「建築都市工学部」って?“人の暮らし”を技術で支えるプロフェッショナルを育てる
親: 建築都市工学部って、建築士になる人の学部ってことで合ってるのかしら?
子: うん、建築士はもちろん、道路や橋などを作る土木技術者、災害対策やまちづくりに関わる人材も育てる学部だよ。「暮らしの土台」を技術で作る、っていう感じかな。
親: 建物やインフラって、私たちの生活に直結してるものよね。そういう技術を学ぶって、すごく現実的で社会的にも役立ちそう。
子: そうなんだ。この学部では“デザインだけじゃなく、安全性、構造、環境まで全部学べる”っていうのが魅力なんだよ。
学科の構成と特徴|「建築」「都市」「住環境」の3つの視点から学べる
● 建築学系:空間と暮らしを“美しく・安全に”設計する力を育てる
- 建築設計/構造力学/環境設備などを幅広く学習
- 手描き製図・CAD設計・模型制作を通じて“創造と論理”を両立
- 一級建築士・二級建築士の資格取得にも対応したカリキュラム
親: 建築ってセンスも必要そうだけど、理系の要素も強いの?
子: そうだね。構造計算や法規、安全性など、理論の裏付けがすごく大事。感性と理論のバランスが大切な分野なんだ。
● 都市・土木系:インフラ・交通・災害対策など「まちの基盤」をつくる
- 土木工学/都市計画/防災・減災技術などを専門的に学ぶ
- 測量や橋梁設計、上下水道、地盤調査など実験・実習が豊富
- 公共インフラや建設業界、行政職(土木技術職)への就職に強い
● 住環境・環境工学系:快適で持続可能な生活空間をデザインする
- 照明・音響・断熱・空調など“住まいの快適さ”を科学的に分析
- バリアフリー設計や高齢者配慮など福祉住環境の知識も習得
- 環境評価やライフサイクルコストの視点で持続可能性を考える力も育てる
学びのステップ|“設計・構造・現場力”を段階的に育てる4年間
● 1年次:土台づくり(理系基礎+空間への感性)
- 数学・物理・情報処理など理系基礎
- 建築史・デザイン概論・製図の基礎もスタート
- 模型制作・観察スケッチなどで“空間の見方”を身につける
● 2年次:専門知識の習得と演習型授業が本格化
- 建築構造・環境設備・都市計画などの専門科目が充実
- グループ制作やプロジェクト形式の課題に挑戦
- 測量・地盤調査・環境実験など“現場に近い学び”が始まる
親: ものづくりが好きな子には向いてそうね。でも勉強量も多そう…。
子: 正直大変なときもあるけど、完成した模型や設計を見て「自分がここまでできたんだ」って思える瞬間がうれしい!
● 3年次:ゼミ・設計課題・インターンで“実務力”を鍛える
- 各自の専門に応じたゼミに所属し、設計・調査・研究に取り組む
- 建築設計コンペ、まちづくり企画、公共施設提案など実践型課題も多数
- 建設会社や設計事務所でのインターンシップにも挑戦可能
● 4年次:卒業研究+進路の実現へ
- 卒業制作では「建築設計図+模型」や「地域防災計画」「都市再生プラン」などを提案
- ゼミ教員のサポート+キャリア支援センターの連携で就職活動も安心
- 公務員試験対策や建築士受験講座など“資格・進路”支援も充実
実践型の学びが豊富|“まちと連携した設計・提案”のチャンスが多数
- 福岡市や地域自治体と連携した「空き家リノベーション」「地域施設の再設計」などのプロジェクト
- 建築士・設計士による特別授業や、施工現場見学会も実施
- 建築・土木業界の企業とコラボした課題解決演習も人気
- 学内建築コンペ、模型展示会、卒業設計展などアウトプットの機会が多い
学生の雰囲気|“真面目でクリエイティブ”。協力し合う温かい空気
- 地道な作業をコツコツ続けられる、集中力のある学生が多い
- 空間や構造への興味が強く、ものづくりが好きな人にぴったり
- チームで設計課題に取り組むことも多く、協調性も自然と育まれる
- 技術だけでなく、人の暮らしや地域を大切に思う気持ちを持った学生が多い
就職・進路|“建築・都市の専門職”として地域社会と未来に貢献
● 主な進路分野
- 建築設計事務所/ゼネコン(施工管理・設計)/住宅メーカー
- 公務員(土木技術職・建築職/市役所・県庁・国交省など)
- インフラ企業(鉄道・道路・水道・通信など)
- 不動産/都市開発/環境コンサルタント企業
- 大学院進学(建築/都市工学/環境工学など)
● 資格取得サポート
- 一級・二級建築士
- 建築施工管理技士/土木施工管理技士
- 福祉住環境コーディネーター/インテリアプランナー
- 公務員対策講座/CAD・BIM演習など技術系資格も支援
子: “建物をつくる”って、自分の仕事が“人の暮らしそのもの”になるんだよね。それが一番のやりがい!
保護者の方へ|こんなお子さんにおすすめです
- 建物・まち・空間に興味があり、観察力や創造力がある子
- 数学や物理が苦ではなく、論理的な考え方ができる子
- 手を動かして学ぶのが好きな子(模型・製図・現場体験など)
- 公共性のある仕事に関心があり、“人の役に立ちたい”気持ちがある子
- 将来、設計・施工・行政など建築や都市に関わる仕事を目指したい子
子: 建築って“芸術と工学の真ん中”にある学問だと思うんだ。人が暮らす場所を、自分の手でつくれるって、本当にすごいよ!
親: 技術と心の両方を育てる4年間ね。社会に出ても、ずっと残る仕事になりそうで安心だわ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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