【親向け】琉球大学 工学部の学び・雰囲気・進路をやさしく紹介!沖縄から世界へ、“実践力あるエンジニア”を育てる学びとは?

「工学部」って?“未来をつくる”実践の学問

親: 工学部って理系ってことはわかるけど、結局どんな人を育てるところなの?

子: 一言で言うと、「社会の仕組みやものづくりを支える“実践型エンジニア”を育てる学部」だよ。琉球大学では特に、「地域の課題に学び、世界で活かせる技術者になる」っていう視点が強いんだ。

親: 沖縄の地域課題に技術で取り組むって、新しい発想ね。

子: うん。たとえばインフラ整備・再生可能エネルギー・自然災害・情報インフラ・観光とまちづくり。それを機械・電気・環境・建築・情報の技術で支えるんだよ。


琉球大学 工学部の主な専門分野

琉球大学の工学部は、次の5領域を中心に構成されています(※学科名に縛られず紹介します)。

◆ 機械・エネルギー分野|ものづくりとエネルギー技術の融合

  • CADによる設計、3Dプリンターを使った加工演習
  • 熱・流体・材料力学などの基礎+再生可能エネルギー応用
  • 沖縄の強い日射を活かしたソーラーカー設計プロジェクトあり

◆ 電気・電子・通信分野|未来の“つながる社会”を支える技術

  • 回路設計・通信制御・IoT・電力工学などを体系的に学習
  • 離島の電力インフラ/無線通信/災害時ネットワーク構築など、沖縄発の課題解決を実践
  • ドローン制御やスマート家電開発も学生主体で取り組み中

◆ 情報・AI・システム分野|“頭脳”を設計する力を育てる

  • プログラミング(Python/C++/Java)、アルゴリズム、AI基礎、データ解析
  • 地域交通の最適化、観光データの分析、AIによる画像認識技術開発など
  • 沖縄の交通問題や観光動向をテーマに、情報工学×社会課題を実践

◆ 建築・都市・まちづくり分野|“かたち”を通して社会をデザイン

  • 建築設計製図、都市計画、構造解析、地域景観論など
  • 学内に製図室+模型工房が整備され、コンペにも多数参加
  • 沖縄の伝統建築・リゾート設計・台風への耐震設計など、地域密着型のテーマ多数

◆ 環境・防災・社会基盤分野|インフラ・自然・人をつなぐ技術

  • 環境工学、上下水道、地盤工学、交通・道路設計、防災計画
  • 自然災害に強い街づくり、防災教育、避難シミュレーションなど
  • 海面上昇や高潮に対応するインフラ設計研究も注目されている

学びのプロセス|4年間で“現場対応力”と“設計思考”を育てる

1年次|工学の基礎と沖縄の現実を知る

  • 数学・物理・情報基礎・工学倫理などを学習
  • エンジニアリング入門で「技術の役割と責任」を理解
  • 地域探究型プロジェクト:離島視察、再エネ施設見学なども実施

2年次|専門分野の基礎を着実に積み上げる

  • 各分野に分かれて、実験・製図・プログラミングなどが本格化
  • 学内外での課題解決型PBL(Project-Based Learning)がスタート
  • たとえば「ドローンで海岸侵食を計測」「太陽光で自動給水システム」などの実践演習

3年次|実験・設計・プロジェクト活動の主軸へ

  • 研究室配属/チーム型課題解決プロジェクト(企業や自治体と連携)
  • インターンシップ:沖縄電力、建設会社、IT企業、県庁技術部門など
  • 学会発表や学生コンペにも積極参加(例:建築甲子園、ロボコン)

4年次|卒業研究と進路決定の総仕上げ

  • 1年間をかけた卒業研究に取り組む(設計・分析・システム構築など)
  • 成果は学内発表会や学会で報告。沖縄発の研究として注目される例も多い
  • 就職活動・院試対策・技術士補試験対策のサポートが充実

フィールド実践|沖縄×工学のリアルな教育事例

  • 離島集落の再エネ導入プロジェクト設計
  • 古民家を活かしたコミュニティ施設再設計案作成
  • 海岸線のドローン測量と3Dモデル化
  • 台風被害地域の避難シミュレーションソフト開発
  • 那覇市観光交通のデータ解析による導線設計
  • 沖縄電力と連携した次世代送電技術の研究

子: 「沖縄だからできない」んじゃなくて、「沖縄だからこそできる」学びがあるんだよ。


学生の雰囲気|地元愛×技術で“社会に役立つ”を目指す仲間たち

  • 実直でコツコツ型の学生が多く、真面目に実習や課題に取り組む姿勢が強い
  • チーム設計やPBLの中でリーダーシップを発揮するタイプも多い
  • 地元出身の学生が多く、「沖縄のために役立ちたい」という想いが強い
  • 留学生や県外生との協働も増え、**“開かれた工学部”**の空気あり
  • イベントや発表会で、他分野の刺激も受けられる環境

主な進路|「社会に強い工学力」を活かして多様なキャリアへ

◆ 就職実績(例)

  • 沖縄電力/九州電力/NEC/富士通/パナソニック/INPEX/大和ハウス/清水建設/鉄道系企業/沖縄県庁 技術職/那覇市上下水道局 など
  • 地元就職を志す学生が多く、県内就職率は非常に高い

◆ 資格・支援体制

  • 技術士補(国家資格)の取得支援
  • 基本情報技術者/建築士/測量士補/電気主任技術者 などへの対応授業あり
  • 就職支援講座・エントリーシート添削・OB/OG訪問制度も充実

◆ 大学院進学も堅調

  • 琉球大学大学院/九州大・東工大など外部進学もあり
  • 将来的に研究職や教員、公務員技術職を目指す学生が多い

保護者の方へ|こんなお子さんに向いています

  • 手を動かしてものを作るのが好きな子
  • 地域の課題を“技術で解決”したいと思う子
  • ロボット・電気・AI・建築・防災などに関心がある子
  • 将来は沖縄や地元に貢献したいと考えている子
  • 真面目にコツコツ取り組む力がある子

親: 「沖縄の国立大学だから…」って思ってたけど、思ってた以上に本格的なのね。

子: そうだよ。“地域密着×技術革新”の最前線って、実はすごく面白いんだ。

本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。

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