「夜間の理系大学」って珍しい?働きながら理学を深められる学部
親: 理学部の「第二部」って何?理科大にそんな学部があるなんて知らなかったわ。
子: これは「夜間課程」のこと。東京理科大学の理学部第二部は、日中働いたり、別の学びをしながらでも理系の専門知識をしっかり深められる、めずらしい“理系夜間学部”なんだ。
親: 夜間に理学を学ぶって、どんな人が多いのかしら?
子: 社会人や、昼間に仕事をしている人もいれば、あえて昼間は別の進路を模索している学生も。幅広い年齢層がいるけど、どの人も“理学をちゃんと学びたい”っていう強い意志を持って入ってくるんだよ。
理学部第二部の3専攻|夜でも本格派の理系教育
● 数学科
・論理的思考と抽象概念に重点を置いたカリキュラム
・代数学・幾何学・解析学などを深く学ぶ
・教職課程もあり、数学教師を目指す学生も多数
● 物理学科
・力学、電磁気学、量子論などの基礎+実験を重視
・夜間でも実験室を使って物理現象に触れる機会がある
・理学研究や技術職を志す学生が多い
● 化学科
・無機・有機・物理・分析化学など幅広く網羅
・実験スキルを鍛える環境が整っている
・企業の研究職・技術職への進路も視野に
子: 教育の内容自体は昼間の理学部とほとんど変わらないんだよ。実験もディスカッションもちゃんとあって、教員も本気。
親: なるほど、夜間といっても「手抜き」じゃなくて、むしろ熱意のある人の集まりなのね。
学びの流れ|柔軟な学修スタイルとサポート体制
● 授業時間は夕方〜夜
・18:00ごろから講義スタート。仕事やアルバイト後でも通いやすい
・土曜にも開講科目がある
● 少人数授業と丁寧な指導
・夜間特有の落ち着いた雰囲気で、教員との距離が近い
・演習やレポート添削を通じて理解を深める
● 社会人学生にも対応した支援
・キャリア相談・履修相談も柔軟
・教員の多くが昼間課程と兼任で指導経験豊富
子: 特に魅力的なのは、「学び直し」や「キャリア転換」の受け皿になっているところ。理学の再挑戦を真剣に応援してくれるよ。
学生の雰囲気|多様な人生経験が集まる、落ち着いた学びの場
・現役生〜社会人まで年齢層が幅広い
・黙々と学ぶ静かな環境を好む人が多い
・夜の授業だからこそ、集中力と自己管理が求められる
・チームワークより“個の成長”を重視する風土
親: 同じ年頃の子ばかりじゃないのね。でも、その分いい刺激になりそう。
子: そう。経験豊富な社会人の同級生と話すことで、自分の価値観が広がったりもするよ。
就職・進路|“理学を武器に”多様なキャリアへ
● 主な進路先
・IT企業(システムエンジニア、データ解析)
・化学メーカー、素材系企業の研究・開発職
・教育機関(高校教員・予備校講師など)
・公務員(技術系・研究系)
・大学院進学(東京理科大学大学院など)
● 特徴的な支援
・夜間課程でもキャリアセンターが利用可能
・教員による個別進路相談も丁寧
・学内推薦制度やOB/OGのネットワークも活用可
子: 僕の先輩には、昼間は会社員をしていて、夜間で学位を取ってから大学院に進んで研究者になった人もいるよ。
親: 時間が限られている分、学ぶ意志がはっきりしているのね。
保護者の方へ|こんなお子さんに向いています
・高校時代に進路が定まらず、今あらためて理系を目指したい方
・日中の時間を別の目的に使いたいが、理学を専門的に学びたい方
・自分のペースでじっくりと研究や勉強に取り組みたい方
・将来的に研究・教育・技術開発の道を考えている方
子: 僕も最初は「夜間なんて…」って少し偏見があったけど、いまでは「ここに来てよかった」って思ってるよ。
親: 進路に“王道”はないのね。大事なのは、本人の覚悟と、それを応援する環境なのかもね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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