「看護学部」って?“人のいのち”と“地域のくらし”を守る力を育てる学び
親: 看護学部って、病院の看護師になるための勉強をするんでしょう?
子: うん、それもあるけど、それだけじゃないんだ。福岡県立大学の看護学部では、病院だけでなく、保健所・学校・在宅医療・災害現場まで、あらゆる場所で人の健康と生活を支える“看護の専門職”を目指す学びがあるんだよ。
親: なるほどね。たしかに、これからの社会は病院の外でも看護の力が必要になるもんね。
子: そうなの。だからこの学部では、「人と社会」「医療と福祉」「命と生活」のすべてをつなぐ看護力を育てるんだ。
学びの柱は「看護実践」「地域ケア」「災害支援」「人間理解」!
● 看護学の基礎と臨床実践力の育成
- 解剖学・生理学・病理学などの基礎医学に加え、基礎看護技術を早期から学習
- 成人・老年・小児・母性・精神など各領域で必要な技術と知識を系統的に習得
- 模擬演習や学内実習で技術を身につけてから臨地実習へ
● 地域包括ケアと在宅看護
- 高齢化・独居・医療的ケア児など地域課題に即した看護を実践的に学ぶ
- 訪問看護・デイサービス・地域包括支援センターとの連携実習あり
- 多職種連携(医師・理学療法士・介護福祉士など)の学びも強化
● 保健師課程と公衆衛生の専門教育
- 3年次からの選択で保健師資格取得が可能
- 学校保健・企業保健・行政の保健事業の現場で実習を実施
- 健康教育・保健指導・感染症対策など、予防医学の現場で活躍できる力を育成
● 災害看護・感染対策・地域防災
- 南海トラフ地震など地域の災害リスクをふまえた看護教育
- 避難所支援・トリアージ・避難弱者対応など危機管理を学ぶ演習あり
- コロナ禍以降は感染症看護や健康危機管理の教育も強化
学びのステップ|“人を看る力”を育てる4年間のプロセス
● 1年次:看護の入口で“人の身体と心”を理解する
- 看護学入門/解剖学/心理学など基礎科目で「人を知る」
- 採血・清拭・バイタルチェックなどの基本技術を学内で習得
- 看護師の仕事を知る病院見学・地域施設訪問の導入実習も実施
● 2年次:技術と倫理、チームワークを磨く
- 複雑な病態や看護過程の構造理解が中心に
- グループでのシナリオ演習や症例検討で“考える力”を鍛える
- 成人・老年・母性など各分野の実習がスタート
● 3年次:長期実習で「現場対応力」を育てる
- 各領域での長期臨地実習(病院・施設・在宅・保健所など)を複数回実施
- 実習先での記録・発表・反省を通じて実践知を積み上げる
- 保健師課程を選択した学生は、地域での保健活動にも参加
● 4年次:卒業研究+国家試験+進路準備の総仕上げ
- 卒業研究では看護の現場課題(例:認知症ケア・家族支援)をテーマにデータ収集・分析
- 看護師・保健師国家試験に向けた集中的支援体制
- 公務員試験・就職面接・病院マッチング支援も手厚く対応
地域密着型の教育環境|“福岡のくらし”と“看護”をつなぐ学び
- 田川地域の訪問看護ステーションと連携し、在宅実習を展開
- 公立保育園での健康観察実習や、小学校での保健教育実習あり
- 災害避難所シミュレーション演習を年次別に実施
- 福岡県看護協会や医師会との連携による実務家講座も定期開催
親: こんなに地域と密着してると、実際の暮らしに沿った力が身につきそうね。
子: うん、「人を看る」って、病気だけじゃなくて、その人の生活や家族も含めて考えるってことなんだ。
学生の雰囲気|真面目で思いやりがあり、支え合いを大切にする空気
- 地元出身の学生が多く、将来も福岡で働きたいという志を持つ人が多い
- グループ学習や演習が多いため、自然と助け合う文化が育つ
- 明るく優しい人柄の学生が多く、実習先でも好印象を持たれることが多い
- 国家試験前には互いに教え合って支え合う“団結力”も強い
就職・進路|“地域と医療をつなぐ看護職”として幅広く活躍
● 主な就職先
- 福岡県内の総合病院(飯塚病院、福岡赤十字病院、久留米大学病院 など)
- 地方自治体(保健師としての採用多数)
- 訪問看護ステーション・福祉施設・学校保健室など多様な場
- 国家・地方公務員(保健行政職)
- 大学院進学(看護教育・看護管理・地域看護など)
● 国家試験・就職支援
- 国家試験合格率は全国平均を上回る実績を維持
- 模擬試験・集中講義・個別指導で合格までサポート
- キャリアセンターと学部教員が連携し、就職活動もきめ細かく支援
子: 地元に戻って地域の人と関わりたいって思う学生が多いから、就職実績も福岡中心に安定してるんだ。
保護者の方へ|こんなお子さんにおすすめです
- 人の役に立ちたいという気持ちがある子
- 地域の中で暮らしと医療をつなぎたいと思っている子
- 優しさと責任感をもって仕事に取り組みたい子
- 医療の現場だけでなく、生活や福祉にも関心がある子
- しっかり考え、丁寧に人と向き合える子
子: 看護って、ただ“病気を治す”だけじゃなくて、“生きていく人を支える”ことなんだって、この4年間で実感したよ。
親: 技術と心の両方を育ててくれる学び。地域とともに歩む看護師になれそうね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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