「文学部」って?“言葉”と“文化”を通して社会とつながる力を育てる学び
親: 文学部って、なんとなく「本を読むところ」ってイメージだけど、将来にどうつながるのかしら?
子: 確かにそう思われがちだけど、都留文科大学の文学部は、「言葉」「表現」「思想」「歴史」など、人間や社会の本質を深く考える力を養う場所なんだ。しかも、教員養成にも強くて、“読む・書く・伝える”力を社会の中でどう活かすかを実践的に学べるんだよ。
親: なるほど。“教える力”も含めて育てるってことね。
子: うん。特に都留文科大は戦後間もなく「教育大学」としてスタートしたから、教育への熱意と実績が強みなんだ。
学科の構成|文学・言語・文化・思想の4つの柱
● 日本文学と言語文化
- 古典文学・近現代文学・民俗・口承文芸・詩・小説などを幅広く学習
- 言葉の成り立ちや、古語・方言・敬語などの用法研究も行う
- 実際の地域フィールド調査(方言調査・古文書解読)も実施
● 英米文学と英語コミュニケーション
- 英詩・小説・演劇など、英語圏の文化・思想を文学を通じて学ぶ
- 英語プレゼン・ディベート・翻訳演習など実践的授業も豊富
- 留学制度(アメリカ・カナダ・フィリピンなど)も充実
● 哲学・思想・文化論
- 西洋哲学・東洋思想・宗教思想・芸術哲学などを比較的に学ぶ
- 人間とは何か、社会とは何かを問い直す“思考力”を鍛える場
- 批評・エッセイ・評論の書き方を通して、自分の意見を言語化する力を養成
都留文科大の文学部ならではの魅力
● 地方国立の強み:少人数×対話型の学び
- 大規模大学では難しいゼミ中心の授業スタイル
- 読解・発表・ディスカッションを通して、思考力と表現力を育成
- 教員と学生の距離が近く、丁寧なフィードバックが受けられる
● 教育への情熱と実績
- 教員養成系の伝統が強く、「文学を教える力」も身につく
- 教育実習・教職課程が充実しており、小中高いずれの免許にも対応可能
- 教員採用試験の合格率は全国でも高水準を維持
● 地域との学びの連携
- 山梨県・都留市との連携による地域フィールドワークあり
- 地域の小学校・図書館・文化施設との共同プロジェクト多数
- 「地域の言葉」「郷土の文学」など、地に足のついた研究も可能
学びのステップ|“読む・書く・伝える”の力を4年間で形にする
● 1年次:読む力・考える力の土台を育てる
- 文学入門・哲学入門・言語学入門など、ジャンルごとの基礎を広く学ぶ
- 漢文・古典・英詩など、時代を超えた“ことば”にふれることで感性を鍛える
- アカデミックライティング・レポート作成の基礎も徹底指導
● 2年次:専門的なテーマに触れ始める
- 古代文学と近代文学、英文学と米文学、近代思想と宗教思想など細かく分野選択
- 少人数ゼミで作品を読み込み、考察・意見交換を通して深く理解
- 地域研究・フィールド調査など、実社会とつながる授業も増加
● 3年次:ゼミ活動を中心に自分のテーマを深掘り
- 自分の関心分野(例:芥川龍之介の作品論、ヘミングウェイの文体、ニーチェ思想など)を選び、研究に本格着手
- 文献調査・フィールド調査・アンケートなど多様な手法で「自分だけの問い」に取り組む
- 教職志望者は教育実習もこの年に実施される
● 4年次:卒業論文と進路決定の年
- 卒業論文では、原文を精読し、独自の分析を加えた研究を仕上げる
- 発表・口頭試問・教員とのディスカッションを重ね、論理的に伝える力を磨く
- 教員採用試験対策・公務員試験講座・出版業界就職講座など進路支援も本格化
学生の雰囲気|読書好き・まじめ・対話を楽しむ人が集まる学部
- 読書や映画、演劇、アートに興味がある人が多く、感性が豊か
- 地元出身者と他県からの学生がバランスよく在籍し、多様な価値観が混ざる
- 勉強に真面目に取り組む雰囲気があり、授業の議論も活発
- 穏やかで落ち着いた人が多く、協調性を大事にする文化がある
就職・進路|“文学の力”を活かせる道が広がっている
● 主な進路分野
- 教育(小中高の国語・英語教員)
- 出版・印刷・編集(書籍、雑誌、フリーペーパー等)
- 公務員(都道府県職員、市町村職員、文化行政など)
- 一般企業(事務職・広報・企画・営業など)
- 大学院進学(文学・言語学・教育学など)
● 資格・就職支援
- 教員免許状(中高国語・英語)取得可能
- 公務員講座、教採対策セミナー、自己分析・面接練習も実施
- 教員OB・OGとの交流機会が豊富で、現場の声を聞ける環境
保護者の方へ|こんなお子さんにおすすめです
- 本や言葉に触れるのが好きな子
- 自分の考えを深めて、誰かに伝えることが得意/好きな子
- 教えることに関心がある/教育職を志望している
- 地域や社会の文化に興味がある
- 論理的思考力や表現力を活かして働きたい子
子: 文学って、「本を読むこと」で終わらないんだよね。読んで、考えて、誰かに伝える——そこに意味があるって学んだよ。
親: 言葉を深く知ることで、人や社会を見る目も変わるのね。どんな仕事でも通用する力が身につきそうで、安心したわ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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