「工学部」って？社会の“当たり前”を支える、最前線の技術者を育てる場所
親： 「工学部」って、機械を作る人のイメージがあるけど、実際はどんなことを学ぶの？
子： たしかに機械も学ぶけど、それだけじゃないよ。山形大学の工学部では、電気・情報・建築・化学・材料・バイオなど、あらゆる“工学の力”を駆使して、社会の課題に技術で応える学びがそろっているんだ。
親： じゃあ、いろんなことに挑戦できる学部なのね。
子： うん、特に山形大学は「実学志向」が強くて、企業や地域と連携したプロジェクトが多いのが特徴なんだよ。**“研究室で終わらない学び”**ができる工学部なんだ。
学部の特徴｜“実社会で役立つ工学”にとことん向き合う6学科体制
山形大学工学部には、以下の6つの学科があります。
- 機械・制御・ロボティクス分野：ものづくり、メカ設計、AI・ロボット制御
- 電気・電子工学分野：回路設計、電磁気、再生可能エネルギー制御
- 情報・通信分野：IoT、AI、情報セキュリティ、プログラミング
- 建築・社会インフラ分野：建築設計、都市計画、防災・減災技術
- 応用化学・バイオ工学分野：有機・無機合成、医療材料、発酵技術
- 高分子・ナノ材料分野：プラスチック、機能性フィルム、環境対応素材
すべての分野で、「座学＋実験＋現場実習＋研究活動」が一体となっており、1年次から技術者マインドが育まれる構造です。
学びのステップ｜1年から“設計・開発・実験・実装”を体験！
● 1年次：理系の基礎を固め、工学への導入を学ぶ
- 数学・物理・情報リテラシー・データ処理などを学習
- 「工学入門」では、現代の技術と社会の関係を知り、自分の進みたい分野を確認
- サークル活動や学内工房（ものづくりスペース）にもアクセス可能
● 2年次：専門の基礎＋初期演習を本格化
- 各分野で必須となる基礎理論（熱力学／材料力学／電気回路／構造力学／有機化学など）を体系的に習得
- CAD設計演習、マイコン実習、電気制御の実験など**“手を動かす学び”が加速**
● 3年次：課題解決型の学びと研究室配属
- 「グループ設計演習」「実践プログラミング」「素材開発プロジェクト」など課題ベースの授業が増加
- 学外連携型PBL（例：山形の企業と共同製品開発、地域課題解決型プラン提案）も始動
- 研究室配属がスタートし、教員と一緒に最新の研究テーマに挑戦できる
● 4年次：卒業研究と社会発信へ
- 各自の卒業研究テーマに1年かけて取り組み、実験・開発・分析・論文執筆を経験
- 研究テーマ例：
- 「超軽量かつ高強度な新素材の開発」
- 「再エネを利用した地域防災システムの提案」
- 「認知症ケアに活用できるロボットAI制御」
- 「高機能フィルムによる食品ロス削減技術」
- 学会発表・コンテスト出場・企業への成果プレゼンなども積極的に行われる
山形大学工学部の“リアル”な学びのフィールド
- 山形県内企業との共同研究：雪国対応素材、農業用センサ開発、医療機器の試作など
- 「やまがたスマート未来創造」プロジェクト：行政・大学・企業が連携し、地域課題に技術で挑む産学官連携活動
- 地域防災・インフラ保全実習：豪雪・地震・土砂災害といった地域の課題に工学で立ち向かう
- 学内“ものづくりラボ”：レーザーカッター・3Dプリンター・半導体加工設備が充実
親： 地域に根ざしながら、ここまで実践的な経験ができるのね。
子： 山形大学工学部は「地方の実学工学」の最前線って言われるくらい、現場と技術がつながってるんだよ。
学生の雰囲気｜技術オタクから起業志望まで、多彩な理系人材が集う場所
- 機械いじり、プログラミング、設計が好きな“実践派”が多い
- おとなしいタイプも多いが、研究になると“熱量”が爆発
- 起業に挑戦したり、学会でバリバリ発表するタイプもいる
- 山形出身者と首都圏・関西圏の学生が混在していて、価値観の多様性がある
- 留学生とも交流が多く、国際色のあるラボや英語発表も盛ん
就職・進路｜メーカー・IT・インフラから公務員・起業まで幅広い
● 主な就職分野
- 自動車・機械・電気メーカー（トヨタ、日立、デンソー、三菱電機 など）
- IT・情報系企業（NTTデータ、富士通、楽天、スタートアップ）
- 建築・インフラ・設備会社（大成建設、東日本旅客鉄道、東京電力）
- 化学・素材系企業（旭化成、クラレ、花王、住友化学）
- 公務員（技術職）・教員・独立行政法人
● 大学院進学も多数（約4割）：
- 山形大学大学院理工学研究科
- 東北大学、東京工業大学、名古屋大学など他大進学もあり
保護者の方へ｜どんな子におすすめ？
- 工作・実験・設計など“手で考える”タイプの子
- 数学・物理・化学・情報に興味があり、理系科目が得意な子
- 社会に役立つものを「自分でつくりたい」気持ちがある子
- 技術者・開発職・研究職など、理工系のキャリアを目指している子
- 地域・社会・環境の課題解決に、技術で関わりたいという意欲がある子
子： 工学部って、技術を学ぶ場所だけじゃなくて、「社会に応える力」を育てる場所でもあるんだって、入ってから実感してる。
親： ものづくりって、技術だけじゃなくて、人の暮らしにも直結してるのね。頼もしいわ。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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