「理学部」って?世界のしくみを、根っこから理解する学問
親:
理学部って理系だけど、何をするの?工学部や医学部とは違うのよね?
子:
うん、理学部は“基礎科学”を中心に学ぶ学部なんだ。目の前の現象の「なぜ?」を、数式や実験で解き明かしていくんだよ。
親:
“役に立つこと”というより“知ること”を大切にするのね。
子:
そう。関西学院大学の理学部は、応用じゃなく「理(ことわり)」を究める場所。宇宙・物質・生命・数理の本質にじっくり向き合う学問なんだ。
学びの特徴|現象を“根本から解明する”思考力を育てる
科学の基礎にじっくり向き合う4年間
- 物理・化学・生物・数学など、自然現象の“本質”に迫る学問を専門的に学ぶ
- 「なぜそうなるのか?」を論理的に突き詰める力を育成
- 高度な理論と同時に、実験・観察・解析を通じて実証力も磨く
少人数教育×研究重視のスタイル
- 少人数クラスによる丁寧な演習指導とレポート重視の授業が中心
- 3年次以降は研究室に所属し、教員とのマンツーマン指導を受けながら本格的な研究に取り組む
- 物理の装置設計、化学の分子合成、生物の細胞解析など、最先端の研究設備が充実
英語論文・プレゼンにも挑戦
- サイエンスの世界標準に対応する英語力も重視
- 論文購読・英語プレゼン・国際学会発表のチャンスも豊富
- 海外留学・交換研究も積極的に支援(北米・欧州の提携大学多数)
学びのステップ|深くて長い、探究の旅路
● 1年次:科学の“共通言語”を身につける
- 基礎数学・基礎物理・基礎化学・基礎生物をバランスよく履修
- 大学ならではの実験・レポート形式に慣れる
- コンピュータによるデータ処理や数値解析の初歩も学ぶ
● 2年次:専門性と実験スキルを鍛える
- 各分野ごとに理論・実験をセットで学ぶ体系的カリキュラム
- 実験ノートの記録法・データの考察・レポート作成の精度を高める
- 複雑な現象をモデル化する数学的思考も本格化
● 3年次:研究室配属+高度専門科目
- 各自の興味に応じて研究室に所属し、最先端の研究テーマに取り組む
- 分子構造解析・電子顕微鏡観察・シミュレーション解析などが授業の中で実践される
- チームでの実験や中間発表を通じてプレゼン力・論理構成力も鍛えられる
● 4年次:卒業研究と進路決定
- 1年間かけてオリジナルな研究を完成させ、卒論としてまとめる
- 学会発表・論文執筆・国際会議での発表を経験する学生も多い
- 大学院進学を前提とした指導体制も整っている
研究活動の一例|「わからないことを解明する」喜びを体感
- ナノレベルでの分子設計による新素材の創出
- 宇宙粒子や量子のふるまいを解き明かす実験
- 脳の神経活動を可視化する顕微鏡技術の開発
- 数学モデルを使った感染症拡大のシミュレーション
- 環境中の微生物が持つ分解能力の解析
子:
世の中の「まだ解明されてないこと」に正面から向き合う感じで、毎日が新鮮なんだ。
親:
なんだかすごく深くて難しそうだけど、夢がある学問ね。
学生の雰囲気|静かで探究心にあふれる仲間たち
- 自分のペースでじっくり考えるタイプの学生が多い
- 物静かでも、ひとつのテーマに熱中する集中力がある
- 学生同士で教え合う文化があり、競争より共創の空気感
- 一見おとなしいが、学会や研究発表では堂々と話す子も多い
就職・進路|「問題解決の力」で活躍できる理系人材に
主な進路先
- 大学院進学(理学・工学・情報系など、国内外の大学院へ)
- 技術職(製薬・化学・素材・電機メーカーなどの研究・開発職)
- 情報系職種(IT企業のデータ分析、AI開発など)
- 教育分野(理科教員、公立高校の教諭)
- 公務員(技術職採用、研究機関所属)
- 金融・コンサルなど“論理力”を活かす分野への就職もあり
キャリア支援も手厚く
- 大学院進学を希望する学生には、推薦・指導制度あり
- 専門職だけでなく、社会で活躍する多様な理系キャリアを支援
- 理学部OB・OGのネットワークも活用し、職場訪問や座談会も開催
保護者の方へ|こんなお子さんにおすすめです
- 数学・理科が得意で、“どうして?”を突き詰めるのが好きな子
- 結果より過程を重視し、深く考えるのが好きな子
- 実験・観察など、自分の手を動かして確かめるのが好きな子
- 研究や探究を将来の仕事にしたいと考えている子
- 英語力も含めて、サイエンスを世界に伝えたい意欲のある子
子:
「役に立つかどうか」より、「真理を追究することの面白さ」が、ここでの学びの魅力だと思う。
親:
“すぐに役立たないけれど、深くて価値のある学び”って、実は一番将来の糧になるかもしれないわね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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