添う力を身につけるんだよ。医療と福祉、教育とまちづくりの間をつなぐ役割を担う、これからの時代に欠かせない専門性なんだ。
学部の特徴|“人・地域・社会”をつなぐ「生活と健康」の実践学
● 生活・社会・環境と健康の関係を多角的に探る
- 栄養・運動・メンタルヘルスなど日常生活に直結した健康づくりの理論と実践
- 家庭・学校・職場・地域など、生活の場ごとの健康支援の方法を学ぶ
- 健康格差・福祉制度・地域政策との連携も重視
● フィールド重視の学びで“現場力”を育てる
- 周南市・山口県内の自治体、病院、介護施設、保健センターと連携した実習・演習を展開
- 健康イベントの企画・運営、健康診断補助、栄養指導、介護予防活動などに参加
- 高齢者の生活支援、子どもの発育支援、障害者福祉にも幅広く対応
● チーム支援型の多職種連携教育
- 医師・看護師・リハビリ職・保健師・管理栄養士などとの役割分担と連携の考え方を学ぶ
- 現場の支援者とともに“誰一人取り残さない”支援の方法を実地で体感
- 福祉・教育・行政の垣根を越えて協働する力を育てる
学びの流れ|「自分と社会の健康」を見つめ、地域とつながる4年間
● 1年次:健康科学の基本と“ひとの暮らし”へのまなざし
- 健康科学概論/心理学/社会福祉/人間発達などの基礎科目を学ぶ
- 自分自身の健康行動を見直すことからスタートし、支援の視点を育てる
- 地域の健康づくり現場を見学し、早期からフィールドへの意識を高める
● 2年次:支援に必要な知識と実践技術を段階的に習得
- 運動指導法/栄養評価/ストレスマネジメント/地域調査法などの実技系科目が充実
- 子育て支援・高齢者介護・福祉行政に関する専門科目も開講
- 模擬支援演習やケーススタディを通じて、“実際の支援場面”をシミュレート
● 3年次:地域連携型実習で現場と直結
- 周南市を中心とした自治体・医療機関・福祉施設でのインターンシップ型実習を実施
- 健康測定会の運営、住民との健康相談、施設でのレクリエーション支援などに関与
- 地域課題を自ら発見し、「どう支えるか?」を考える力を育む
● 4年次:卒業研究で“自分の問い”を地域へ返す
- テーマ例:地域高齢者のフレイル予防プログラム開発/若者の健康リテラシーに関する研究
- 調査・分析・報告・提言まで一貫して取り組む実践的な卒業研究
- 成果発表会では地域関係者の前でプレゼンも行う
学生の雰囲気|穏やかで協調性が高く、人を思いやることができる仲間たち
- 医療職志望というより「人の役に立ちたい」気持ちで入学する学生が多い
- 対話を重視した授業が多く、互いに教え合い、支え合う文化が根づいている
- 地域活動やボランティアへの参加意欲が高く、地元愛にあふれた学生も多数
- 穏やかながら芯のある、じっくり型の成長を大切にする空気感
主な進路|“健康の専門家”として、医療・福祉・行政・教育で活躍
● 主な就職先
- 地方自治体(健康福祉課/地域包括支援センター/教育委員会など)
- 医療機関(健康支援スタッフ/メディカルクラーク/地域連携室など)
- 社会福祉協議会・NPO・介護施設など地域福祉分野
- 保健センター/健診機関/健康イベント企業など予防医療系
- 小中高の養護教諭(※教職課程修了者)/教育支援員
- 大学院進学(公衆衛生学・福祉学・健康教育など)
● 取得可能資格・対応スキル
- 健康運動実践指導者(任意)
- 福祉住環境コーディネーター
- 教員免許(養護教諭二種)
- 地域調査/生活支援/健康教育の実務スキル全般
保護者の方へ|どんな子に向いている?
- 人の生活や健康に寄り添い、支えたい気持ちがある子
- コミュニケーションが得意で、相手に合わせた対応ができる子
- 何事にもコツコツと取り組める誠実さを持っている子
- 将来、医療や福祉・教育など“ひとのそばで働く”仕事に就きたい子
- 地域社会に根ざして、長く働き続けたいという思いを持っている子
子: 健康って、病気じゃないことだけじゃなくて、「自分らしく暮らせる」ことなんだって、この学部で知ったよ。
親: たしかに。“暮らしを支える健康”って、家族や地域と深くつながることなのね。すごく実感のある学びだと思うわ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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