「システム情報学部」って?AI・情報通信・数理解析を融合した“知のインフラ”
親: システム情報って、いわゆる情報工学と同じなの?
子: 一部は似てるけど、神戸大学の「システム情報学部」は、情報科学・数理科学・知能工学・通信技術などを融合的に学べる理系総合学部なんだ。単なるプログラミングだけじゃなくて、「社会や自然現象を情報でどう解き明かすか」っていう、現代社会の“見えない仕組み”を科学的に設計する学問だよ。
親: じゃあ、AIとかデータサイエンスの最先端も扱うの?
子: そう。AI、ビッグデータ、IoT、画像解析、セキュリティ、ロボティクスなど、産業や研究の最前線で使われる技術の根幹を担う人材を育てている学部なんだよ。
神戸大学 システム情報学部の特色|数理×情報×工学の“ハイブリッド型理系学部”
● 4つの基幹領域が融合する構成
神戸大学システム情報学部は、以下の領域を横断的に学べるのが最大の特長です。
- 数理情報科学: 微分方程式、統計モデリング、機械学習理論
- 知能情報学: AI、自然言語処理、画像認識、ロボティクス
- 情報通信学: 通信プロトコル、ネットワーク、暗号化技術
- システム制御工学: 自動運転、制御理論、リアルタイム処理
● 数理に強い人材育成
- 数学の基礎力を徹底的に鍛えるカリキュラム
- アルゴリズム思考や計算理論の修得が必須
- 数式で現象を記述→コンピュータでシミュレーション→社会実装、という実践サイクル
● 実験と演習重視の体制
- 低学年からのプログラミング・実験演習が豊富
- PythonやC言語、R、MATLABなどツールも網羅
- チームでのプロジェクト型学習(PBL)で実社会の課題にも挑戦
学びのステップ|「理論→設計→応用」を通して“現実を動かす力”を養う
● 1年次:情報科学の基礎を網羅
- 線形代数・微積分・離散数学などの理系基礎
- 情報数学、アルゴリズム、情報と倫理など
- Python演習+レポート作成、プレゼン能力も養成
● 2年次:専門性の入り口と実験技術
- 数理モデル構築、AI基礎、情報通信の原理
- 実験Ⅰ・Ⅱで「センサ・信号処理・ネットワーク通信」の基本を体験
- 分野横断型の研究リテラシー教育も開始
● 3年次:応用科目と研究活動の本格化
- 機械学習、ディープラーニング、数理最適化など
- 実社会課題(例:都市交通、気象解析、医療AI)へのシミュレーション応用
- 研究室配属前に研究体験プログラムあり
● 4年次:研究室での卒業研究+社会連携
- 高度な研究テーマに取り組み、学会発表もあり
- 民間企業や研究機関との共同研究・インターンも活発
- 修士進学率が高く、大学院でさらに専門性を深める学生多数
研究テーマの一例|現実世界の「解き方」をつくる頭脳集団
- 人流データを用いた都市の混雑予測システムの設計
- 医療画像から疾患を自動検出するAI診断支援技術
- 自動運転車のためのリアルタイム経路最適化アルゴリズム
- 大規模ネットワークにおけるセキュリティ対策と暗号技術
- 災害時の緊急通信を可能にする分散システムの開発
- 感情認識AIによる教育支援システムの構築
学生の雰囲気|理論派・探究派が集う“静かな情熱”
- ロジカルでコツコツ型の学生が多い
- 数学・物理・情報オリンピック出身者も一定数
- 「一人で集中」「みんなで議論」のバランスが取れていて、居心地よい空気
- 高度な内容でも粘り強く学ぶ姿勢があり、“研究者予備軍”のような学生層
主な進路・就職先|“社会を裏側から支える技術者・研究者”になる
● 大学院進学率:非常に高い(7〜8割)
- 神戸大学大学院 システム情報学研究科/工学研究科
- 他大学の情報系・数理系研究科へも進学
- 修了後は企業研究所・IT系企業・国家研究機関へ
● 主な就職先
- 大手メーカー:ソニー、日立、パナソニック、三菱電機、トヨタ
- 通信・IT:NTT、KDDI、楽天、LINE、富士通、NEC、サイバーエージェント
- 官公庁・研究機関:防衛省、産業技術総合研究所、気象庁、国交省
- 外資系企業・コンサルティングファームも増加傾向
保護者の方へ|こんなお子さんに向いています
- 数学や情報を通じて社会の仕組みを深く理解したいお子さん
- AIやロボティクス、セキュリティなどに関心があるお子さん
- 「理論を応用して人の役に立つこと」がしたいタイプ
- 研究や分析、システム設計といった“縁の下の力持ち”的な仕事に興味がある
- 大学院進学や研究職も視野に入れたい意欲的なタイプ
子: 「目に見える成果」より、「仕組みや構造」をつくるのが僕たちの役目なんだよ。
親: 静かに、でも確実に社会を支えている。そんな知性が育つ学部なのね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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