工学部ってどんな場所？──“世の中に役立つ技術”を自分の手で
親： 工学部って、なんとなく「機械」とか「ロボット」とかのイメージだけど、実際はどんな学びをするの？
子： 一言で言えば、「社会に役立つ“技術”を、自分の手で生み出す学び」かな。静岡大学の工学部は特に、“現場で通用する力”を重視してるんだよ。
親： 現場？座学が中心じゃないの？
子： もちろん理論も大事だけど、**「作って動かす」「壊して理解する」**みたいな実験・演習がとにかく多い。1年生から3DプリンターやCADに触れる授業もあるんだよ。
学部の特徴｜5つの専門分野で未来社会を設計する
● 機械工学分野
- 自動車・ロボット・航空などの動く機械を設計・制御
- AIやセンサーを組み込んだ“スマートメカ”開発も学べる
- 材料力学・流体力学・熱力学など、物理に強くなれる分野
● 電気電子工学分野
- 電力・通信・半導体・電磁波などを扱う“エネルギーと情報”の要
- IoT・再生可能エネルギー・ドローン制御など最先端のテーマ多数
- 電気主任技術者など資格系のサポートも充実
● 化学バイオ工学分野
- 有機合成や素材開発、環境浄化、食品や医薬品の製造技術を探究
- ラボ実験の機会が多く、手を動かして「分子を操る力」を身につける
- サステナブル素材・バイオプラスチック研究も盛ん
● 社会基盤（建築・土木）分野
- 橋・道路・建物・上下水道など“生活を支えるインフラ”をつくる
- 耐震・環境・防災・都市設計など多岐にわたるテーマ
- 静岡という地震多発地域を活かしたリアルな実習も可能
● 情報工学分野
- プログラミング・AI・ネットワーク・セキュリティなどを広く学ぶ
- PythonやC言語などの演習＋ソフトウェア開発実習あり
- スマホアプリ開発やロボティクスとの融合研究にも挑戦
学びのステップ｜基礎から応用・実践へとスパイラルに成長
● 1年次：理系の共通基礎＋工学入門
- 数学・物理・情報など基礎をしっかり固める
- 工学概論やキャリアデザイン科目で、将来像を描く手がかりも獲得
- 早期からラボ見学や簡易製作演習あり（歯車やLEDなど）
● 2年次：分野別の専門授業＋実験スタート
- 所属分野に応じて、熱・電気・材料・構造・通信・AIなどの専門科目が本格化
- 実験は週2〜3コマが定番。毎週レポートを仕上げる中で「考察力」が育つ
- チームで取り組むプロジェクト型授業もあり
● 3年次：演習・設計・フィールド型学習が本格化
- CADを使った設計、Python・Matlabでの解析、建築模型制作なども開始
- 地域企業との連携課題（例：工場見学・改良提案）にも参加可能
- 学内コンテストやロボット競技会も活発
● 4年次：卒業研究＋進路決定の集大成
- 指導教員のもと、自分の研究テーマに1年間集中
- プレゼン・論文・データ処理・論理構成など実社会で通じる技術を習得
- 一部学生は企業と共同研究を行う場合もあり
静岡大学工学部ならではの特色
- 浜松キャンパス（機械・電気・情報）と静岡キャンパス（化学・社会基盤）に分かれた充実施設
- “産業都市・浜松”の強みを活かし、ヤマハ・スズキ・浜松ホトニクスなどと産学連携
- 地震・津波対策技術に関する研究が多く、防災・減災教育も充実
- 地域密着型の課題解決型授業（PBL）を多数実施
学生の雰囲気｜“手を動かして考える”ことが好きな仲間たち
- 実験や設計が好きな「技術屋タイプ」が多いが、プログラミングやAI志向も強まっている
- 比較的まじめで落ち着いた学生が多く、派手すぎず地道に努力できる人が多い印象
- ロボットコンテストや自作ドローン制作、アプリ開発など、課外活動もアツい
- 就活を見据えて資格やインターンに早くから取り組む人も多い
就職・進路｜堅実な技術職から未来志向の研究職まで
● 主な就職先
- ヤマハ発動機、スズキ、ホンダ技研、トヨタ自動車、日立製作所、富士通
- 静岡ガス、中部電力、JR東海、清水建設、大林組などインフラ系
- IT企業（NEC、NTTデータ、SCSKなど）やスタートアップも増加中
- 国家・地方の技術職公務員（国土交通省、自治体技術部門）
● 大学院進学
- 約40〜50％が大学院へ進学（静大大学院・東大・東工大・名大など）
- より専門性の高い研究へシフトすることで、技術職・研究職の道が開ける
● 資格支援
- 技術士補、電気主任技術者、建築士、土木施工管理技士など、分野ごとの資格対策あり
- 就職支援センターの模擬面接・ES添削も評判が良い
保護者の方へ｜こんなお子さんに向いています
- 機械や電子、プログラムなど“ものづくり”にワクワクする子
- チームで協力しながら課題を解決していくのが好きな子
- 実験や工作、数字で分析することが得意な子
- 将来、インフラ・エネルギー・IT・製造業・建築・環境などの技術職に就きたい子
- 安定した就職と専門性を両立させたい子
子： 工学って、ただ便利なものを作るだけじゃなくて、「社会をどう変えるか」って視点が必要なんだ。
親： “技術”に心がある。そんな人が増えたら、これからの社会も安心ね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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