「薬学部」って?“薬を扱うプロフェッショナル”を育てる場所
親: 薬学部って、薬剤師になるための学部なのよね?
子: それが基本だね。でも、富山大学の薬学部は“薬剤師”だけじゃない。**「薬の専門家」+「研究者」+「医療チームの一員」**という視点で、すごく幅広い薬学教育をしているんだ。
親: 薬って病院で処方されるものってイメージだけど、実際はどんな分野があるの?
子: 富山大学では、薬の開発、製造、管理、販売、使用、安全性の確認までをすべてカバーしていて、製薬会社・病院・研究機関・行政など、進路もいろいろなんだよ。
学部の特色|“薬都・富山”ならではの教育・研究がそろう環境
● 富山は“くすりの町”——歴史と実績のある薬学教育拠点
- 江戸時代からの置き薬文化、薬問屋、製薬業の中心地として知られる「薬都」富山
- その伝統を背景に、実務と研究のバランスに優れた教育プログラムを展開
- 薬学部も地元企業・病院・行政と密接につながっているのが特徴
● 6年制薬学科による国家資格対応+実務実習重視
- 医療現場に対応した6年制薬学科(薬剤師国家試験対応)
- 3年次後半から医療機関・薬局での長期実務実習を行い、現場での実践力を育成
- 臨床現場を意識したチーム医療教育や医師・看護師との連携演習も実施
● 医薬品開発・創薬科学にも強い
- 大学院連携の下で創薬・製剤・生薬学・分子設計などの高度な研究が可能
- 地元製薬会社と連携した製薬研究や、副作用・薬物動態の解析なども
- 基礎から応用、臨床まで薬学のすべてを一貫して学べる体制
子: 「病院で薬を渡す」だけじゃなくて、「薬がどう作られ、どう効き、どう安全に届けるか」まで学ぶのが薬学なんだよ。
親: まさに“薬のプロ”。見えない部分にこそ、専門知識と責任が求められるのね。
学びのステップ|6年間で“薬の専門家”としての知識と実践を積み上げる
● 1〜2年次:薬学の基礎と医療人としての素地を育てる
- 化学・生物・物理・数学など理系の土台科目をしっかり学ぶ
- 医療人倫理・薬学概論・薬剤師の役割などを学ぶ「医療入門教育」も実施
- 実験や演習が多く、手を動かして理解するスタイル
- 薬学英語やICTスキルも初期段階から指導
● 3年次:専門科目+実務の橋渡し
- 薬物動態学・薬理学・薬剤学・製剤学・衛生薬学などの専門講義が本格化
- 模擬薬局演習や調剤シミュレーションなど、現場を想定した演習が増加
- 4年次から始まる長期実務実習に向けた事前教育も充実
● 4年次:薬局・病院での長期実務実習(11週間×2)
- 薬局・病院の2つの現場で、計約5カ月間の本格的な現場実習を実施
- 調剤・服薬指導・在宅医療・チームカンファレンス参加などを経験
- 医療現場の空気・緊張感の中で、薬剤師としての自覚が育つ
● 5〜6年次:卒業研究+国家試験対策+進路決定
- 希望研究室に所属し、創薬・分析・臨床薬学・漢方など多彩なテーマで研究
- 論文作成・研究発表を通じて科学的思考と発信力を磨く
- 国家試験対策講座・模試・面接指導などキャリア支援も万全
- 医療機関見学、企業説明会、OB座談会などで進路選択をサポート
親: 実習に研究、国家試験…。やることが多いけど、その分“本物の医療人”になる準備がしっかりできてる感じね。
子: うん、6年って長く感じるけど、振り返ると一つ一つのステップに意味があるよ。
学生の雰囲気|まじめで粘り強い、“責任感”のある仲間たち
- 明るくて協調性があるが、同時に集中力も高い学生が多い
- 実習や試験、研究に忙しい中でも、助け合って乗り越える雰囲気
- 地元出身者や薬剤師志望者が多く、進路に明確な意志を持つ人も多い
- 一方で「薬を通して人を支えたい」という柔らかい志のある学生も多数
子: 「誰かの健康や命を守る」という気持ちが根っこにある人たちが多いから、みんな真剣だし、優しいんだよね。
親: 医療の仕事って、“知識”と“心”が両方必要なんだなって、改めて感じたわ。
就職・進路|病院・薬局だけじゃない、“薬学の広さ”を活かせる未来
● 主な進路分野
- 薬剤師(病院・調剤薬局・ドラッグストア)
- 製薬企業(研究・開発・品質管理・安全性情報)
- 公務員(麻薬取締官、保健所、地方行政など)
- 大学院進学(創薬科学、臨床薬学、生命医科学分野など)
- 医療機器・化粧品・食品会社など他業種への応用的就職も
● 国家試験・キャリア支援
- 薬剤師国家試験の合格率は全国平均を安定的に上回る実績
- 個別の進路面談、履歴書添削、模擬面接など丁寧な就活支援
- 地元病院・薬局とのパイプも太く、Uターン就職にも強い
子: 薬学部って「薬剤師になるしかない」と思ってたけど、実は“こんなにいろんな道”があるんだって、驚いたよ。
親: 進路の選択肢が広いのは、将来に不安を感じやすい親としては安心だわ。
保護者の方へ|どんな子におすすめ?
- 理科・化学・生物などの理系科目に関心があり、地道な努力をいとわない子
- 人の健康や命に関わる仕事に責任感を持って取り組みたい子
- 研究や実験が好きで、仮説検証に粘り強く向き合える子
- 医療現場で患者とコミュニケーションをとることにも興味がある子
- 薬の力で社会に貢献したい、自分なりの形で支えたいという思いがある子
子: 薬学って、“薬を渡す”だけじゃなく、“人の人生に寄り添うこと”なんだって、学びながら実感してるよ。
親: 本当に頼もしい学問ね。うちの子が、社会の誰かの健康を守れる人になるなんて、想像するだけで嬉しくなるわ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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