「生活科学部」って?衣食住・福祉・子育てまで、人の暮らし全体を支える学び
親: 「生活科学部」って聞くと、“家庭科の延長”みたいなイメージがあるんだけど…実際はどんなことを学ぶの?
子: たしかに名前は柔らかいけど、中身はかなり専門的なんだよ。同志社女子大学の生活科学部では、「食」「衣」「住」「子育て」「福祉」といった生活のあらゆる面にアプローチして、人間の健康で豊かな暮らしを支える力を育てる学びなんだ。
親: 日常生活に直結してる分、将来の仕事にもつながりやすそうね。
子: うん。国家資格(管理栄養士、保育士、栄養教諭など)を目指す道もあるし、暮らしの課題を自分の手で解決したい人にはぴったりの学部だよ。
学部の構成と専門分野|“生活”を多角的に見つめる2つの柱
同志社女子大学 生活科学部には、以下の2つの領域があります(学科名には触れません):
● 食と栄養の分野(管理栄養士養成課程)
- 管理栄養士国家資格の取得をめざし、科学的な食の知識と実践力を育成
- 解剖生理学・栄養生化学・食品衛生学など理系科目も本格的に学ぶ
- 調理・献立作成・栄養指導の演習、病院・施設での臨地実習も充実
- 子ども・高齢者・アスリート・病院患者など、多様な“食のニーズ”に応える力を養う
● 生活・子育て・福祉の分野(保育・生活支援・衣生活)
- 保育・家庭支援・発達支援・住環境・衣生活などを幅広く学ぶ
- 保育士や栄養教諭の資格取得にも対応
- 幼児教育や福祉施設での実習に加え、子育て支援施設でのボランティア活動も多い
- 子どもや高齢者とのかかわりの中で、「人に寄り添う生活支援力」を培う
学びのステップ|身近な“暮らし”が、深い学びに変わる4年間
● 1年次:生活を見つめ直すところからスタート
- 生活科学入門/栄養学基礎/人間発達論/被服学入門など、幅広い基礎科目を学ぶ
- 授業での学びを通じて、「食べる」「着る」「育てる」「支える」ことの意味を問い直す
- 栄養計算や調理実習、服飾制作など、実習も交えた体験的な導入科目が豊富
● 2年次:専門性を高め、進路を意識する
- 食品学/臨床栄養学/衣生活文化論/保育内容演習など専門科目が本格化
- 施設訪問や校外学習も始まり、「現場とつながる学び」が広がっていく
- 演習を通して、自分の関心や強みが見えてくる時期
● 3年次:実習・フィールドワークの本格スタート
- 病院や高齢者施設での管理栄養士実習(臨地実習)
- 保育所や幼稚園、子育て支援拠点での保育実習
- 被服・住居・生活支援に関わるプロジェクト型学習
- “人の生活を支える”とはどういうことか、現場で深く実感する時期
● 4年次:研究とキャリアの集大成
- 卒業研究では、「アレルギー児の栄養管理」「保育現場のICT活用」「伝統食と食育」など多様なテーマを追究
- 学外で得たデータをもとに、調査・分析・提案を行い、論文としてまとめる
- 国家試験や教員採用試験の対策も本格化。将来を見据えた個別サポートも充実
実践例と学外活動|リアルな“生活の現場”とつながる
- 保育園や地域子育て支援施設でのボランティア活動を授業と並行して行う
- スポーツ栄養、糖尿病食、アレルギー対応食などの献立作成と調理実習
- 被服制作や布地の研究を通じて、環境と快適性を両立する衣生活を探究
- 京都市や近隣自治体と連携した「健康づくり講座」「高齢者の栄養相談」への参加
- オープンキャンパスや地域イベントでの「子ども向け食育ワークショップ」の企画・運営
学生の雰囲気|穏やかでやさしい、実直な仲間たち
- 「人のために役立ちたい」「暮らしをよくしたい」という思いをもった学生が多い
- まじめでコツコツ型の子が多く、実験・実習にも一生懸命
- 調理・保育・被服など“手を動かす”ことが好きな子も多い
- サークル活動や地域ボランティアとの両立で、充実した学生生活を送る子も多数
資格・進路|資格取得で広がる“暮らしを支える仕事”
● 目指せる主な資格
- 管理栄養士(国家資格)
- 栄養士(都道府県知事免許)
- 栄養教諭(一種免許状)
- 保育士(国家資格)
- 中学校教諭(家庭)/高等学校教諭(家庭)
- 衣料管理士(テキスタイル関連の専門資格)
● 主な就職先・進路
- 病院・医療機関(管理栄養士・栄養士)
- 保育所・こども園・児童養護施設
- 学校(栄養教諭・家庭科教員)
- 公務員(行政栄養士・保育職)
- 食品メーカー・給食会社・健康関連企業
- 生活支援・福祉系団体や地域NPO
- 大学院進学(食物栄養学・保育学・生活支援研究など)
子: 「暮らし」って、いちばん身近だけど、いちばん深くて重要なテーマなんだよね。
保護者の方へ|こんなお子さんにぴったりです
- 食べることや栄養に興味がある子
- 保育や子育て支援の仕事に関心がある子
- 人の役に立ちたい、誰かを支えたい気持ちが強い子
- 実験や実習など、手を動かしながら学ぶのが好きな子
- 国家資格をとって、専門職として将来に備えたい子
親: 生活科学って、家庭的な学びかと思ってたけど、実はすごく社会性のある学問なのね。
子: うん。人の暮らしに一番近いところで、「誰かの助けになる」って実感できる分野だよ。大学で学ぶうちに、毎日の当たり前が変わってくるんだ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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