“魚を獲る”だけじゃない、“海のすべて”を学ぶ学部
親：水産学部って、漁師さんを育てる学部なの？
子：確かに昔はそう思われがちだったけど、今の水産学部は全然違うよ。長崎大学の水産学部では、海の環境・生物・資源・食・技術・経済まで、海に関するあらゆることを科学的に学ぶんだ。水産というより“海洋総合科学”って感じ。
親：へぇ、ずいぶん幅広いのね。環境とか、食品とかも入ってくるの？
子：うん！気候変動による海洋汚染や資源減少、海の食の安全、沿岸経済の仕組みまで扱うから、すごく現代的な内容だよ。フィールド実習も多くて、座学と現場のバランスも◎！
学部の特徴｜海と人の“つながり”を科学する学び
● 日本屈指の水産都市・長崎を拠点に実践型学習
長崎は漁業・養殖・加工・流通がそろう「水産のまち」
現場と直結した実験・実習・地域連携プロジェクトが豊富
● 多分野融合型の学びで“海の専門家”に
海洋環境保全・漁業資源管理・食品開発・海洋バイオ・水産経済など、文理横断的に学べるカリキュラム
理系だけでなく、社会科学的アプローチも学べる
● 学内に実験船・水槽・加工場など充実の研究施設
調査船（長崎大学附属船「長水丸」）による航海実習あり
実際に海に出てサンプリング・測定・解析を行う本格体験型教育
● 水産庁・食品業界・研究機関との産学官連携
自治体や企業、研究所との共同研究やインターンの機会も多数
卒業研究では、社会課題とリンクしたテーマ設定が可能
子：「海って広いな〜」って思ってたけど、この学部に入ってから「海は“守るべき資源”であり“未来の仕事場”なんだ」って実感してるよ。
学びのステップ｜“現場・実験・応用”がそろう4年間
● 1年次：水産の基礎と海への理解を深める
水産学概論／海洋生物学／化学・生物の基礎科目
長崎の港・市場・海洋センター見学／短期フィールド実習もスタート
● 2年次：専門知識と実験技術を養う
水圏環境学／魚類分類学／養殖生物学／食品化学／資源評価論など
水産食品の分析、DNA抽出、水質測定など実験中心の授業が増える
水槽・冷凍加工機・顕微鏡などを活用した実習で“研究の基礎”を体得
● 3年次：分野別専門学修＋研究室配属
海洋環境保全コース、水産生物生産コース、水産食品科学コースなどに分かれ、自分の進路に合った学びを深める
ゼミ活動開始／個人テーマによる研究計画・プレ実験・論文読解を実施
水産業者・加工企業・地域施設とのフィールド調査・共同研究が本格化
● 4年次：卒業研究・社会実装・進路選択
1年間をかけて卒業研究を遂行（例：赤潮発生メカニズム解析／漁場環境の最適化／魚肉の保存性改善など）
研究成果はポスター発表・学会発表で外部にも公開
同時に、公務員試験・企業就職・大学院進学など進路支援が本格化
海と共に学ぶ｜長崎ならではの“海洋密着型”実践教育
● 大村湾・五島列島・対馬での生態調査プロジェクト
● 実験船での海洋観測・採水・プランクトン分析実習
● 地元水産加工業者とコラボした商品開発（例：減塩干物、魚皮コラーゲン製品）
● 養殖技術開発（スマート養殖・水温管理・病気予防研究）
● SDGs×海洋ごみ削減キャンペーンの企画運営
親：ほんとうに“海とともにある学び”って感じね。海が教科書になってるみたい。
子：その通り！天気も波も“リアル教材”。自然の中で学ぶってこういうことなんだって感じるよ。
学生の雰囲気｜海が好き・生き物が好き・社会に役立ちたい人が集まる
● 生き物好き、釣り好き、料理好きなど“海への愛”を持つ学生が多い
● 穏やかでフィールド系・研究系にバランスよく興味を持つタイプが多い
● 少人数制・ゼミ活動中心で、学年間の仲の良さが際立つ
● 実習を通じて仲が深まりやすく、助け合い・支え合いの文化が強い
就職・進路｜“海の専門性”を活かして社会の第一線へ
● 主な進路先
水産庁・農林水産省／地方自治体（水産技術センター・港湾管理など）
食品メーカー・水産加工企業（開発・品質管理）
環境コンサルタント・調査会社（海洋調査・分析）
海運・漁業・養殖業関連企業
大学院進学（研究職・水圏環境系・食品科学系など）
● 取得可能な資格（条件あり）
学芸員資格／食品衛生管理者任用資格／水産関係公務員受験資格
※危険物取扱者、潜水士、甲種防火管理者などの関連資格も目指せる
● 就職支援体制
研究室単位での個別進路相談
学外インターンシップの紹介／OBとの就職座談会開催
国家公務員対策講座・企業説明会も学部単位で充実
子：水産って“ニッチ”に見えるけど、海に関わる仕事ってほんとに多いんだよ。進路は想像以上に広い！
保護者の方へ｜こんなお子さんに向いています
● 生き物や自然、海に関心がある子
● 実験や観察など、フィールド型の学びが好きな子
● 環境・資源・食の分野で社会に貢献したいという思いがある子
● 丁寧な観察と分析を積み重ねていける子
子：水産って“ニッチ”だけど、“未来の主役”かもしれない。ここで学べば、世界の海を守るプロになれる気がするんだ。
親：“海の仕事”って漁業だけじゃないのね。こんなに多様な可能性があるなんて、正直驚いたわ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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