「融合学域」って?1つの専門に縛られず、“未来をつなぐ知”を学ぶ学域
親: 「融合学域」って、ちょっと聞き慣れない名前ね。どういうことを学ぶの?
子: 一言で言えば、「文系・理系・情報・国際」などを自由に横断して学べる学域だよ。
金沢大学の融合学域には、『地域創造学類』『国際融合学類』『先導学類』の3つがあって、それぞれ未来社会の課題解決を目指す新しい学び方をしているんだ。
親: つまり、1つの専門分野だけじゃなくて、いろんな知識をつなげて社会を良くするってことなのね?
子: そう!例えば「地域課題をAIで分析する」とか、「国際社会の中で環境と経済を両立させる政策を考える」とか、複雑な問題に対応できる人材を育てる学域なんだよ。
学域の特徴|「分野の壁」を超えて、課題と向き合う新しい大学教育
● 文理融合型の学びで“複雑な現代社会”を読み解く力を育てる
- 専門知識の深さよりも、「多様な視点で課題をとらえ、チームで解決する力」を重視
- データサイエンス・国際関係・地域づくり・環境・経済・情報などを組み合わせて学ぶ
- 文理の枠にとらわれない柔軟な学び方が特徴
● 実社会に直結した“探究型・プロジェクト型”カリキュラム
- 地域企業・自治体・国際NGO・ベンチャーなどとの連携プロジェクトが豊富
- 社会調査・フィールドワーク・インターンなど、現場と接続した学習体験を重視
- 研究テーマも実社会の課題から設定されることが多い
● 世界・地域・未来とつながる3学類構成
- 地域創造学類: 地域活性、まちづくり、公共政策などに強い文理融合型
- 国際融合学類: 英語×国際教養×社会科学をベースにしたグローバル人材育成型
- 先導学類: 数理・情報・データサイエンスを基盤にした“横断型STEM人材”養成型
子: 「AI×地域活性」「観光×環境×経済」「英語×データ分析」みたいに、1人で2つ以上の武器を持てるっていうのが魅力だよ。
親: 今の社会にぴったりの学び方ね。枠にとらわれない分、可能性も広がりそう!
学びのステップ|探究・実践・統合で“問題解決力”を育てる4年間
● 1年次:融合教育の土台を築く“教養基礎”
- 哲学・統計・言語・情報・地域社会論など、文理融合型の基礎をしっかり学習
- 学類共通の「課題発見ワークショップ」や「フィールド観察」なども実施
- プレゼン・レポート・グループ討論など、表現力の養成も重視
● 2年次:各学類の専門分野を軸に“応用力”を磨く
- 【地域創造学類】…まちづくり・地域経済・政策論・フィールドワーク
- 【国際融合学類】…英語ディスカッション・国際関係・多文化理解
- 【先導学類】…プログラミング・統計解析・AI応用・数理モデリング
- 自由選択科目や副専攻で、他学類や他学域の授業を組み合わせることも可能
● 3年次:フィールド・インターン・学外連携が本格化
- 地域プロジェクト・海外実習・自治体や企業との共同研究に参加
- 専門ゼミ所属→チームでの調査・実践・政策提案・検証を行う
- AIで観光データを分析/地域住民とまちづくりワークショップ/国際開発の現場訪問…など多様な実践例あり
● 4年次:卒業研究(探究)で“自分の問い”を社会へつなぐ
- 自らの関心に沿ったテーマ設定→調査→分析→提言
- 卒業論文+プレゼン大会/地域報告会/国際発表など多彩なアウトプット形式
- 地域社会、企業、行政との接点を活かした“実践的な成果”が重視される
学生の雰囲気|自由で柔軟、多様性にあふれた仲間たち
- 自分の興味や関心に素直に向き合い、「こう学びたい」を自ら組み立てる人が多い
- 英語が得意な子、地域活動に熱心な子、データ分析にハマる子など多種多様
- 留学生や帰国生も多く、多文化的な刺激が日常にある
- 穏やかで協調性があり、グループワークを楽しめる雰囲気
子: 「自分だけのカリキュラムが作れる」から、みんな目的がはっきりしてる。でも堅苦しくなくて、話しやすい人ばかりだよ。
親: “型にはまらないけど、芯がある”って、これからの時代に強そうね。
就職・進路|「分野の壁を超える力」が武器になる時代へ
● 主な進路分野
- 公務員(地域政策、国際関係、情報政策、行政職)
- 地域金融、観光、まちづくりコンサル、自治体関連団体
- IT企業(データ分析、システム設計、マーケティング)
- グローバル企業、貿易・物流、NPO、教育・研究職
- 大学院進学(公共政策、社会学、情報科学、国際協力など)
● キャリア支援体制
- 専門ゼミ単位での就職サポート、地域や企業との接続支援が豊富
- エントリーシート添削、進路ガイダンス、模擬面接も段階的に実施
- 地域と連携した「社会連携型卒業研究→採用」の流れもあり
子: 僕のゼミの先輩は、地域課題の研究から県庁の政策職に就職したよ。企業と連携して起業した人もいるらしい!
親: “学んだことがすぐに社会に活かせる”っていうのは、実感があっていいわね。
保護者の方へ|どんな子におすすめ?
- 文系/理系のどちらかに絞れず、どちらも学びたい子
- 地域や社会に目を向けて、自分の力で解決に関わりたい子
- 英語や情報スキルを生かして、グローバルな舞台で活躍したい子
- 自由度の高い学びの中で、自分でテーマを決めて動いていける子
- “自分の問い”を探し、答えを“実社会で試したい”という意思のある子
子: 「これからの社会って、1つの専門だけじゃ通用しない」って聞くけど、この学域は“組み合わせて考える力”が自然と身につくんだ。
親: 好きなことを深めて、それを社会に生かす。そんな学び方ができるって、すごく幸せな大学生活ね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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