「化学生命工学部」って？ 化学と生命の融合で未来を変える学び
親：
理系って言ってもいろんな分野があるけど、「化学生命」ってちょっと聞きなれないわね。
子：
うん。化学生命工学部は、ざっくり言えば「化学の力で生命のしくみを解き明かし、応用する」学部なんだよ。医薬品・食品・化粧品・環境技術・エネルギー素材まで、すごく幅広い分野で活躍できる力をつけるんだ。
親：
文系とは全然違う世界ね。実験が多そう。
子：
そのとおり！関西大学のこの学部は特に“実験と研究”の時間がたっぷり取られていて、1年生から白衣を着て実験するよ。
学びの特徴｜「化学×生命×工学」の三位一体で人と地球の未来に貢献
分子レベルから社会課題にアプローチ
- 有機化学、分析化学、生化学、分子生物学、微生物学などをバランスよく学修
- 分子設計や反応制御、酵素の働き、細胞レベルの仕組みを理解
- 医療、農業、環境、エネルギー、バイオ産業など応用範囲が広大
“手を動かす”実験とPBL（課題解決型学習）
- 1年次から化学実験を開始。段階的にDNA抽出、タンパク質定量、酵素反応などを扱う
- グループでの実験→ディスカッション→プレゼンというサイクルで「考える力」を養成
- 社会課題を設定し、科学的にどう解決するかを考えるPBL型の演習も実施
学部内での「学際融合」が活発
- 化学・バイオ・工学の専門教員が横断的に授業を担当
- 研究テーマも、医薬品開発から環境浄化、食品開発、機能性素材開発まで多様
- 化学だけでも、生命だけでもない。“間”をつなぐ視点が身につく
学びのステップ｜1年次から4年次までの流れ
● 1年次｜理系の基礎と「実験力」の土台づくり
- 数学・物理・化学・生物の基礎を網羅
- 実験レポートの書き方、観察力の鍛え方なども手厚く指導
- 化学・生命系の導入ゼミで進路意識を明確に
● 2年次｜化学・生命の融合領域を深める
- 生化学、細胞工学、遺伝子工学、分析化学など専門科目が本格化
- 様々な実験技術（クロマトグラフィー、電気泳動、光学分析など）を習得
- 学内外の研究者による講義やシンポジウム参加も推奨される
● 3年次｜研究室配属＆高度実験開始
- 研究室に所属し、テーマを持って本格的な研究に着手
- 医薬品合成、機能性ペプチド開発、環境修復素材、細胞工学など選択肢多数
- 学会発表にチャレンジする学生も増加。プレゼン・論文執筆も学ぶ
● 4年次｜卒業研究と社会接続
- 自身の研究成果を卒業論文としてまとめる
- 実験結果をもとに課題解決案を提案する「社会提案型卒研」も実施
- 大学院進学、企業研究職、公務員などの進路決定が本格化
実験・研究事例｜“目に見えない世界”を形にしていく技術
- 抗がん剤候補物質の合成と評価
- 環境中の重金属を除去する新素材の開発
- プロバイオティクスの食品応用研究
- 細胞の再生・分化を促すペプチドの設計
- 微生物を用いたバイオリファイナリー技術の実験
子：
理論だけじゃなくて「自分の手で確かめて、つくる」って感覚が、化学系の面白さなんだ。
学生の雰囲気｜探究心にあふれる、静かに熱い仲間たち
- 実験・研究が好きで、集中力と継続力のある学生が多い
- おだやかでまじめ、だけど研究室ではとても情熱的
- 男女比も比較的バランスよく、和やかな雰囲気
- 応用化学、医薬系、環境志向、バイオ好きなど多様な志向が交差
就職・進路｜研究職から開発、分析、品質管理まで幅広く活躍
主な進路分野
- 医薬品メーカー（研究職・品質管理）
- 化粧品・食品メーカー（成分開発・機能評価）
- 環境コンサルタント、化学分析企業
- 化学系商社、製造技術職、材料開発職
- 大学院進学（応用化学、生命科学、分子工学など）
資格・サポート
- 毒物劇物取扱者、危険物取扱者、環境計量士などの国家資格支援
- 学会参加費の補助、インターンシップ先の紹介制度あり
- OB/OGとの交流会や、研究室主導の企業連携プロジェクト多数
保護者の方へ｜こんなお子さんにおすすめです
- 化学・生物の両方に興味がある子
- 実験・研究が好きで、コツコツ積み重ねるのが得意な子
- 医療や環境など、社会に役立つ技術に関心のある子
- 自分の手で“発見する”楽しさを体験したい子
- 将来的に研究開発や大学院進学も視野に入れている子
子：
ひとつの実験が成功するまでに、何十回って失敗する。でもそれが、理系の成長なんだよね。
親：
地道だけど、確かな力がつきそうね。将来にもきっと役立つわ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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