地域とともに学び、北海道を支える医師になるための6年間
親: 医学部って聞くだけで、すごく厳しそうな印象があるけど…実際、札幌医科大学ではどんな風に学ぶの?
子: 確かにハードだけど、その分やりがいも大きいよ。札幌医科大学は、北海道の地域医療を支える医師を育てることにすごく力を入れてるんだ。最初から「人の命に関わる責任」と向き合って学ぶ6年間なんだよ。
親: なるほど、地域密着型の教育なのね。都市部の医学部とはまた違った使命があるのね。
子: うん。都市部の大病院だけじゃなく、へき地や寒冷地の医療もカバーする視点で、実習や講義が組まれているのが大きな特徴だよ。
医学部の教育の柱|知識・技術・使命感をバランスよく育む
- 1. 医学の基礎知識と倫理観の確立
解剖学・生理学・病理学などの基礎医学を徹底して学ぶ
医療倫理やチーム医療のあり方、患者との向き合い方を早期から重視 - 2. 臨床実習による“実践力”の育成
3年次後半から始まる臨床実習(クリクラ)では、実際に患者と接しながら診察・治療・記録の流れを経験
道内各地の病院・診療所での実習も豊富 - 3. 地域医療に貢献する使命感の醸成
北海道特有の地理・医療課題に対応する地域医療研修プログラムあり
ドクターヘリ・遠隔医療・冬季移動制限下での医療支援なども学ぶテーマに
6年間のカリキュラム|積み重ねと実践で“命を預かる力”を育てる
● 1〜2年次:基礎医学と医学者としての素地を作る
- 物理・化学・生物などの理系基礎と医学概論
- 解剖・生理・生化学・薬理学など人体理解の徹底
- 医療倫理・患者との接し方・地域医療の入門も同時に学ぶ
● 3〜4年次:臨床医学への橋渡し
- 内科・外科・小児科・精神科・産婦人科など、主要診療科の知識習得
- 医学英語・プレゼンテーション力の強化も
- 4年次にはCBT(共用試験)とOSCE(実技試験)で実習に進むための総合力を判定
● 5〜6年次:臨床実習と卒業研究
- 各診療科での臨床実習(クリニカルクラークシップ)
- 地域医療実習(道内の病院・診療所)で多様な現場を経験
- 卒業研究では、学生自らがテーマ設定し、データ分析や論文作成を行う
- 卒業後の医師国家試験に向けた集中対策もこの時期に本格化
実習と地域連携|北海道という広大なフィールドを活かした学び
- 道内各地の地域医療機関とのネットワークが強い
- 旭川・帯広・釧路・北見などへ“出張実習”で滞在
- 離島・豪雪地帯など“医療が届きにくい地域”での研修が大きな学びに
- ドクターヘリ、救急救命センター、災害医療の実地体験も
- 地元住民との健康相談・検診イベントなどにも学生が積極参加
医学部生の雰囲気|真面目で協力的。支え合いながら走り抜ける6年間
- 北海道出身の学生が多く、地域貢献への意識が強い
- 勉強量は膨大だが、友人同士で情報共有しながら乗り越える文化あり
- 部活動やボランティアにも参加しながらバランスよく過ごす学生が多い
- 高い志と優しさを持ち合わせた人が多く、仲間との絆が深い
国家試験と進路|“医師になる”というゴールのその先へ
● 医師国家試験の合格実績
- 合格率は全国平均を上回る水準で安定
- 教員の熱心な個別指導と、模試・対策講座が充実
- 「6年次は国家試験勉強に全人生をかける」ほどの覚悟が必要
● 主な進路
- 北海道大学病院や札幌医科大学附属病院などへの初期研修
- 地域中核病院(旭川医療センター、帯広厚生病院など)
- 専門医取得後、道内の医師不足地域で活躍する卒業生が多数
- 将来的に大学病院や研究医、海外医療協力の道に進む学生も
卒業生の声(例)|“地域に根ざす”とはどういうことかを学んだ
「札幌医大での実習は、都市部からへき地まで幅広い現場に出ることができ、“地域医療のリアル”を肌で感じられました。今は旭川の病院で働いていますが、雪の日の往診や、医師が自分一人しかいない夜間当番など、ここで学んだことがそのまま仕事に生きています。」
保護者の方へ|こんなお子さまにおすすめです
- 人の役に立つ仕事がしたいという気持ちが強い
- 医療・生命・科学に強い関心と責任感がある
- 勉強を地道に続ける力がある(高校での理系成績が安定)
- 地域社会に貢献したいという志を持っている
- チームでの活動や人との対話を大切にできる
子: 医学部って、確かに大変だけど、患者さんと関わったときに「ありがとう」って言われると、全部が報われる感じがするよ。
親: 命を支える重みを背負う分、誇りもあるのね。札幌医大なら、しっかりその土台が育ちそう。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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