「生物資源科学部」って?命を支える“農・食・環境・動物”を科学する
親:
“生物資源”って聞き慣れない言葉だけど、どんなことを学ぶ学部なの?
子:
一言でいえば、「人と自然との共生を科学で支える学問」を学ぶ学部だよ。農業・食品・環境・バイオ・動物など、地球上の“いのち”や“資源”をどう守り、活かし、持続可能にしていくかを学ぶんだ。
親:
なるほど、農学部ともちょっと違うのね。
子:
そうだね。農業や畜産にとどまらず、動物の健康や野生動物保護、食品開発、環境保全、バイオ技術など、とにかく守備範囲が広いのが特徴だよ。
学びの特徴|自然と人間をつなぐ「いのちの総合科学」
実験・実習が豊富な“体験型”カリキュラム
- 大規模な農場・畜舎・森林・附属病院などを活用した実地体験
- 1年次からのフィールドワーク(農作業・動物飼育・環境調査など)
- 食品加工・水質浄化・遺伝子解析・動物の行動観察など、実験の幅が広い
専門を越えて学べる「複合領域」型の教育
- 環境+農業/動物+医療/バイオ+食など、分野をまたぐ学びが可能
- 進級するにつれて、自分の関心に合わせて学びを深められる構造
- 実社会とつながる課題解決型授業(PBL)も多数導入
社会課題に直結するテーマで学ぶ
- 持続可能な農業/気候変動と生態系/食品ロス削減/動物福祉など
- 「人間中心」ではなく「地球全体を視野に入れた学問」
- 大学の枠を超えて、行政や企業との共同プロジェクトも推進中
子:
環境問題や食料問題、動物保護なんかに興味がある人にはすごくピッタリだよ。
学びのステップ|広く学び、深めて、現場につなぐ4年間
● 1年次:自然科学と基礎実習で土台を固める
- 生物学・化学・物理など自然科学の基礎
- 農場体験・食品加工体験・環境測定など幅広い基礎実習
- 命を扱う者としての倫理教育・フィールドでの安全管理指導
● 2年次:分野ごとの専門性を高める
- 植物育種・家畜栄養学・生態学・分子生物学・食品衛生など
- 教室→実験室→現場の3段階で学ぶカリキュラム
- 地域連携授業で、地方自治体・農家・漁師などとの協働も経験
● 3年次:研究テーマを持ち、実践的プロジェクトに挑戦
- ゼミ配属により、自分の専門テーマ(例:水田環境・犬猫保護・発酵食品開発)に取り組む
- 企業インターンや行政調査プロジェクトに参加
- チームで動く研究活動で、協働力・企画力・課題発見力を磨く
● 4年次:卒業研究と将来へのステップ
- 自ら設定した課題に対するフィールド調査・実験・分析
- 学会発表・論文執筆など、専門職としての出口を意識したアウトプット
- 教員やOB/OGとの面談を通じて進路の明確化とスキル確認
学外での学び|「現場」がキャンパス!
- 神奈川県藤沢市に広がるキャンパス+広大な附属農場・演習林
- 獣医病院や食品分析センターなどの施設でリアルな現場体験
- 地元住民との地域連携プロジェクト、野外調査、都市農業への提言活動
子:
“大学の中で完結しない学び”っていうのが、まさにここならではなんだよ。
学生の雰囲気|ナチュラル志向で、探究心旺盛な学生たち
- 動物が好き、植物が好き、食に興味があるという子が多い
- ゆったりした雰囲気の中に、着実に技術と知識を磨く真面目さがある
- フィールドワークや実験を通じて、自然と仲良くなるタイプ
- ゼミや実習で仲間と協力し合う文化が根づいている
就職・進路|「農・食・環境・動物」すべてが進路になる!
主な進路分野
- 農業関連企業(農薬・種苗・農機・JAなど)
- 食品メーカー・品質管理・商品開発
- 環境コンサル・リサイクル企業・水処理技術会社
- 動物病院・動物保護団体・ペット産業・飼料会社
- 公務員(農政・環境行政・獣医職など)
- 研究職・大学院進学(バイオサイエンス・農学・環境科学系)
資格・支援体制
- 食品衛生管理者・家畜人工授精師・環境計量士などの受験資格
- キャリアセンター+学部独自のインターン支援制度
- OB・OGネットワークを活かした職場見学や模擬面接
保護者の方へ|どんな子におすすめ?
- 動植物や自然環境が好きな子
- 実験・実習・フィールドワークが好きな子
- 食品・農業・生き物など、身近なテーマに関心がある子
- 環境問題や持続可能な社会に貢献したいという思いを持つ子
- コツコツと積み上げ型の学びを大切にする子
子:
“理系の中の文系”って言われるくらい、柔らかいテーマも多いよ。
親:
命と向き合う学問って、人としての感性も豊かにしてくれそうね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
コメント