「赤十字の看護学部」って?“いのちをまもる”看護の原点から学ぶ
親: 「赤十字」って名前がついてると、なんだか特別な看護教育が受けられそうね。
子: そうなんだ。日本赤十字看護大学の看護学部では、赤十字の精神――つまり「人道・公平・中立・博愛」に根ざした、人に寄り添う力と行動力を育てる教育が特長なんだよ。
親: 看護師の資格を取るだけじゃないのね。“看護の意味”そのものを深く考えられそう。
子: うん、ただ治療の補助をするだけじゃなくて、「その人らしく生きる」を支えるために、災害看護・国際看護・在宅看護・保健活動まで幅広く学ぶ学部なんだ。
看護教育の特徴|人道の理念×専門性×実践力
● 赤十字の看護理念を実践に落とし込む
- 看護を「ケア」「共感」「専門職」として捉え直すカリキュラム
- 災害・国際医療・高齢社会など、“今の社会が本当に必要としている看護”を学ぶ
- 人を助けたいという想いを、確かな行動力に変えていく教育が中心
● 医療・福祉・地域と連携する看護
- 病院での臨床看護はもちろん、訪問看護・地域包括ケア・学校保健なども網羅
- 公衆衛生看護・災害医療・国際保健など、専門性を生かす選択肢が豊富
- 保健師資格(選抜制)も取得可能。“まちの健康を守る人”としての道も開ける
● 実践教育×研究教育の融合
- 実習だけでなく、看護理論・倫理・研究法・EBN(根拠に基づいた看護)を重視
- 研究室に所属し、看護を科学的に探究する姿勢を身につける
- 「考える看護師」になるための論理的思考と批判的視点を育成
子: 「ただ優しいだけの看護師」じゃなくて、「責任を持って決断できる専門職」として育ててくれる場所なんだよ。
学びのステップ|基礎から災害・国際看護まで、段階的に力をつける4年間
● 1年次:看護の基本と“人のいのち”を学ぶ土台づくり
- 看護学概論/基礎医学(解剖・生理・病理)/倫理学
- 看護技術の基礎演習(バイタル測定・ベッドメイキングなど)
- 赤十字の歴史や国際人道法など「看護の社会的役割」も学ぶ
● 2年次:専門分野への導入と演習
- 小児・母性・成人・精神・老年看護などの専門科目がスタート
- 看護過程の展開、アセスメント、記録など“思考と実践のつなぎ方”を習得
- 医療現場を想定したシミュレーション演習も多い
● 3年次:病院・地域での本格的な臨地実習
- 赤十字病院や連携施設での長期実習(病棟・訪問看護・学校・保健所など)
- 患者との関わりの中で“自分の看護観”を深めていく
- チーム医療の中での看護師の役割を体感する重要なフェーズ
● 4年次:卒業研究・国家試験対策・進路形成
- 看護研究(テーマ例:終末期ケア/児童虐待と看護/災害避難所支援など)
- 看護師・保健師国家試験対策を本格化
- キャリア支援や赤十字国際派遣・大学院進学の相談もこの時期に
実習・演習が豊富!“目の前のいのちに向き合う力”を養う体験
- 日本赤十字社との連携により、赤十字病院(広尾・武蔵野など)での実習多数
- 看護実習棟でのシミュレーション(成人・母性・在宅看護用の模擬室完備)
- 災害医療演習:避難所運営、災害トリアージ、医療救護のシナリオ演習
- 地域連携型フィールド活動(高齢者支援/母子健康支援など)
親: “いざというときにも動ける”看護師って、今すごく求められてる存在よね。
子: うん。だからここでは「考えて、動ける」看護を、徹底的に体験しながら学ぶことができるんだ。
学生の雰囲気|想いと使命感のある、あたたかくて真剣な仲間たち
- 人の役に立ちたいという動機で入学している人が多く、目的意識が明確
- チームで学び、支え合う文化が強い。実習中は励まし合いながら乗り越える
- 看護=対話の専門職という意識があるので、人と向き合う力に長けた学生が多い
- 災害支援やボランティアに参加する学生も多数
就職・進路|看護師+保健師+その先へ広がるキャリア支援
● 主な進路先
- 日本赤十字社の医療機関(赤十字病院など)
- 公立・私立病院(大学病院・総合病院)
- 保健所・自治体(保健師として)
- NGO・国際協力機関(赤十字国際委員会、JICA関連など)
- 大学院進学(公衆衛生/看護管理/助産/国際看護など)
● 国家資格と支援体制
- 看護師国家試験:合格率は全国平均を上回る高水準
- 保健師国家試験(選抜制)への対応も充実
- 模擬試験・個別対策・面接練習・OB/OGとの交流会など支援が厚い
保護者の方へ|こんなお子さんにおすすめです
- 「人のために何かしたい」「いのちを支えたい」という想いがある子
- 看護師という専門職として、将来にわたって社会と関わりたい子
- 医療や福祉に関心があり、国家資格を取りたい子
- 災害・国際・在宅など、幅広い現場での看護に興味がある子
- 思いやりだけでなく、論理的思考や責任感をもって行動したい子
子: 看護って、技術だけじゃなくて、“その人の人生そのもの”に寄り添う仕事なんだなって思った。
親: いのちを守る力と、世界と向き合う姿勢。その両方を育ててくれる学びって、本当に貴重ね。
本記事は、早稲田大学国際教養学部に在籍し、進学塾を主宰する筆者が保護者の方に向けて執筆しました。内容は2024年度時点の情報をもとにしています。最新情報は大学公式サイトをご確認ください。
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