「農学って農業のこと?」──いいえ、“食・環境・命”のすべてにかかわる学問です
親: 「農学部」って聞くと、畑仕事とか農業系のイメージだけど…実際にはどんなことを学ぶの?
子: たしかにそう思うよね。でも実は、龍谷大学の農学部は「農」だけにとどまらない、環境・生命・地域・食文化を丸ごと扱う学部なんだ。
親: 食や自然について広く深く学ぶってこと?
子: うん。たとえば、持続可能な農業、フードシステム、バイオ資源、環境保全、そして里山文化まで。いわば、「地球と人間の未来」を見つめる学問なんだよ。
学部の特徴|“現場”と“科学”をつなぐ、新しい農学教育
- 龍谷大学農学部は2015年開設の比較的新しい学部
- 京都市中心部から電車で約20分、滋賀県の瀬田キャンパスに設置
- 実学重視の教育理念のもと、「現場に出て学ぶ」機会が豊富
- 農業の技術だけでなく、環境・経済・文化といった視点も統合
子: “農を通じて社会を変える”っていう発想が根っこにあるんだよ。
学びの柱|4年間で“命と環境と人”のつながりを読み解く
● 食と農の科学
- 作物栽培、動物生産、バイオテクノロジー
- 食品加工、栄養学、安全性評価など
- 食品ロス・持続可能な食の仕組みも学ぶ
● 環境と地域の共生
- 里山保全、流域管理、生態系と土地利用
- 日本の農村・農業文化の歴史や持続戦略
- フィールド調査を通じた地域理解
● 命の科学と倫理
- 遺伝資源・生物多様性・農薬や化学肥料の環境影響
- 環境倫理・フードエシックス・動物福祉
- 生き物との共生を考える哲学的アプローチも
親: なんだか農学というより、文理融合って感じがするね。
子: そうそう!理系の研究と文系の社会課題をつなぐ“学際的”な学びが、この学部の強みだよ。
学びのステップ|教室→畑→社会へ広がる4年間の成長プロセス
● 1年次:農学の全体像をつかむ
- 農学入門/環境科学基礎/統計や情報処理
- 瀬田キャンパス内の教育農園での初歩的な実習
- 文理を横断する講義で興味の幅を広げる
● 2年次:基礎から応用へ、専門的な学びを深める
- 作物生理学、動物飼育、微生物学など
- 土壌分析や栄養価の評価などのラボ実習
- 京都や滋賀の地域農業・企業・自治体と連携した体験学習
● 3年次:テーマを選んで“自分の農学”に挑戦
- 専門ゼミに所属し、自分の研究テーマを設定
- 企業や農家と連携したPBL(課題解決型学習)
- 国内外の農業フィールド研修(例:オーガニック農場研修)
● 4年次:卒業研究と進路の具体化
- 卒業論文執筆とプレゼンテーション
- 教員との面談を重ねながら進路選択をサポート
- 社会にどう貢献するかを考え、行動に移す時期
子: 「ただ調べる」じゃなくて、「地域の現場に入って、何ができるか考える」って姿勢を大事にしてるよ。
体験型の学び|大学を飛び出して“土の匂いと人の声”を知る
- 大津市・近江八幡市などの農村地域でのフィールド演習
- 地元農家と協力しての農業体験・販売活動
- 食と農のテーマパーク的な「アグリキャンパス」構想にも参加
- 企業・農協・行政と連携したフードロス削減プロジェクト
- 留学生との共同作業や多文化的な農業の比較実習もあり
親: 学外での学びが本当に多いのね。
子: うん、「行って・見て・動いて・振り返る」っていう学びの循環がすごく大事にされてるんだ。
学生の雰囲気|やさしくて、地に足のついた仲間たち
- 自然が好き・動物が好き・農作業が好き、という“素朴で真面目”な学生が多い
- 少人数クラスで“人の顔と名前がわかる”あたたかい雰囲気
- 生物・化学に強い学生だけでなく、社会や文化に関心がある文系タイプも在籍
- 「人の役に立ちたい」「地元に貢献したい」という志を持つ子が多い
親: 自然体で学べそうな環境なのがいいわね。
子: “競争より協力”が合うタイプには、すごく居心地のいい場所だと思う!
就職・進路|“農・食・環境”をキーワードに多彩なキャリアへ
● 主な進路
- 食品メーカー・農業法人・JA・生協など食産業全般
- 環境調査会社・林業・地域振興団体など
- 公務員(農業普及員・環境政策担当など)
- 教員(農業高校・中高理科)
- 大学院進学(農学・環境科学・地域政策系)
● 資格と支援体制
- 教職課程(理科・農業)/環境関連資格サポート
- 学外インターンシップ先の紹介多数
- ゼミ担当教員が就職相談にも個別に対応
子: “農=農家”に限らず、「農を起点に、社会を支える仕事」がたくさんあるって知ったよ。
保護者の方へ|こんなお子さんにおすすめ!
- 自然・食・環境に関心があり、人のためになることをしたい子
- 実際に体を動かして現場で学ぶことが好きな子
- 地域社会や持続可能な暮らしに興味がある子
- 理系にも文系にも興味がある“ハイブリッド型”の子
- SDGsやエシカル消費など、新しい価値観を学びたい子
親: “農”って未来の社会づくりに直結してるのね。
子: うん、だからこそ**「農学=未来学」だと思って、毎日ワクワクしながら学んでるよ。**
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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