「地域」と「デジタル」の交差点で、未来を動かす人材を育てる
親: デジタル社会共創学環って、ちょっと聞きなれない名前だけど、どんなことを学ぶの?
子: 一言でいうと、「デジタル技術を使って、地域社会の課題を解決する人」を育てる学びだよ。プログラミングやAIといったITスキルだけじゃなくて、それを**“地域の現実”に活かす視点と実践力**がポイントなんだ。
親: 理系なの?文系なの?それともどっちも?
子: まさに「文理融合」型の学環だよ。情報技術・地域課題・社会科学・デザイン思考まで、文系理系をまたいで学ぶから、「やりたいことで選ぶ」学び方ができるんだ。
学環の特徴|「デジタル×地域共創」という新しい社会人基礎力
● デジタル技術の基礎をしっかり身につける
・プログラミング(Pythonなど)、AI、IoT、Web制作、アプリ開発などを基礎から学習
・データ分析、GIS、SNS活用など、社会課題を“見える化”するスキルも重視
● 社会課題への実践的アプローチ
・地方創生、高齢化、教育格差、防災、観光、子育て支援などのテーマを題材にプロジェクト型授業
・自治体やNPO、地元企業と連携し、実際の課題をチームで調査・提案・実行
● デザイン思考・共創力を育てる
・他人と協力しながらアイデアを出し、社会に役立つ形に落とし込む力を養成
・課題発見→仮説構築→試行錯誤→検証という探究型の学びを重視
● 「学環」ならではのカスタマイズ型カリキュラム
・必修は最小限で、自分の関心に合わせて柔軟に授業を組める仕組み
・理系寄り(データサイエンス志向)にも、文系寄り(地域社会・公共政策志向)にも対応可能
学びのステップ|自分の関心で道を描く4年間
● 1年次:デジタルと社会をつなげる基礎力を身につける
・情報リテラシー、デジタル社会概論、プログラミング入門などを学習
・地域の課題を調べるフィールドワークも実施
・チームでの簡易プロジェクトに挑戦し、共創の第一歩を経験
● 2年次:関心分野を深めながら応用力を育てる
・データ分析、地域マーケティング、行政情報活用、Webサービス設計などを選択
・テーマ別ゼミで実在の社会課題を調査し、プレゼン・改善提案を行う
・自治体や企業とのコラボ授業が増加し、実践的な力が磨かれる
● 3年次:実践重視のプロジェクト型学習に本格的に取り組む
・長期インターンやPBL(課題解決型学習)で、自治体や企業と連携
・観光振興、災害対策、ICT教育などのリアルな現場でプロジェクトを遂行
・ゼミ研究も本格化し、自分の専門性を定めていく
● 4年次:卒業研究+社会発信で学びを社会に返す
・自分が掘り下げてきたテーマ(例:子育て支援×アプリ開発、防災マップ制作など)をもとに研究・制作
・プレゼン大会、地域報告会、オープンデータ連携など、成果発表の場が豊富
・卒業後を見据えたキャリアデザイン講座や進路支援も本格化
実践例|「地域を変える」リアルなプロジェクトが満載
・中山間地域での“スマート農業”推進アプリ開発
・観光DX:佐賀県の観光施設に英語対応マップを制作
・子ども食堂×クラウドファンディング支援プロジェクト
・災害時避難所マップ作成×自治体連携企画
・高齢者スマホ教室を学生が企画・実施
・地元企業のSNS広報戦略改善提案と運用支援
学生の雰囲気|柔軟性と多様性に富んだフラットなコミュニティ
・理系/文系の枠にとらわれず、「やりたいことがある」学生が多い
・探究心が強く、自分の関心を自分で掘り下げていけるタイプが多い
・授業はプロジェクトベースが多く、協働性やリーダーシップが自然と育つ
・地元志向の学生もいれば、全国や海外を視野に入れる学生もいて刺激的な環境
就職・進路|“地域×デジタル”を軸に、あらゆる分野へ羽ばたく
● 主な進路分野
・自治体・官公庁(地域政策・ICT推進部門など)
・IT企業・Web制作会社・情報サービス会社
・広告・PR・観光業・地域商社
・NPO・まちづくり団体・社会起業家系のスタートアップ
・教育・福祉系(ICT支援員、教育支援ツール開発など)
・大学院進学(情報学・公共政策・社会イノベーション分野)
● キャリア支援体制
・インターン実績のある企業・自治体とのマッチングサポートあり
・学生の関心分野に応じて進路指導を個別にカスタマイズ
・実績あるプロジェクトがポートフォリオとなり、就職活動に直結
・OBOGによる進路相談・実務アドバイスの機会も整備
保護者の方へ|こんな子におすすめです
・社会の課題を自分ごととして考え、変えていきたい子
・ITやデジタルに興味はあるが、プログラマーではなく「社会でどう活かすか」を学びたい子
・地域の人と関わり、フィールドで体験しながら学ぶのが好きな子
・チームで何かを作り上げることにやりがいを感じる子
・型にはまらない柔軟なキャリアを目指したい子
子: この学環って、“どこにでも行けるし、何にでもなれる”不思議な学びなんだ。自分の興味が、ちゃんと“社会に役立つ”って実感できるのが楽しいよ。
親: デジタルって道具でしかないけど、それを人のために使えるって、すごく大切なことよね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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