「デザイン工学部」って?暮らしと未来を“かたち”にする学び
親:
「デザイン」って美術系?工学部なのにちょっと意外な名前ね。
子:
そう思うよね。でも「デザイン」って、絵を描くことだけじゃなくて、“社会の課題に対して、形を通じて解決策を提案する”っていう意味なんだ。法政大学のデザイン工学部は、建築や都市計画、モノづくり、環境設計まで、「人の暮らしをどうつくるか」を科学的・創造的に学ぶ学部なんだよ。
親:
へぇ、芸術というより“生活に根ざした工学”って感じなのね。
子:
うん、まさに理系の思考力と文系の発想力を組み合わせる“文理融合型”の実学系学部なんだ。都市の防災設計や、誰もが使いやすい公共空間、エネルギー効率の良い建物設計、さらにはサステナブルな製品開発まで、学ぶテーマは多彩で社会に直結しているよ。
学びの特色|「デザイン×工学」で、社会に役立つ創造を
理論だけじゃない、“現場主義”のカリキュラム
親:
どんなふうに学んでいくの?工作や実習が多いの?
子:
うん、それが大きな特徴。教室での講義に加えて、実際に都市や街に出て調査したり、模型やCADでアイデアを形にしたり、グループで課題解決に挑んだりする演習が本当に多いんだ。
- フィールドワーク(都心・地域での街歩きや課題調査)
- スタジオ演習(模型・図面・CGなどを用いた設計実践)
- プロジェクトベースドラーニング(実際の街や団体と協働)
- サステナブルデザイン、ユニバーサルデザイン、エコ技術など実社会で活きるテーマ
親:
それって、すごく実践的ね。社会に出たときの“即戦力”になりそう。
子:
そうなんだよ。現代社会って、建築士や技術者にも“人間中心の視点”が求められるでしょ?法政のデザイン工学部では、そうした“共感力”や“ユーザー視点”を大事にした学びが徹底されてるんだ。
学びの流れ|1年から4年まで、手を動かしながら深める4年間
● 1年次|「暮らしをつくる」って何?基礎と視野の拡大
- デザイン工学の概論/まちづくり・モノづくりの基礎知識
- デッサンや図面作成の基礎/簡単な模型づくりからスタート
- 街のフィールド調査・観察による「気づき」のトレーニング
● 2年次|本格的な設計演習とチームワーク型の課題解決へ
- グループ制作による空間提案、生活導線の設計など
- 建築/都市/製品など横断的に学び、方向性を見つけていく
- 課題に対して、設計→プレゼン→ふりかえり→改善を繰り返す学び
● 3年次|本格プロジェクト&研究の入口へ
- 外部団体や自治体と連携した都市改善プロジェクト
- 地域活性や災害復興の提案活動などリアルなテーマに挑戦
- 後期からは研究室に所属し、自分の興味に応じた探究をスタート
● 4年次|卒業制作で、自分の“答え”を社会に提案
- 一人ひとりが研究テーマを持ち、設計・制作・検証を重ねる
- 実際に図面・模型・資料・プレゼン資料を作り上げ、公開発表
- 教員や外部ゲストからのフィードバックを受け、実践力を高める
学生の雰囲気|個性豊かで、手を動かすことが好きなタイプが多い
親:
デザインってセンスが必要そうだけど、どんな子が多いの?
子:
センスっていうより、「手を動かすのが好きな子」や「考えながら形にしてみたい子」が多いかな。**理系的なロジックで設計する子もいれば、社会課題に対して人間中心で向き合いたい子もいる。**とにかく個性的で、熱量の高い仲間が集まってる印象だよ。
- 明るくて発信力のあるタイプが多い
- チームで制作を進める場面も多いため、コミュニケーション力が養われる
- プレゼンテーションの訓練も多く、自然と表現力が身につく
- モノづくりや建築系、アート好きからIT志向まで多様性がある
親:
チームワークも大切にするって、社会に出てからも役立ちそうね。
就職・進路|“設計+社会性”を活かして、幅広い分野へ
主な進路分野
- 建築・都市開発・不動産企画
- 環境設計・地域活性関連企業
- 製品・家具・空間デザイン事務所
- コンサルティング会社(都市政策・施設改善など)
- IT・Web・広告・インテリア業界など
- 国家資格(建築士など)取得を目指す人も
- 大学院進学(建築設計/都市計画/デザイン理論など)
子:
卒業後は「社会に役立つ“仕組み”を形にしたい」っていう思いを持った人が、いろんな分野に広がっていく感じ。建築や都市計画だけでなく、プロダクトやITにも進む人がいて、進路は本当に多彩だよ。
保護者の方へ|こんな子におすすめです
- 理系の思考力と文系の発想力、両方に興味がある子
- 街・建物・空間・プロダクトなど、生活を形づくることに関心がある子
- 自分の手で考えを形にしたり、社会の役に立つ提案をしたい子
- チームでの活動やプレゼンテーションに前向きな子
- 将来的に設計や都市づくり、地域の活性化に関わりたい子
子:
“クリエイティブな理系”ってイメージが合うかも。社会とつながる実感を持ちながら学べるから、毎日が刺激的なんだ。
親:
専門性もあるし、汎用性も高い。将来の幅が広がるのは安心材料ね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
コメント