「先進理工学部」って？“研究の早稲田”を体現する理系の中核拠点
親： 名前がかっこいいけど、実際どんなことを学ぶ学部なの？
子： 「先進理工学部」は、早稲田大学の中でも特に“研究力”に重きを置いた理系学部だよ。物理・化学・数学・生命科学・情報科学などを土台にしつつ、AI、ナノテク、再生医療、環境エネルギーといった**“今この瞬間に世界で最前線の研究”**を学生のうちから体験できるんだ。
親： 研究って大学院からやるイメージだけど…
子： それがこの学部は違うの。1年生の段階から**「理論を聞いて終わり」じゃなくて、「実験室で試してみよう」**というスタンスなんだよ。まさに“手と頭を両方使って考える”場。将来、技術者や研究者になりたい人には理想的な学びが揃ってるんだ。
学部の教育理念｜「未知に挑む」ための知性と技術を鍛える
● 理系の王道から“先進”へと踏み込む設計
- 数学・物理・化学などの基礎は“徹底して深く”学ぶカリキュラム
- 座学と並行して、1年次から実験・演習の時間が豊富
- 「原理を理解する→自分で試す→結果を解析→再現性を考える」このループが学びの核
● 幅広い専門領域がそろった“研究者養成の温床”
- 物質のナノレベル解析、量子コンピュータ、バイオ分子工学、グリーンエネルギー、脳神経ネットワークなど
- 教員の研究レベルも非常に高く、「このテーマで世界一を目指す」教授陣が多数在籍
- 研究室配属は3年からだが、2年次に“研究室体験プログラム”があり、早期から研究に触れる機会がある
● 自由度の高さも早稲田らしさ
- 興味に応じて、学部横断型プロジェクトや文理融合ゼミにも挑戦可能
- 商学部や国際教養学部など、他学部の授業も履修できる「全学共通副専攻」制度あり
- 留学やインターンも柔軟に組み込めるカリキュラム構成
子： 「好奇心に忠実でいられること」がこの学部の一番の魅力かもしれない。
カリキュラムの流れ｜学部4年間で“知識→応用→創造”を段階的に育てる
● 1年次：土台づくりと学びのスタンス確立
- 線形代数、解析学、物理学基礎、化学入門、プログラミングなどの必修科目群
- 演習型の「先進理工入門セミナー」で学び方を学ぶ
- 「基礎実験A/B」で実際の測定・誤差解析・レポート作成までを丁寧に体験
- 全学共通の語学教育（英語）＋海外発信型プレゼンの初歩練習も
● 2年次：自分の「専門軸」が見え始める
- 応用数学・統計力学・材料力学・有機化学などより深い専門へ
- 研究室体験プログラムで、自分の進みたい方向を探索
- 技術英語・論文読解・情報処理技法など“研究者の共通スキル”もここで習得
- 一部、学外の研究施設との共同講義もスタート
● 3年次：研究室に入り、未知の問いに挑む
- 各自の希望に応じて、配属先の研究室を選択（内部選考あり）
- 最先端テーマの研究に本格参画。1人1テーマで機器操作・データ解析・論文執筆を経験
- 夏季・春季に外部企業や研究所との共同プロジェクトやインターンも多数
- 海外提携大学への短期研究留学（例：MIT、ETHチューリッヒ、北京大学など）制度あり
● 4年次：卒業研究で“世界に通じる一歩”を
- 単なる卒論ではなく、学会発表や論文投稿を目指すことも珍しくない
- 「研究成果を社会に伝える」プレゼン力育成にも注力（技術倫理も並行して学ぶ）
- 多くの学生がそのまま大学院（修士）へと進学し、研究を継続
子： 学部4年間で“受け身の学習者”から“自走する研究者の卵”になっていく感じだよ。
キャンパスライフ｜早稲田の自由と刺激が融合する場所
- 西早稲田キャンパスがメイン。理工三学部（基幹・創造・先進）が同じ敷地内にあり、横のつながりが強い
- 授業後も研究室や図書館に残っている学生が多く、“勉強を楽しむ空気”が根づいている
- 体育会、音楽系、プログラミング系など、学外のサークル活動も活発。オンオフの切り替えが上手な人が多い
- 年1回の「理工展」は、学生自ら研究を展示・発信するイベント。高校生の来場者多数
親： “ガリ勉”って感じじゃないのね。
子： うん、みんな**忙しいけど、どこか楽しそうにやってる。**自分の好きなことに夢中になってるから。
就職と進路｜「技術で社会を変える」ルートがここから始まる
● 主な進路タイプ
- 技術職・研究職（ソニー、NTT、キーエンス、富士フイルム、旭化成、三菱重工など）
- IT・AI関連（Google Japan、メルカリ、サイバーエージェント、DeNAなど）
- 医療・バイオ・化学業界（武田薬品、中外製薬、住友化学など）
- 公的研究機関／国家公務員（理系技官、JAXA、産総研など）
- 大学院進学（早稲田内部はもちろん、東京大学・東北大学・海外大学院への進学者も）
● サポート体制
- 研究室OB/OGによるキャリアセミナー
- “研究職専用”の就活対策プログラムあり
- 企業との共同研究インターンからそのまま内定に繋がるケースも
- 学部時代の研究成果が評価され、海外の大学院にフルスカラシップで進学する学生も毎年いる
子： 「理系って就職強い」ってよく言われるけど、ここはそれ以上に**“研究で勝負できる人材”**になれる学部だと思う。
保護者の方へ｜こんなお子さんにおすすめです
- 数学や物理が好きで、納得するまでとことん考えたい子
- AI・医療・宇宙・エネルギーなど、先端技術の世界に興味がある子
- 試験の点数よりも、「なぜそうなるのか？」を大事にする思考派タイプ
- 将来、企業の研究者・技術者、大学院進学、海外での研究などに挑戦したい子
- 文系理系の枠を超えて、“知を使って社会を動かす”ことに興味がある子
親： 理系って、専門性が高すぎて将来のことがわかりにくいけど、ここなら“研究者になる道”も“社会に出る道”も両方見えるわね。
子： まさにそう。「知る喜び」と「使う手応え」が両立できる場所なんだよ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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