「人間科学部」って?“人を理解し、人の力になりたい”気持ちを形にする学び
親: 「人間科学部」って名前は聞いたことあるけど、何を学ぶ学部なの?
子: 一言でいうと、「人の心や行動、社会との関係性」を科学的に学んで、人を支える力を育てる学部。心理、教育、福祉、スポーツなど、いろんな分野から“人間”を多角的に学ぶんだ。
親: なるほどね。“文系の総合学部”っていう感じなのかしら?
子: うん。でも“ふわっとした学び”じゃなくて、現場実習やデータ分析もある、けっこう“実践型”の学部だよ!
学科構成と特徴|3つのアプローチから「人と社会」を学ぶ
● 臨床心理学系|“心を支える”プロフェッショナルをめざして
- 心理学の基礎から、カウンセリング、発達障害、犯罪心理、臨床技法まで幅広く学習
- 心理検査・面接技法・ロールプレイ演習など実践授業も充実
- 公認心理師や臨床心理士を目指す学生も多く、大学院進学率も高い
親: 心のケアの仕事って、とても責任が重そうね…。
子: だからこそ、知識と同時に“人としての姿勢”を磨くことも大事って、先生たちがすごく丁寧に指導してくれるんだ。
● 教育・福祉系|“人の育ちと支援”を学ぶ実践フィールド
- 教育学/発達心理/社会福祉/障害理解/ジェンダー論など、現代的なテーマが豊富
- 保育・初等教育・特別支援教育などへの関心を深められる
- 教員免許や社会福祉士の取得を目指す学生も在籍
親: 教育や福祉って、人と深く関わる仕事よね。大変だけどやりがいがありそう。
子: うん。だから実習の中で“悩む経験”もするけど、先生も仲間も支えてくれるから成長できるよ。
● スポーツ・健康科学系|“身体から人を理解する”視点を育てる
- 運動生理学・スポーツ心理・健康支援・トレーニング論など専門的に学習
- 子どもの運動指導から高齢者の健康づくりまで幅広く対応できる力を養成
- トレーナー/スポーツ指導者/健康支援職など幅広い進路に対応
学びのステップ|「人を理解する」から「人を支える」実践力へ
● 1年次:心理・教育・福祉・身体の基礎に触れる
- 心理学入門、教育原理、福祉のしくみ、健康と運動など幅広い入門科目を履修
- グループワークやプレゼンを通じて「他者と学び合う姿勢」を育む
- 自分の興味・適性を見つける期間としても充実している
親: まだ将来の夢がはっきりしてない子でも大丈夫そうね?
子: むしろ「これから見つける」って子の方が多いかも。いろんな科目を経験してから、自分の方向を定めていくスタイルだよ。
● 2年次:専門知識の習得+演習中心の学び
- 心理検査の実施・分析、教育現場観察、福祉施設でのボランティア実習など本格化
- 社会調査や統計など“エビデンスに基づいた支援”の基礎も学ぶ
- キャリア科目が増え、「将来の方向性」を意識した授業もスタート
● 3年次:ゼミ所属+現場での実践
- ゼミでの専門研究(例:ストレスと睡眠/子どもの社会性/高齢者支援と運動)に取り組む
- 保育園・学校・福祉施設・スポーツ現場での長期実習を経験
- プレゼン・ディスカッション・報告会で“伝える力”も養う
親: 現場実習って、やっぱり緊張する?
子: 最初はドキドキだけど、実際に“目の前の人に向き合う”体験をすると、勉強の意味がリアルになるんだ。ここで大きく成長する人が多い!
● 4年次:卒業研究+進路の仕上げ
- 卒業論文では自分の関心分野を深堀りし、研究成果をまとめて発表
- 教職/公務員/企業/大学院などそれぞれの進路に応じたサポート体制あり
- ゼミの教員による個別相談・面接練習・資格試験対策なども手厚い
実習・地域連携が充実|“現場に強い”人材を育てる教育体制
- 学内相談室での模擬カウンセリング実習(心理)
- 学校・福祉施設での教育・支援体験
- スポーツイベントの企画運営、地域健康プロジェクトへの参加
- 高齢者・障害者との交流プログラムなど、実社会と関わる場が豊富
学生の雰囲気|やさしく真面目、人と向き合う力を大切にする空気
- 相手を思いやる気持ちが強く、“人のために何かしたい”という学生が多い
- 穏やかで協調性のあるタイプが多く、グループワークでも落ち着いた雰囲気
- スポーツ系の学生も在籍し、明るく活動的な一面もある
- 男女比は女性多めだが、男子学生もなじみやすい空気
就職・進路|“人を支える”力を活かして幅広い進路へ
● 主な進路分野
- 公務員(福祉職/心理職/学校職員など)
- 一般企業(人事/教育研修/福祉・医療関連企業)
- 保育士・教員(保育/初等/特別支援)
- スポーツインストラクター/健康支援職/社会福祉協議会など
- 大学院進学(心理・教育・福祉分野)
● 資格支援体制
- 公認心理師(大学院進学が前提)
- 保育士/小学校教諭/特別支援学校教諭(選択による)
- 社会福祉士(受験資格)
- スポーツ指導員/健康運動実践指導者など
子: 人を理解して、人の役に立つ。それって、どんな仕事にも必要な力だよね。
保護者の方へ|こんなお子さんにおすすめです
- 人の気持ちや行動に関心がある子
- 教育・心理・福祉・健康に興味があり、支援の仕事に関わりたい子
- 将来の方向性を柔軟に考えながら、自分に合った道を見つけたい子
- コツコツまじめに取り組むタイプで、人の話をよく聴ける子
- 実習を通じて“人との関係性”を深く学びたい子
子: この学部で学んで、“人って複雑で面白い”って思えるようになったよ。
親: そうやって“他人のことを考えられる力”って、社会に出て一番大事なことかもね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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