「理工学部」って?“医療・環境・AI”で社会を支える“応用科学の拠点”
親: 「理工学部」って、理学部とも工学部とも違うのかしら?
子: うん、群馬大学の理工学部は理学と工学のハイブリッドみたいな学部で、「科学的な探究」と「実社会への応用」の両方を学べるんだ。特に、**医療×工学の連携(医工連携)**や、AI・エネルギー・環境分野への取り組みが強みだよ。
親: 医療と工学の連携って珍しいわね。
子: 群馬大学は医学部が強くて、病院とも連携してるから、医療機器の開発や生体信号の解析みたいな研究が本格的にできるんだ。地域貢献も重視してて、災害時の技術支援や再生エネルギーの導入支援もやってるよ。
学部の特徴|「人に役立つ科学と技術」をとことん追求する5分野体制
群馬大学 理工学部では、以下のような分野に分かれています(学科名には触れません):
- 機械・知能システム分野:ロボティクス、設計、AI制御
- 電気電子分野:回路、通信、パワーエレクトロニクス
- 応用化学・物質工学分野:有機材料、高分子、エネルギー素材
- 情報・数理科学分野:AI、プログラミング、データ解析
- 環境・エネルギー・社会基盤分野:インフラ、防災、再エネ、地域づくり
すべての分野で、講義→演習→研究→社会連携という段階的な学びが設計されており、「作って終わり」じゃない、“技術を社会に届ける”実装力を鍛えます。
学びのステップ|理論から現場まで、研究者×技術者の力を育てる
● 1年次:理工の基礎を幅広く身につける
- 数学・物理・化学・情報・設計基礎などの基礎科目を網羅
- 「理工学基礎セミナー」で各分野の技術と社会とのつながりを探る
- グループワークや初歩的なプログラミング演習も導入され、工学マインドの種まきが始まる
● 2年次:専門分野での理論・実験・設計を展開
- 機械系:機械設計/CAD/熱力学/ロボット工学
- 電気電子系:回路理論/半導体/電力・制御工学
- 化学系:無機・有機化学/物質分析/材料合成
- 情報系:アルゴリズム/AI基礎/センサーネットワーク
- 環境系:構造力学/エネルギーシステム/GIS解析
- 実験・実習・設計課題が増加し、手を動かして理解する学びが加速
● 3年次:研究室所属+地域や企業との共同課題に挑戦
- 専門研究室に配属され、個人テーマ+グループ課題の両方に挑む
- 医療機関や自治体と連携した課題(例:血圧センサ、下水処理の改良、災害時電力確保など)に参加
- 技術英語・特許・プレゼンテーションなど“社会に伝える技術”も鍛えられる
● 4年次:卒業研究+学会・発表へと進化
- 研究テーマ例:
- 「認知症予兆検知のための生体信号AI解析」
- 「超小型ドローン用軽量モータの設計」
- 「海洋プラスチック代替となる高分子開発」
- 「豪雨災害を想定した自治体防災モデルの構築」
- 論文作成・プレゼン練習・学会参加など、“プロとしてのまとめ力”を養う一年に
現場で学ぶ!群馬大学 理工学部の“リアルな挑戦”
- 群馬大学医学部附属病院との医工連携:生体信号解析・人工呼吸器制御などの研究
- 災害×電気×地域ネットワーク演習:断水・停電時のインフラ復旧シミュレーション
- 群馬県内の企業と連携した製品開発プロジェクト:地元企業と共同で装置・試作品の設計
- 再生エネルギー導入に関する自治体協働:太陽光・風力・マイクログリッドの活用支援
親: 本当に、地域と社会の中で学んでるって感じなのね。
子: うん。技術って、ただ作って終わりじゃなくて、“誰かが使って初めて意味がある”ってことを教えてくれる場所なんだ。
学生の雰囲気|まじめで協調的、でも芯に“挑戦心”をもった仲間たち
- 穏やかで落ち着いた学生が多く、議論や協働に前向き
- ロボコン、ハッカソン、学会発表など、自主的に挑戦する学生も多い
- 学年をまたいで研究に熱中する“研究室カルチャー”が根づいている
- 地元志向と全国志向の学生が共存し、視野の広さと地域性のバランスがある
就職・進路|技術職・研究職・公務員・大学院進学まで幅広く
● 主な就職先
- 製造・開発(機械・電気・化学):日立製作所、富士電機、TDK、SUBARU、東レなど
- IT・情報関連企業:NTTデータ、NEC、富士通、SCSK、LINEヤフーなど
- 公務員(技術職)・インフラ企業:国交省、自治体技術職、JR東日本、東京電力など
- 研究職・技術職(病院・研究機関):医療系ベンチャー、国立研究機関など
● 大学院進学(約5割)
- 群馬大学大学院 理工学府
- 東大・東工大・東北大など、他大学院への進学実績もあり
保護者の方へ|どんな子におすすめ?
- 数学や理科が得意で、ものごとを理論的に考える子
- 工学的な思考と、社会に貢献したいという想いが両立している子
- プログラミング、電子回路、材料など“つくること”が好きな子
- 医療や環境、防災といった分野に理系の視点で関わりたい子
- 地道に実験・設計・発表に取り組める「探究型」のタイプ
子: 群馬大学の理工学部って、技術を学ぶだけじゃなくて、「人の役に立つにはどうするか」ってことまで考える工学なんだ。
親: たしかに。それが本当の“実学”ってことなのかもしれないわね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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