「児童学部」って?子どもの“こころ”と“未来”を支えるスペシャリストに
親: 教育学部とどう違うの?児童学部って何をするところなの?
子: 教育学部が“教える力”に重きを置くのに対して、児童学部は子どもそのものの理解が中心なんだ。保育・福祉・発達支援など、0歳から小学生くらいまでの子どもに幅広く関わる力を身につける場所だよ。
親: じゃあ、保育士や幼稚園の先生を目指す人が多いの?
子: そう!でもそれだけじゃなくて、児童養護施設・子育て支援・発達障がい支援など、福祉系の職業にも強い学部なんだ。
学びの特徴|「子どもをまるごと理解する」ための多角的アプローチ
● 子どもを科学と感性の両面から理解
- 発達心理学・教育学・社会学など、多分野から子どもの育ちを総合的に理解
- 遊び・表現・運動・言葉など、子どもを支える手段も実技でしっかり学習
- 障がい児支援、家庭支援、貧困・虐待など社会課題にも目を向ける
● 実践を通じて「保育・福祉の現場力」を磨く
- 保育所・幼稚園・施設などでの実習が豊富(1年次から現場体験あり)
- 保育内容(音楽・造形・身体表現・絵本指導)など、感性と技術の両方を育成
- プレ保育、地域イベントなど学内外での実践の場が豊富
● “子どもと関わる力”を育てる少人数教育
- 実習記録の書き方や子ども観察の方法を丁寧に指導
- 教員との距離が近く、「ふりかえり」「対話」「成長の共有」を大切にした教育
- 学びだけでなく、人としての姿勢・心構えも育てる環境
学びのステップ|1年次から段階的に“子どもの専門家”へ
● 1年次:子ども理解と自己理解の土台づくり
- 児童学概論/発達心理学/子ども家庭福祉/保育内容総論など
- 子どもとのふれあい体験や観察実習を実施
- 保育者・支援者としての“あり方”を考える基礎教育を重視
● 2年次:保育・支援の技術と理論を深める
- 音楽・造形・体育・言語など、実技中心の授業が本格化
- 子どもの遊びや表現を理解する中で、関わり方の引き出しを増やす
- 地域の保育施設や支援センターでの活動も開始
● 3年次:保育実習・福祉実習を通じて現場感覚を習得
- 保育所・幼稚園・児童福祉施設などで複数回の実習(約3週間ずつ)
- 実際の子どもを担当し、観察・記録・活動提案などを実践
- 実習後はレポート・プレゼン・ふりかえり授業で学びを深める
● 4年次:卒業研究と就職・進路決定の集大成
- 子どもの発達・保育の質・家庭支援などをテーマに卒論を執筆
- 就職活動では、個別面談・書類指導・模擬面接など手厚いサポート
- 公務員試験対策、施設職員向け講座など、進路に応じた支援が充実
地域・現場とつながる実践力重視のカリキュラム
- 附属幼稚園・地域の保育所・子育て支援施設との連携授業が多数
- 「子育て支援ひろば」など、親子向けイベントの企画・運営に学生も参加
- 地域の子どもたちと一緒に遊ぶ「プレ保育活動」は人気の取り組み
- 地域福祉・家庭支援を重視した教育で、保育+福祉の力が両方つく
学生の雰囲気|子ども思いで、あたたかく、協力し合う文化
- 子どもが大好きで、支える側に立ちたいという想いを持った学生が多い
- 保育士・幼稚園教諭を目指す子だけでなく、家庭支援や福祉志望の子も多様に在籍
- 実習前後は互いに励まし合い、支え合う風土がある
- 自分の性格に合った「子どもとの関わり方」を模索できる空気感がある
主な進路|保育・教育・福祉の現場で“子どもと共に生きる”仕事へ
● 資格と取得可能免許
- 保育士資格(国家資格)
- 幼稚園教諭一種免許
- 社会福祉主事任用資格
- 養護教諭免許(選択履修)
● 主な就職先
- 公立・私立の保育園・幼稚園・こども園
- 児童養護施設/障がい児通所支援センター/発達支援センター
- 子育て支援センター/放課後児童クラブ/学童保育
- 福祉法人/行政職(福祉職)/大学院進学なども一部あり
子: 「子どもが好き」っていう気持ちがスタートで大丈夫。4年間かけて、“自分らしい保育・支援の形”を見つけていける学部なんだよ。
保護者の方へ|どんなお子さんに向いている?
- 子どもと関わることにやりがいを感じる子
- 人の気持ちに寄り添える、共感力のある子
- 感性豊かで、表現活動や遊びが好きな子
- 保育士・幼稚園教諭をはじめ、家庭支援や児童福祉にも関心がある子
- 丁寧に指導してもらえる、安心できる環境を望んでいる子
親: “優しさ”がそのまま仕事になるって、すてきな学部ね。
子: うん。将来は「子どもの隣で、一緒に笑っていられる大人」になれるように、この4年間でたくさん学んでいくつもり!
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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