「都市デザイン学部」って？未来の“まち”をつくる新しい学問
親： 「都市デザイン」って、聞いたことはあるけど、建築とどう違うの？
子： 一言でいえば、「都市全体を、人・建物・環境・交通・文化の視点で総合的に設計する学問」だよ。
富山大学の都市デザイン学部は、建築学＋土木工学＋社会科学＋環境工学を融合して、“持続可能なまちづくり”を学ぶ場所なんだ。
親： なるほど。建物の設計だけじゃなくて、“暮らし全体”を考える学問ってことね？
子： そう。特に富山大学は「コンパクトシティ富山」と呼ばれる都市政策の先進地で、実際のまちで学ぶ・考える・つくる実践型教育が盛んなんだ。
学部の特色｜「まち・人・自然」をつなぐ実践型まちづくり教育
● 4つの分野を統合したハイブリッド学部
- 建築設計・都市計画・インフラ整備・政策提案までカバー
- 理系（設計・工学）と文系（社会課題・政策立案）を融合した学び
- “人が主役のまちづくり”を追求するための、柔軟で幅広い専門性
● フィールドで学ぶ“地域密着型”カリキュラム
- 実際の都市空間（富山市街、地方集落、商店街など）を使った実習・調査が豊富
- 官民連携のプロジェクトで、学生が地域課題にアイデア提案を行う機会多数
- 地域の人と対話しながら、共にまちを考える“対話型まちづくり”を実践
● 環境・防災・交通・エネルギーなど未来課題と直結
- 地球温暖化・災害対応・高齢化社会・脱炭素などSDGs視点のテーマを多数扱う
- 富山の立山連峰や日本海に面した環境を活かした自然共生型都市研究も実施
- LRT（次世代路面電車）・公共交通政策・交通バリアフリーなどの研究も盛ん
子： 「建物だけ」じゃなくて、「人の暮らし」「自然のバランス」「政策の仕組み」まで考えるのが“都市デザイン”なんだ。
親： 本当に、未来のまち全体をつくっていく視点なのね。
学びのステップ｜理論・演習・実習を重ねて“まちの専門家”になる4年間
● 1年次：都市を多角的に“観察・理解”する基礎作り
- 建築・土木・都市政策の基礎的知識をまんべんなく学ぶ
- 都市観察フィールドワークや、図面・模型の作成演習も体験
- チームでミニ都市設計に挑戦する“入門プロジェクト”も
● 2年次：設計・構造・環境の専門性を段階的に習得
- 建築設計、構造力学、環境工学、交通計画、GISなど本格的な専門科目がスタート
- “目に見える都市”と“見えない仕組み”を両方理解する力を育成
- グループ制作やプレゼンの機会も増加し、対話力も磨く
● 3年次：実社会と接続するプロジェクトベースの学び
- 地域団体・行政と連携した「実際のまちづくりプロジェクト」に参加
- 交通・防災・景観・公共空間などの課題に対し、学生の視点で提案
- 研究室に仮配属され、自分の関心分野を深め始める
● 4年次：卒業研究で“まちの未来”に提案する
- 建築設計、都市交通、防災設計、公共政策など多彩なテーマで卒業研究
- 計画書作成・模型制作・フィールド調査・住民ヒアリングなど多手法を活用
- 地域で発表したり、行政への提言にまとめることもある
学生の雰囲気｜「まちに向き合いたい」静かな情熱を持った仲間たち
- デザイン志向の学生もいれば、論理的に都市課題に向き合う理系タイプも
- プレゼンや模型づくりが好きな“表現型”と、調査や分析を深める“考察型”が共存
- 地元志向の学生も多く、地域と関わりながら学ぶ空気が強い
- ゼミや演習で意見交換が活発に行われる、オープンで優しい雰囲気
子： 建築好き、まち歩き好き、鉄道オタク、環境問題志向の子…いろんなタイプが集まってるよ。
親： 「人と都市の関係を考える」って、いろんな視点が必要なのね。
就職・進路｜建築・都市計画・公務員・インフラ…活かし方は無限大！
● 主な進路分野
- 建設業界（ゼネコン、設計事務所、インフラ系）
- 公務員（都市計画・建築・土木職／国土交通省・地方自治体など）
- 不動産／地域再生事業／都市開発コンサルタント
- 交通・物流・環境系の企業やNPO
- 大学院進学（建築・都市計画・環境デザイン・地域政策など）
● 資格・キャリア支援
- 一級建築士受験資格取得（建築系履修）対応
- 技術士補、土木施工管理技士、都市計画士などにも対応
- 就活セミナー／官公庁説明会／ポートフォリオ指導も充実
子： 「まちをよくしたい」っていう気持ちがあれば、公務員でも民間でもNPOでも活かせるよ。
親： 本当に、“自分の生き方”と“まちの未来”が重なる学びなんだね。
保護者の方へ｜どんな子におすすめ？
- 建物・都市・地図・交通などに興味がある子
- 社会のしくみや地域課題に目を向けて、自分の手で解決したい子
- 手を動かして模型を作ったり、現場で人と対話するのが好きな子
- 理系的な思考と文系的な発想の両方に関心がある子
- 将来は「まちをよくする」ことを仕事にしたい子
子： 街って“あたりまえ”のようにあるけど、実はすごくたくさんの人の知恵と努力でつくられてるんだよ。
親： あなたが将来、その“まちを支える一人”になれたら、とっても誇らしいわ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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