“人を知る、社会を読み解く”学問で、これからの社会を支える教養を育む
親: 文学部って、文学を読む学部なの?将来の仕事につながるのかちょっと心配で…。
子: たしかに「文学」って聞くと、小説を読んだり、昔の文章を調べたりするイメージがあるよね。でも熊本大学の文学部では、人間・言語・歴史・社会・心理など、人文科学全般を体系的に学べるんだよ。
それに、**“考える力”“言葉で伝える力”**は、いろんな仕事に活きる力だから、進路の幅はむしろ広いよ!
親: 国立大学の文学部って、研究とか専門性も高そうね?
子: うん。熊大の文学部は**「人文社会科学の総合知」を重視していて、1・2年で広く学び、3年から専門を深める**スタイル。研究室の先生たちも第一線の研究者で、少人数制のゼミで丁寧に指導してもらえるよ。
学部の特徴|「人間」と「社会」の本質を、多角的に探究する学び
● 多様な専門分野を組み合わせて学べる構成
・哲学・倫理・宗教学/歴史学(日本史・東洋史・西洋史)
・文学(日本・英米・中国)/言語学/社会学/心理学など
・人文科学と社会科学の“交差点”として、幅広い知を体系的に学べる
● 主体的に学び、問いを立てる力を重視
・「正解を覚える」より「問いを深める」「答えを探し続ける」学びが中心
・個人探究、少人数ゼミ、フィールド調査、文献研究など、自ら調べ考える姿勢を大切にする
● 地域・実社会との接点も豊富
・熊本の歴史文化(熊本城、水前寺、天草など)を題材にした学外学習
・地域社会調査や地元メディア・NPOとの連携研究などもあり、「学問を現実とつなげる」姿勢が育つ
学びのステップ|教養→専門→発信へと深まる4年間
● 1年次:人文学の基礎と広がりにふれる
・哲学・歴史・言語・文学・社会・心理などから幅広く選択
・アカデミック・ライティング、クリティカルシンキングを身につける
・「人間って何?社会とは?」という根本的な問いを考え始める
● 2年次:関心のある分野を絞って、専門的な探究へ
・専門講義+演習(小人数のディスカッション型授業)が本格化
・古文書解読、心理実験、インタビュー調査など実践的な探究法も導入
・ゼミ(研究指導)に向けて、学びの軸を固める
● 3年次:ゼミに所属し、自分の問いに本気で向き合う
・指導教員のもとでテーマを設定し、文献・資料・現地調査などを通して研究を深める
・哲学と現代思想、日本近代文学、戦国期の史料分析、言語とアイデンティティ、SNSと若者文化など多彩な研究テーマに対応
・プレゼン、論文、フィールド報告会などでアウトプットの機会も多数
● 4年次:卒業論文の執筆+進路準備
・1年かけて卒業論文を完成させ、自らの学びを集大成へ
・教員免許、大学院進学、公務員、一般企業…進路別サポートも充実
・人文学で得た「読み解く力」「言葉にする力」を、実社会へつなげる1年
実践例|人文学が“社会の中で生きる”学びに
・熊本城下町の歴史を歩いて記録する「都市文化フィールドワーク」
・地域の民話や伝承を掘り起こすフィールド調査+デジタルアーカイブ制作
・学生同士で哲学的な問いを議論する「哲学カフェ」プロジェクト
・文学作品の舞台と現在の社会問題を重ね合わせて読み解くゼミ活動
・大学ミュージアムと連携した展示企画や史料整理の実習参加
学生の雰囲気|「じっくり考える」タイプが集まり、温かく知的な空気感
・読書が好き、人間に興味がある、問いを立てるのが好きな学生が多い
・発表・討論型授業が多く、他人の意見を尊重する雰囲気が根づいている
・派手さはなくても、静かに熱く語り合える「知的なコミュニティ」
・教員との距離も近く、個別指導や雑談も含めて学問を深めやすい空間
就職・進路|人文学の教養は、どんな仕事にも“芯のある視点”を与える
● 主な進路先
・公務員(県庁、市役所、教育委員会など)
・教員(高校国語・地歴・倫理など)
・出版・マスコミ・広告・情報サービス系企業
・一般企業(営業、企画、人事などの職種)
・大学院進学(哲学・歴史・文学・社会学など)
・博物館・図書館・文化行政などの文化関連職
● 支援体制
・教職課程あり(中高国語・地理歴史・公民)
・公務員対策講座や就職ガイダンス、OBOG訪問支援も整備
・大学院進学希望者への個別指導や推薦制度もあり
保護者の方へ|こんなお子さんにおすすめです
・人の心や社会の仕組みに関心がある子
・読書や文章を書くのが好きな子
・将来の進路を固定せず、広い視野で考えたい子
・自分の頭で考えて、自分の言葉で伝えたい子
・じっくりとした学びの中で“教養”を育てたいと願う子
子: 文学部の学びって、遠回りに見えるかもしれないけど、**「自分の考えを持つこと」「誰かと対話すること」**を大事にできるようになるんだ。
親: 社会が変わっていく中で、むしろ“自分の頭で考える力”ってすごく大事よね。文学部での学び、思っていたよりずっと実践的で頼もしいわ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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