「えっ、福島大学に理系ってあったの?」という方へ
親: 福島大学って、昔は教育とか経済の大学ってイメージだったけど、「理工学群」って最近できたの?
子: そうなんだ。2021年に新設された新しい学群で、「環境放射能・エネルギー・ICT・防災」など、**“地域と未来を支える理系”**がテーマの学びが特徴だよ。
親: 東日本大震災や原発事故の経験がある福島だからこそ、ってことかしら。
子: まさにその通りで、**“福島だからできる、福島でこそ学べる”**理工系教育なんだ。研究も学びも、すごく実践的で社会とつながってるんだよ。
学びの特色|課題解決型の次世代理系教育
● 2専攻体制で、環境と情報の両面をカバー
- 共生システム理工学類:環境・エネルギー・防災・材料・化学・生命科学など
- 人間支援システム理工学類:AI・データサイエンス・ソフトウェア・ロボット・福祉工学など
● 「地域×科学×実践」を重視したカリキュラム
- 福島県内の自治体・企業と連携したリアルな課題解決プロジェクト
- SDGs・地域復興・気候変動・デジタル化など、最先端の社会課題に向き合う
● ハードだけじゃない“人を支える”理系
- 人に寄り添う科学、「テクノロジーの使い方」に重点
- 知識やスキルだけでなく、倫理観・コミュニケーション能力も重視
学びのステップ|“社会とつながる理系”を育てる4年間
● 1年次|理系基礎と“社会課題”の視野を広げる
- 数学・物理・化学・情報・プログラミングなど、理系の共通基礎をしっかり学習
- 「理工学とは何か?社会とどう関わるか?」というリベラルアーツ的な視点も
● 2年次|分野別の専門知識+プロジェクト型学習
- 材料力学・エネルギー工学・生体制御・AI設計・地域課題演習など、各専攻に分かれて本格的に
- 福島の企業や自治体が提示する課題に学生チームで挑む**PBL(課題解決型学習)**を実施
● 3年次|研究室に入り、実験・開発・分析スキルを磨く
- 自分の関心テーマに沿って、研究室で専門的な探究活動を開始
- 環境計測、防災システム設計、AIによる交通分析、放射線影響評価など、テーマは多彩
- 学会発表や論文執筆に挑戦する学生も
● 4年次|卒業研究+社会実装へのステップ
- 企業・地域と連携した卒業研究を通じ、現実社会に解決策を提示
- 例:高齢者の生活支援ロボット設計、豪雨時の避難誘導AIシステム開発、再エネ導入計画の最適化提案など
- 卒業後の進路も視野に、キャリア支援講座や就職活動サポートが本格化
フィールド実習・連携活動|社会と直結した体験が豊富!
- 福島県の地域課題に密着した防災・減災ワークショップ
- 地元のICT企業と協働して、地域DX(デジタル変革)推進プロジェクト
- 小中学生への出前授業で、科学の面白さを伝えるサイエンス教育支援
- 河川・森林・土壌の環境調査、放射線測定演習
- 被災地の「復興まちづくり」現場への訪問+ヒアリング
子: 「理工系の勉強=机の上」って思ってたけど、**“地域と未来のための技術”を体で学ぶ”**って感覚なんだよね。
学生の雰囲気|新設だからこそ、開拓的で意欲的な空気
- 全国からの進学者と、福島県出身の学生が半々くらいで多様性あり
- 新しい学部だからこそ、「道を切り拓く」という意識が強い
- 勉強だけでなく、地域活動・サークル・起業などにも前向き
- 教員との距離が近く、面倒見が良い少人数制の教育体制
主な進路|地域も、企業も、大学院も、選択肢は広がる
● 就職先の例
- 製造・インフラ系企業(東北電力、富士通、日立、NEC、地元中小企業など)
- ICT企業(システム開発、Webサービス、AI・IoT系ベンチャー)
- 地方自治体(技術職・情報職)、研究機関(気象台、環境分析センターなど)
- 教員(理科・技術・情報系)や理系公務員もあり
● 進学例
- 福島大学大学院理工学研究科
- 他国立大学・技術系大学の大学院(東北大、筑波大、東京農工大など)
- 博士進学も視野に、研究志向の強い学生もサポートあり
保護者の方へ|どんな子におすすめ?
- 理数系が得意、または苦手でも“テクノロジーで人を支えたい”気持ちがある子
- 地域や社会課題に関心があり、実践的な学びをしたい子
- AI・IoT・データ・環境・防災など、今後の社会を支える技術にワクワクできる子
- 大都市ではなく、落ち着いた場所でじっくり学びたい子
- まだ将来像が固まっていないけれど、「社会の役に立ちたい」という軸がある子
親: “理系エリート”よりも、“暮らしと未来を支える実践家”って印象ね。
子: うん。**“技術は道具。それをどう使うかは人間の知恵と倫理”**って考え方が、福島大学の理工にはあるんだよ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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