「世界を“理”から解き明かす」——それが東大理学部です
親： 「理学部」って聞くと、なんだかすごく頭のいい人が理論だけを追ってる印象があるけど、実際には何を学ぶの？
子： 一言でいうと、“自然界のしくみを根本から探求する”学部だよ。物理・化学・生物・地学・数学など、あらゆる「自然の法則」を解き明かすために、実験・理論・数式・観測を駆使して深く掘り下げていくんだ。
親： すごく本質的な学びなんだね。応用より、まず基礎から？
子： そう。工学や医学、情報科学の発展も、すべてはこの“基礎科学”の成果がベースなんだよ。東大理学部は、その世界トップレベルの基礎科学の中心地なんだ。
東京大学 理学部の魅力とは？
● 世界レベルの研究者がそろう、日本の「科学の中枢」
- ノーベル賞受賞者を多数輩出（小柴昌俊氏、大隅良典氏など）
- 理論物理・有機化学・進化生物・宇宙地球科学など、各分野の世界的拠点
- 研究設備・図書・データベースなどの資源が非常に充実
● 理学を“面白く・深く・自由に”探求できる風土
- 興味に合わせて数理・物理・化学・生物・地学から専攻を選べる
- 文理融合や工学系、医学系との学際研究にも積極的
- 「まだ名前もついていない現象」を追いかける好奇心主導の研究ができる
● “東京大学らしさ”が詰まった2段階進学制度
- 入学時は教養学部理科一類・二類に所属（1〜2年次）
- 3年次から希望に応じて理学部の各専攻に進学
- 学際的な教養を踏まえてから専攻選択することで、柔軟な進路選択が可能
学びのステップ｜“教養から専門へ”成長する4年間＋その先
● 1・2年次：前期課程（教養学部）で土台をつくる
- 駒場キャンパスで、文理融合の教養教育を受ける
- 理系基礎（数学・物理・化学・生物・地学）＋英語・情報・哲学など
- 少人数ゼミやアクティブラーニングで、考える力・書く力・伝える力を磨く
● 3・4年次：後期課程（理学部）で専門を深める
- 専攻は物理学科／化学科／生物学科／地球惑星物理学科／天文学科／数学科など
- 座学・実験・演習・研究室配属を通じて、理論と実践の両面を習得
- 4年次には卒業研究（B4）が本格的にスタート
● 卒業後：大学院進学が主流ルート
- 多くの学生が東京大学大学院理学系研究科へ進学（修士・博士）
- 世界トップの研究機関・企業研究所・官公庁へ羽ばたく人も多数
主な研究テーマ例｜“未知”を相手にする学問の最前線
- 重力波・素粒子・宇宙の起源（物理学）
- 分子の構造と機能の解明、新規反応の開発（化学）
- 遺伝子進化・細胞メカニズム・脳科学（生物学）
- 火山・地震・惑星探査・気候変動（地学・天文学）
- 幾何学・代数・解析・統計の理論構築（数学）
子： 一見バラバラに見えるけど、どの研究も「世界の根本を理解したい」っていう同じ動機でつながってるんだ。
学生の雰囲気｜静かな情熱と知的好奇心が集まる場所
- 探究心が強く、自分のテーマをとことん突き詰める学生が多い
- 勉強も研究も“自走型”で、マイペースだが高密度
- 趣味が研究、という人も少なくなく、日常と学びの境界が曖昧
- 穏やかで、議論が好きなタイプが多く、居心地は意外と良い
主な進路｜研究者、企業技術者、官僚、教育者…あらゆる「知」のフィールドへ
● 研究・アカデミア系
- 東京大学大学院理学系研究科などで博士課程に進学
- 海外の名門大学（MIT、スタンフォード、ケンブリッジなど）での研究継続も
● 企業研究職・開発職
- 製薬・化学・電機・宇宙航空・AI・金融など、高度専門職に多数
- 例：ソニー、日立、ファナック、トヨタ、JAXA、IBM、三菱総研など
● 官公庁・教育・その他
- 気象庁・文部科学省・特許庁などの技術系官僚
- 高校教員・大学職員・国際機関（UNESCOなど）も
親： “理系研究者”って狭い進路かと思ったけど、意外と広いのね。
子： 基礎科学をやってるからこそ、**どの業界でも応用できる“思考力と探究力”**が身についてるんだよ。
保護者の方へ｜どんな子に向いている？
- 数学や理科が好きで、論理的に考えるのが得意な子
- 「なぜ？」と問い続ける粘り強さがある子
- 一つのことを深く掘り下げることが好きな子
- AI・宇宙・分子・脳など、世界の不思議にワクワクできる子
- 将来の進路が未定でも、「知ることそのもの」に価値を感じる子
子： 東大理学部に来て思ったのは、**「すぐ役立たなくてもいいから、面白いことをやろう」**って空気があること。
親： 知的好奇心が仕事にもなる、そんな環境ってやっぱり東大ならではなのかもしれないわね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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