「デザイン学部」って?“感性”だけじゃない、「考えてカタチにする力」を育てる学び
親: 「デザイン学部」って、絵が上手い子が行くところって感じ?感性の世界って、親としてはちょっと想像しづらいかも。
子: たしかに「感性」は大事だけど、それだけじゃないよ。京都精華大学のデザイン学部は、**問題を見つけて、考えて、社会に届ける方法としての“デザイン”**を学ぶ場所。つまり、アートとはまた違う“実践の学問”なんだ。
親: 表現と社会をつなぐ、ってこと?
子: うん、たとえばポスターやアニメーションで情報を届けたり、街の建物や服のデザインで人の暮らしを変えたり。5つの専門分野で、実践的なクリエイティブを鍛えるのが特徴だよ。
多彩な専門領域|「好き」を突き詰めながら、社会とつながる学び
京都精華大学 デザイン学部には、次のような5つの領域があります。
● グラフィックデザイン
- 雑誌・ポスター・広告・Webなど、視覚表現で情報を伝える力を習得
- Adobe系ソフトの技術と、「何をどう伝えるか」という構成力を両立
- 社会課題をテーマにした作品制作もあり、メッセージ性ある表現を目指す
● イラストレーション
- 絵を描くことを軸に、ストーリーテリングやキャラクター表現を探求
- 書籍・ゲーム・広告・SNSなど、メディア展開も見据えた学びが可能
- 技術だけでなく「描く意図」「世界観づくり」も重視
● 映像メディア
- 実写・アニメーション・モーショングラフィックスなど、動きと音で伝える表現を追究
- 機材の使い方や編集ソフトの操作を学び、実制作中心のカリキュラム
- 社会の風刺やメッセージを含む映像表現で、世界と対話する学生も多数
● 建築・環境デザイン
- 家・街・空間を人間の視点から捉え、「暮らしを形づくる」建築的思考を育成
- スケッチから模型制作、3DCADまで手法は多彩
- 木造建築、まちづくり、エコデザインなど幅広いテーマに触れる
● ファッションデザイン
- 衣服を通じて「身体」「文化」「社会」と向き合う分野
- デザイン→型紙→縫製→展示という服づくりの一連の流れを体験
- サステナブル素材やジェンダーを超えた服づくりなど、現代的テーマも重視
京都精華大学の学びの特徴|「自分の問い」に取り組む4年間
● 1年次:デザインの共通基礎+自己理解
- 「デザインとは何か?」を考え、表現の基礎+思考の訓練をバランスよく学習
- デッサンや色彩構成、映像表現などを広く体験しながら自分の関心領域を探る
- 先輩作品の鑑賞や講評会も多く、創作意欲を刺激される環境
● 2年次:専門分野に本格的に取り組む
- 5つの領域に分かれ、各分野に特化したスキルや思考法を学ぶ
- Adobe、Final Cut、Rhinoなど業界標準のソフトに習熟
- 「自分の世界観」や「伝えたいこと」に基づいた作品制作を展開
● 3年次:実践と社会接続
- 学外コンペ・展示会への応募、企業や行政との連携プロジェクトも盛ん
- 卒業制作のテーマ決定に向けて、「問いを立てる力」「伝える方法」を深掘り
- 就活支援もこの時期から本格化(ポートフォリオ指導、模擬面接など)
● 4年次:卒業制作と未来への準備
- 1年間かけて自分の集大成となる作品を制作・展示
- 公開プレゼン・卒業展などを通して社会とつながる経験も
- 就職・進学・起業など多様な進路に向け、一人ひとりに合わせた指導が徹底
学生の雰囲気|「自分を持った人」が集まる多様性のキャンパス
- 私服の個性がすごい!見た目にも**「表現者」っぽい人が多い**
- 意見を言い合えるオープンな空気があり、批評・対話の文化が根づいている
- 夜遅くまで作品づくりに没頭したり、展示の準備に奔走したりする熱量の高さ
- 一方で、人見知りな子も多く、無理に話しかけなくても自然とつながれる空気感
親: ちょっと自由すぎる雰囲気で心配になりそう…。
子: でも、ちゃんと課題はシビアだし、教員の指導も本気。「好き」だけでは乗り越えられない、成長できる環境なんだよ。
卒業後の進路|クリエイティブ職から一般企業まで多彩な選択肢
● 主な進路先(例)
- デザイン事務所(グラフィック・プロダクト・Web)
- 出版社/広告代理店/映像制作会社
- 建築設計事務所/アパレルブランド/スタートアップ企業
- 企画・商品開発・クリエイティブ職として一般企業へ
- 大学院進学、アーティスト・フリーランスとして活動開始
● 就職支援も手厚い
- キャリアセンターと連携したポートフォリオ添削・模擬面接指導
- 業界説明会やOB・OGトークイベントも開催
- 美大系に強い求人情報サイトや専門エージェントとの提携もあり
保護者の方へ|こんなお子さんにおすすめ!
- 絵を描くこと、ものをつくることが好き
- 「好きなことを社会にどう活かすか」を真剣に考えたい
- 表現にこだわりながらも、社会とつながる実践的な学びをしたい
- アート系に進ませたいが、就職面も不安なくサポートしてほしい
- 個性を大切にしてもらえる環境で、のびのび学んでほしい
子: デザインって、見た目を整えることじゃなくて、「社会にどう問いかけるか」なんだよ。
親: それなら、“好き”を貫く道でも、社会でしっかり生きていけそうね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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