「AI時代の文理融合型人材」を育てる、新しい学部です
親: 最近「データサイエンス」ってよく聞くけど、大学でどういうことを学ぶの?
子: 千葉大学の情報・データサイエンス学部では、AI・ビッグデータ・統計・情報技術を使って、社会の課題を解決できる人を育てる学部なんだ。文理融合型の実践力重視ってところがポイントだよ。
親: 工学部や情報学部と何が違うの?
子: 工学部が“技術をつくる”学問なら、この学部は**“技術を使って価値を生み出す”**学問。たとえば「医療現場のデータで診断支援をつくる」「交通の渋滞をデータから読み解く」みたいな、“社会で活かす視点”が強いんだ。
学びの特徴|AI・統計・社会課題解決をつなぐ実践型教育
● 基礎+応用+社会連携の3層構造
- 数学・統計・プログラミングをしっかり学ぶ理系的基礎
- AI活用・データ解析・モデリングなど実践科目が豊富
- 実際の企業や自治体と組んだ課題解決型プロジェクトで応用力を磨く
● 産官学連携・分野横断があたりまえ
- 医療・防災・教育・観光・経済・まちづくりなど、活用分野は制限なし
- 理系出身者だけでなく、文系タイプの学生も歓迎されるカリキュラム設計
- 千葉県・千葉市・地元企業・大学病院などとの連携実績も多数
● 実験より“データを読み解き、伝える力”を育成
- 白衣を着て試薬を混ぜるより、コードを打ってグラフを描き、意味を伝えるのが仕事
- プレゼン・資料作成・グループディスカッションの機会も多く、アウトプット力も重視
学びのステップ|数理・情報の基礎から“社会を変える力”へ
● 1年次|文理を越えて情報と数理の基礎づくり
- 数学(線形代数・微積)、統計学、プログラミング(Python)を基礎から学習
- 社会課題に対するデータ思考の入門的科目も配置
- 情報リテラシー・AI概論・データ可視化の演習も並行
● 2年次|データ処理とAIモデルの応用へ
- データベース、機械学習、モデリング技術、情報倫理
- 教育・医療・経済・行政分野ごとの事例型科目で、応用イメージを具体化
- チームでの小規模分析プロジェクトも経験
● 3年次|課題解決型演習と研究スタート
- 自治体や企業の課題をベースにフィールドワーク+分析提案
- 自分の研究テーマを設定し、卒業研究に向けた探究活動を本格化
- 医療データ、地域防災、交通解析、気候データ分析などテーマは多様
● 4年次|卒業研究+発信力・提案力の仕上げ
- データ分析+論理構成+社会的意義を含めた卒論を作成
- 一部は地域・企業と連携した公開発表会でアウトプット
- 大学院進学・就職活動へ向けた個別サポート体制も整備
実践の場|“分析して終わり”じゃない、“動かすためのデータ”を体感
- 高齢者の転倒データをAIで分析→地域のリスク予測マップ作成
- 千葉市の公共交通利用データを可視化→政策提言
- 学校現場のアンケート結果を構造分析→教育委員会へフィードバック
- 大学病院との協働で、医療ビッグデータを用いた治療傾向の探索
- 観光地のSNS口コミデータから訪問動機を可視化→マーケティング支援
子: 「数字が好き」ってだけじゃなくて、“データを社会に役立てる”っていう実感が持てるのが、この学部の面白さなんだよね。
学生の雰囲気|理系っぽいけど、文系的センスも活きる場所
- 数学・統計に強い子と、文系寄りでプレゼン・表現が得意な子が共存
- 男女比はおおよそ半々に近く、柔らかく落ち着いた雰囲気
- プログラミング初心者でも1年からしっかり鍛えられるため、入学時の差は小さい
- データ×社会というテーマに共感する社会志向・現場志向の学生が多い
主な進路|データを“読んで動かす”職種へ多様に広がる
● 就職先の例(想定含む)
- データサイエンティスト(IT企業、金融、医療、行政系)
- デジタルマーケティング担当(広告代理店、商社、ベンチャー)
- 情報分析官・リサーチャー(調査会社、自治体、大学附属研究所)
- 教育系・医療系NPO職員(データ評価・実証事業担当)
- 公務員(政策立案や統計・IT部門)
● 大学院進学
- 千葉大学大学院情報・データサイエンス研究院
- 他大学情報系・統計系・社会工学系大学院(筑波、東大、京大など)
- データを軸に文理両分野への進学が可能
保護者の方へ|どんな子におすすめ?
- 数学や情報が得意 or 苦手でも“分析すること”に興味がある子
- 「世の中のしくみ」をデータから解き明かしたい子
- プログラミングや統計を学びたいが、文系的視点も持ちたい子
- AIやICTを人の役に立てたいという“現場志向”がある子
- 社会貢献や政策提案に興味があり、論理的に考えたいタイプ
親: ただの“ITスキル”じゃなくて、“社会のための活用力”が大事なのね。
子: うん。この学部では、「データを持っているだけの人」じゃなく、「データで動かせる人」を育ててるって感じ。新しい時代に本当に必要な力だと思うよ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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